南ベトナム・ドン
南ベトナム・ドン(ベトナム語:đồng Việt Nam Cộng Hòa)は1953年から1978年5月の間、南ベトナム(ベトナム共和国)で使用された通貨。補助通貨はシュウ(xuまたはsu)で、1ドン=100シュウであった。 歴史第二次大戦後、戦前の宗主国フランスの意を受けて存在していたベトナム国において1953年、カンボジア・ラオス・ベトナム国立発行局(Institut d'Emission des Etats du Cambodge, du Laos et du Vietnam)ベトナム支局が、フランス領インドシナ・ピアストルとドンの両貨併記で紙幣を発行。同時に同カンボジア支局はカンボジアにてピアストルとカンボジア・リエルの両貨併記紙幣、ラオス支局はラオスでピアストルとラオス・キープの両貨併記紙幣を発行した。このドン紙幣はベトミン政府が掌握していない地域(1955年以降はベトナム共和国(南ベトナム)となった)で流通した。1953にシュウ硬貨も発行された。1955年のアメリカ合衆国の支援を受けたベトナム共和国(南ベトナム)が成立、ベトナム共和国国立銀行によってベトナム民主共和国(北ベトナム)の北ベトナム・ドンとは別個の通貨、南ベトナム・ドンの貨幣が発行された。 サイゴン陥落以後、南ベトナムの通貨は1975年9月22日に「解放ドン」に変更され、1解放ドン=500旧ベトナム共和国ドンであった。1978年5月2日に南北ベトナムが統一され「統一ドン」が導入されるまで使用された。1新ドン=1北ベトナム・ドン=0.8南ベトナム「解放ドン」の価値であった。 硬貨ドン(1953年)1953年に10、20、50シュウ硬貨が発行された。1960年に1ドン硬貨が発行され、1964年に10ドン硬貨、1966年に5ドン硬貨、1968年に20ドン硬貨が発行された。1975年に50ドン硬貨が製造されたが、南ベトナム政府が消滅したため実際にはベトナムへ出荷されず、流通されなかった。ほとんどすべて廃棄されたと報告されており現存するものは大変希少である[2]。硬貨は主に5版のシリーズで分類される。
解放ドン(1975年)解放ドン硬貨はベトナム銀行(Ngân-Hàng Việt-Nam)名義で1、2、5シュウの額面で発行された。すべてアルミニウム貨、穴銭。1975年に2シュウ硬貨、1976年に[4] 1シュウ、5シュウ硬貨が発行された。 紙幣ドン(1953年)1953年にカンボジア・ラオス・ベトナム国立発行局ベトナム支局は1、5、10、100、200ドン紙幣を発行した(1952年と記載)。1955年9月22日には財務経済大臣はインドシナ銀行およびカンボジア・ラオス・ベトナム国立発行局のカンボジア・ラオス支局発行分は、ベトナム支局発行分に9月30日から11月7日の間に交換すると発表。10月7日にカンボジア・ラオス支局は発行の紙幣と、インドシナ銀行発行紙幣は法的貨幣としての価値を失効。10月15日にベトナム国立銀行(Ngân-Hàng Quốc-Gia Việt-Nam)から紙幣発行が開始された[5]。その後もベトナム国立銀行が紙幣発行を継続、1955年に2ドン、500ドン紙幣を追加発行し、1956年に20ドン、50ドン紙幣を発行した。 1964年から1968年の間、50ドン以下の紙幣は硬貨に置き換えられ、1971年には1,000ドン紙幣が発行された。継続的なインフレにより、1975年には5,000ドン、10,000ドン紙幣が印刷されたが、南ベトナム政府陥落のため発行されなかった。
解放ドン(1975年)ベトナム銀行(Ngân-Hàng Việt-Nam)名義で10、20、50シュウ、1、2、5、10、50ドン紙幣が発行された。印刷された年号は1966年となっていた。 関連項目
脚注
外部リンク
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