クテーシッポスクテーシッポス(古希: Κτήσιππος, Ktēsippos)は、ギリシア神話の人物である。長音を省略してクテシッポスとも表記される。主に、 が知られている。以下に説明する。 ヘーラクレースの子このクテーシッポスは、ヘーラクレースとデーイアネイラの子で、ヒュロス、グレーノス、オネイテース[1]、妹マカリアーと兄弟[2][3]。トラシュアノールの父で、その家系はさらにアンティマコス、デーイポンテースと続いた。またアルゴリス地方の都市クレオーナイを支配したアガメーディダースという子孫もおり、この人物の息子テルサンドロスに双子の娘ラトリアーとアナクサンドラーが生まれ、それぞれスパルタ王となったアリストデーモスの双子プロクレース、エウリュステネースと結婚したという[4]。 系図
ヘーラクレースの子このクテーシッポスは、アポロドーロスによると、ヘーラクレースとオルメニオン王アミュントールの娘アステュダメイアの子[1]。シケリアのディオドーロスも、ヘーラクレースとオルメニオスの王の娘アステュダメイアの子と述べている[5]。 ペーネロペーの求婚者このクテーシッポスは、イタケー王妃ペーネロペーの求婚者の1人である[6]。サメーの出身で[6][7]、ポリュテルセースの子[8]。クテーシッポスは非道かつ邪悪な人間で[9]、短慮で口汚く[10]、暴力的である。 ホメーロスの叙事詩『オデュッセイアー』によると、変装したオデュッセウスが求婚者と同じ食事を受け取っているのを見たクテーシッポスは、「わしからも土産をやろう、そうすれば貴様もオデュッセウスの館で働く者たちに心付けをやることができるだろうからな」と言い、籠の中に入れてあった牛の脚を取って、オデュッセウスの顔にめがけて投げつけた。しかしオデュッセウスは首だけを捻ってかわした。テーレマコスは「クテーシッポスよ、客人に当たらなくて命拾いをしたな、もし客人に当たっていたら、私の槍がお前の腹を刺し貫いていたところだ」とクテーシッポスを叱りつけた[11]。 オデュッセウスが求婚者たちを討たんとしたとき、クテーシッポスはオデュッセウスに抵抗して槍を投げ、盾を構えたエウマイオスの肩をかすめたが、ピロイティオスの投げた槍に胸を貫かれて倒れた。ピロイティオスはクテーシッポスを討ち果たすと「今後は思慮なく偉そうなことを言うのはやめておくことだな。この一撃は以前お前がオデュッセウス様に投げつけた牛の脚の返礼だ」と言った[12]。 その他の人物
脚注参考文献 |
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