ドン (通貨)
ドン(ベトナム語:đồng / 銅)は、ベトナムの通貨単位。国際通貨コード (ISO 4217) はVND。通貨記号は₫であらわす。補助単位はハオ(hào, 毫)と、シュウ(xu, 樞)であり、1ドン=10ハオ=100シュウである。現在はどちらの補助単位も現金の単位としては使われていない。 歴史ベトナム語のドンは漢字の銅であり、一ドンは一銅、つまり銅銭一枚分の意である。ベトナムは古くは銅銭が流通し、通貨名はこれからとられている。フランスに植民地化されたフランス領インドシナ時代は、フランス語で米ドルを意味するピアストルが通貨単位であったが、ベトナム語ではドン、あるいは銀を意味するバク(ベトナム語:bạc / 鉑)と読んだ。独立後、南北ベトナム両国は別々の通貨を発行したが、単位はともにドンを使用した。南ベトナムの併合後、ドンが共通の通貨単位として使われるようになった。 北ベトナム→詳細は「北ベトナム・ドン」を参照
1946年ベトミン政府(ベトナム独立同盟会、のちのベトナム民主共和国(北ベトナム政府))は、それまでのフランス領インドシナ・ピアストルを置き換える形で、ピアストルと同価の独自通貨ドン(đồng)を導入。その後、二度のデノミネーションを実行。1951年に100:1のレート、その後1958年に1,000:1の比率で通貨切り下げを行なった。 南ベトナム→詳細は「南ベトナム・ドン」を参照
![]() 第二次大戦後、戦前の宗主国フランスの意を受けて存在していたベトナム国が、1953年にフランス領インドシナ・ピアストルとドンの両通貨名で紙幣を発行していた。その後、南ベトナムを掌握していたベトナム国勢力が一掃され、アメリカ合衆国の支援を受けたベトナム共和国(通称南ベトナム)に政権を引き渡した。その間、通貨はピアストルと同価の「ベトナム共和国ドン」が使用された。1975年のサイゴン陥落の後、南ベトナムの通貨は「解放ドン」に変更され、1解放ドン=500旧ベトナム共和国ドンであった。 統一ドン1976年に南北ベトナムが統一され、ベトナム社会主義共和国が成立。1978年5月3日に通貨ドンも統一され、1新ドン=1北ベトナム・ドン=0.8南ベトナム「解放ドン」の価値であった。 ドン切り下げ1985年9月14日に、ドンのデノミネーションが行われ、1新ドン=10旧ドンとなった。この後、慢性的なインフレーションが開始し、1990年代初頭まで継続することとなった[1]。 貨幣2019年3月の為替レートで、1ベトナムドンが約5厘程度(約200ドン=1円)[2][注釈 1] と、小額な通貨単位である。必然的に桁数が多くなるため、一般的には3桁で区切られ、"."(ピリオド)が用いられる(命数法を参照のこと)。長年続くインフレーションもあり、1,000ドン未満で購入できる商品はほとんどない。このため、下3桁を省略する、または1,000=1キロという意味で1,000ドンを「1k₫」と表記することがある。 紙幣
紙幣のデザイン紙幣の表面に描かれている人物は、既に流通が稀となっている人物が描かれていない100₫紙幣を除き、全て初代国家主席のホー・チ・ミンである。そのため裏面のデザインと発行年(紙製紙幣は印刷されている発行年・ポリマー紙幣については2003年シリーズとされているが、実際の流通開始年を記す。なお、ポリマー紙幣のシリアル番号の始めの2桁はその紙幣の印刷年を表す)について解説する。 紙製紙幣
ポリマー紙幣
硬貨
符号位置
脚注注釈
出典
外部リンク |
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