ビッグ・リボウスキ
『ビッグ・リボウスキ』(The Big Lebowski)は、1998年製作のアメリカ映画。コーエン兄弟製作のコメディ映画。 同姓同名の大金持ちと間違えられ、誘拐事件に巻き込まれた男の騒動を描いている。 ストーリー1991年、ブッシュ政権下のロサンゼルス。自らをデュードと名乗る男、ジェフリー・リボウスキはある夜、2人組の男に自宅に押し入られ、身に覚えのない金の支払いを要求された上に、お気に入りの絨毯に小便を掛けられる。デュードが同姓同名の人違いだとわかると、闖入してきた男等はその場を去っていった。 ボウリングのチームメイトであるウォルターとドニーのアドバイスを受けたデュードは、絨毯を弁償してもらうためにもう一人のリボウスキ(ビッグ・リボウスキ)を探しあて、男が住む屋敷を訪れる。男は財団を持つ裕福な慈善家だったが、デュードの話を全く聞かずに彼を穀潰しの怠け者と罵り、けんもほろろに追い返す。デュードはひとまず絨毯を1枚持ち帰り、屋敷を出ようとする途中でリボウスキの若い妻・バニーに出くわす。 数日後、リボウスキの秘書ブラントはデュードを呼び出し、バニーが何者かに誘拐されてしまったため、デュードに身代金の引渡し役になってほしいと依頼する。当初はバニー側の狂言誘拐だと信じていなかったデュードだったが、高額な報酬と引き替えに依頼を快諾することにする。その夜、見知らぬ男女3人組に自宅に押し入られ、絨毯を奪われてしまう。 翌日、誘拐犯から身代金の要求があり、デュードはブラントから100万ドルが入ったブリーフケースと携帯電話を預かる。身代金の引き渡しに向かう途中、ウォルターが無理やり同行し人質を取り戻して金も奪おうとするが、ウォルターが用意した偽のブリーフケースだけ奪われ、犯人を取り逃がしてしまう。デュードとウォルターはひとまずボウリングをした後、身代金の受渡は無事に済んだと嘘をつくことにするが、駐車場に向かうとブリーフケースを置いたままにして停めていた車が盗まれていた。 翌日、自宅で警官に被害状況の説明をしていると、リボウスキの実娘で前衛アーティストのモードから、絨毯を盗んだのは自分であるという電話が入る。彼女はデュードを自分のアトリエに呼び出し、父親とバニーの素性を明かした後、用意した身代金は財団の資金であることを伝え、報酬の1割と引き換えに身代金の奪還を依頼する。 依頼を快諾しモードのアトリエから帰る途中、デュードは尾行していたリボウスキとブラントに車の中へ押し込まれ、誘拐犯が身代金を受け取っていないことを非難される。なおも誤魔化そうとするデュードに対し、リボウスキとブラントは、デュードに何者かの切り落とされた足の親指を見せ、今後バニーの身に何か起きた場合、デュードの身にも危害を加えると警告する。焦ったデュードはウォルターに相談するが、狂言誘拐と先に言ったのはデュードであり、送られた指は偽物だとウォルターにはまともに相手にされない。その夜、風呂で寛いでいたデュードの下に、警察から盗難車が見つかったと電話が入る。そこへ3人組のニヒリストが押し入り、金を渡さなければ股間を切り落とすと脅し去っていく。再度ウォルターに相談を持ち掛けたデュードだったが、またしてもまともに取り合わないウォルターと喧嘩し、険悪な関係になってしまう。そんなデュードを見かねたカウボーイハットの男は、もっと気楽に生きるようデュードを励ます。盗難された車を取りに行ったデュードだったが、ブリーフケースは入っておらず、代わりにラリー・セラーズという高校生のテストの答案用紙が見つかる。ウォルターが探し出したラリーの自宅へ向かったデュード達だったが、ラリーは口を割らず、ブリーフケースの行方は分からずじまいに終わった。 翌日、最初に押し入った2人組の男が自宅に現れ、デュードは2人の雇い主ポルノ監督ジャッキー・トリホーンの下へ呼び出される。バニーに多額の金を貸しているジャッキーは、身代金の行方を白状するよう要求するが、答えることのできないデュードはラリーの話をするも信じてもらえず、ホワイト・ロシアンに薬を盛られて意識を失ってしまう。目を覚ましたデュードはマリブ警察に保護されるが、所長はデュードの何もかもを気に入らず、暴力を加えた上に警察署をたたき出す。帰りのタクシー内でも運転手と口論になったことで、デュードは徒歩で自宅へと帰る。自宅付近で、密かにデュードを尾行していた私立探偵の男と会ったデュードは、男からバニーの捜索で情報交換を持ち掛けられるが拒否し自宅へと戻る。暫くした後モードが現れ、二人はセックスをする。ピロートークの後マリファナを吸っていたデュードは、バニーの誘拐と身代金の行方について一つの考えを思いつく。デュードは、誘拐は金に煩いリボウスキから金を巻き上げるためのバニーと友人たちの狂言であり、バニーの浪費癖に耐えかねていたリボウスキも、誘拐によって彼女が殺されてしまえば都合がいいと考えており、最初から金を用意していなかったと推測する。ウォルターを連れてリボウスキの豪邸へと向かうと既にバニーは帰宅していた。リボウスキの下へ向かった二人はデュードの推測を聞かせるが、リボウスキは推測をあっさりと事実だと認める。拍子抜けしたデュードはそのまま帰ろうとするが、激怒したウォルターがリボウスキに暴行を加えてしまい、気まずいままその場をさる。 全てが解決し、ドニーも加わりボウリングをしていたデュード達だったが、駐車場にまだ事態が解決したことを知らない3人組のニヒリストが現れ、デュードの車を燃やしてしまう。話し合いの末、事態を理解したニヒリスト達は、危害を加えない代わりに金を要求するも、ウォルターが拒否したため乱闘に発展してしまう。乱闘の末、ニヒリストを撃退したデュード達だったが、乱闘の最中にドニーが心臓発作を起こし、そのまま死んでしまう。身寄りのないドニーの遺骨を引き取ったデュードとウォルターだったが、埋葬費用が払えないため遺灰を海へと散骨することを決める。海辺でウォルターがドニーへの弔いの言葉をかけた後、遺灰を散骨するつもりが、遺灰は風に流されてデュードの顔にかかってしまう。やり場のない悲しみを感じたデュードはウォルターに八つ当たりするが、そんなデュードをウォルターはボウリングへと誘う。 その後、元気を取り戻したデュードは、ボウリング場でカウボーイハットの男と再会する。デュードが去った後男は観客に向けて、デュードが立ち直ったこと、モードにもうすぐ子供が産まれることを語りかける。 登場人物・キャスト
備考ミュージシャンのエイミー・マン、および、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーがニヒリストの一人として出演している。 日本語吹替
作品解説
配役主人公のヒッピー崩れのダメ男デュードを、ジェフ・ブリッジスが演じている。ブリッジズは初めて映画の脚本を読んだ時、自分がデュードを演じるために生まれてきたように思えた、と語っている[3]。 デュードのボウリング大会でのチームメイトや対戦相手を、ジョン・グッドマンやスティーブ・ブシェミ、ジョン・タトゥーロらコーエン兄弟制作映画の常連たちが演じているが、いずれの役もコーエン兄弟が彼らの起用を脚本執筆の時から想定して書いたものである[4]。 登場人物のモデル
サウンドトラック
反響・評価
脚注
外部リンク |
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