マイケル・クリスチャン・マルティネス(英語: Michael Christian Martinez、1996年11月4日 - )は、フィリピン出身の元フィギュアスケート選手(男子シングル)。
2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪フィリピン代表。2012年クリスタルスケート優勝。
人物
好きな選手としてパトリック・チャンをあげている[1]。マイケルはフィリピンとアメリカで練習している。アメリカでは複数のコーチの元を渡り歩いているが、2010年12月からは元オリンピック金メダリストのイリヤ・クーリックの指導も受けている[2]。本人の弁によればフィリピンでの練習環境は良好なものとは言えない。練習時間は6~8時間にも及ぶが、オリンピックサイズのリンクはあるものの貸し切りでの練習はできず、多くの利用者の間を滑らなくてはならない。氷の状態も良くないため、過去には前記の膝以外にかかとの靭帯も傷めている。フィリピンからの財政的支援を受け始めたのはユースオリンピック終了後のことである。しかし、マイケルは他の自国の代表メンバーと違い、フィリピン出身でかつフィリピンで練習を積んでいることに誇りを持っているとも語っている[2]。
高い柔軟性を備えており、男子選手としては珍しくビールマンスピンを得意としている。
経歴
フィリピンのムンティンルパ在住。マイケルは2005年にショッピングモールのアイスリンクでスケートに出会った。最初は趣味として楽しんでいたが、2008年から競技者としてのトレーニングを開始した[1]。
ISUジュニアグランプリシリーズには2010-2011シーズンから参戦[3]。2012年4月に膝靭帯断裂を経験し、医者には競技を止めるように言われたが二ヶ月で練習を再開している[2]。2012-2013シーズンのJGPレイクプラシッド大会では、フィリピン人選手として初めて国際競技でトリプルアクセルを成功させた[1][2]。その二ヶ月後、クリスタルスケートでは国際大会での初優勝を遂げたが、これもフィリピン人選手としては初めてのことだった。
2013-2014シーズン、JGPリガ杯は足首の捻挫の影響もあり4位。ソチオリンピックの最終予選であるネーベルホルン杯では予選参加国の3番目の成績となり、フィリピンに初めてのフィギュアスケートの出場枠をもたらした。10月には早くもオリンピックの代表に内定した[4]。JGPタリン杯では3位となり、フィリピン選手として初めてISU主催の大会でのメダルを獲得した。ソチオリンピックの開会式ではフィリピン唯一の出場者として旗手を務めた。競技では19位。
2014-2015シーズン、グランプリシリーズに参戦しスケートアメリカで10位。初出場の世界選手権では21位となった。
2017-2018シーズン、平昌オリンピック最終予選であるネーベルホルン杯で8位となり、フィリピンの男子シングル出場枠を獲得できなかった。スポンサーの支援もなくなり、競技からの引退を決意。ボディビルを始めたため、体重は66kgから75kgに増えた[5]。スウェーデンオリンピック委員会がアレクサンデル・マヨロフのオリンピック派遣を見送ったため、スウェーデンのオリンピック出場枠が返上され、次点のフィリピンに出場権が渡った。オリンピック開催の2週間半前に出場が決定し、体重を68kgに減量し試合に臨んだ[6][7]。SPでは3本のジャンプをミスなく着氷させたが、28位でFSに進むことはできなかった。
主な戦績
マークが付いている大会はISU公認の国際大会。
詳細
プログラム使用曲
脚注
外部リンク