レバノン・ポンド
レバノン・ポンド(Lebanese pound)は、レバノンの通貨。通貨の補助単位はピアストル(カルシュ)だが、現在は使われていない。 概要第一次世界大戦まではオスマン帝国領であったため、この地域ではトルコ・リラが使用された。大戦中にイギリスに占領されるとエジプト・ポンドが流通したが、大戦後にフランスの委任統治領となるとシリア・ポンドの発行が始まり、1ポンド=20フランス・フランの固定相場制をとった。これはシリアとレバノン共通の通貨であったが、レバノンでは1924年から独自の硬貨を、1925年から独自の紙幣を発行するようになった。当時はまだシリア・ポンドとの互換性が保たれていたものの、1939年には完全に独立した通貨となった。1941年、フランスがナチス・ドイツに敗北すると、レバノン・ポンドは8.83レバノンポンド=1イギリス・ポンドのレートで英国ポンドにペッグされた。1949年にはフランス・フランとの固定相場は放棄された。1975年から1990年の間、1ポンドは3アメリカ・ドルの価値があった。2006年、レバノン・ポンドは1アメリカ・ドル=1507.5ポンドのレートに固定された。 2020年3月、レバノンは内戦時にさえ起らなかったデフォルト状態に陥った[1]。このためレバノン・ポンドは暴落し、同年6-7月頃の闇レートで1ドルが8000レバノン・ポンド超に急落した[2]。 硬貨レバノンの最初の硬貨は1924年に発行された2カルシュと5カルシュである。その後、½、1、2、2.5、5、10、25、50カルシュ硬貨が発行された。1952年から1986年の間には1、2½、5、10、25、50カルシュと1ポンド貨が発行された。1986年から1996年までは硬貨は発行されていなかったが、1996年に50、100、250、500ポンド貨が新たに発行された。 紙幣レバノンの最初の紙幣は1925年にシリア・大レバノン銀行によって、25カルシュから100ポンドまで発行された。1939年には銀行はシリア・レバノン銀行に変更された。この年、250ポンド紙幣が発行された。1942年から1950年までの間、5、10、25、50カルシュ紙幣が発行された。1945年以降、シリア・レバノン銀行は両ポンドを区別するため、レバノン・ポンドの名を紙幣に印字し始めた。1964年には発券業務はレバノン銀行へと移った。1980年代のインフレーションにより、紙幣の価値は大きく目減りした。
為替レート
脚注
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