ドウェイン・アントニー・チェンバース(Dwain Anthony Chambers、1978年4月5日 - )は、アフロ・カリビアンの出自を持つイギリスの短距離走選手である。国際大会で数多くのメダルを獲得し、ヨーロッパ最速選手の一人でもある[1]。主な出場種目は100メートル競走であり、イギリスの選手としては5番目に早い記録を持っている[2]。また、60メートル走(6秒42)と4×100mリレー(37秒73)のヨーロッパ記録も保持している。2003年にはドーピングを理由に2年間の出場停止処分を受けた。
チェンバースは100メートル走で10秒06のジュニア世界記録を樹立するなど、将来を有望視された選手だった。1999年の世界選手権では銅メダルを獲得し、シドニーオリンピックにも出場した。どちらの大会でもヨーロッパ選手の中で最高の成績を残した。2001年にはイギリスのトップスプリンターに成長し、10秒の壁をエドモントン世界選手権で2度破った。2002年にヨーロッパ王者と記録保持者になったが、2003年10月、禁止薬物のクリア(THG)を使用したことにより、2年間の出場停止とオリンピックからの追放処分を受けた。
チェンバースは2006年6月に陸上競技へ復帰した。2006年のヨーロッパ選手権では、4×100mリレーで金メダルを獲得した。NFLヨーロッパのハンブルク・シーデビルズやラグビーリーグのカッスルフォード・タイガーズなどでほかのスポーツにも挑戦した。短距離走者としての成功は、2008年世界室内陸上競技選手権での銀メダルと、2009年ヨーロッパ室内陸上競技選手権での金メダル、2010年世界室内陸上競技選手権での優勝が挙げられる。チェンバースはオリンピック、コモンウェルスゲームズ、多くのヨーロッパでの大会に出場できない状態にある。2009年には自伝の Race Against Me を出版した。
2012年4月30日、スポーツ仲裁裁判所は、「過去にドーピング違反した選手を五輪代表に選出しない」とする英国オリンピック委員会の規定が、世界反ドーピング機関の統一基準に反するとの裁定を下し、チェンバースに五輪出場の可能性が広がった[3][4]。
自己ベスト
種目 |
記録 |
年月日 |
場所 |
備考
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屋外
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100m |
9秒97 (+0.2m/s) |
1999年8月22日 |
セビリア |
イギリス歴代5位 元23歳未満ヨーロッパ記録
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200m |
20秒31 (-0.6m/s) |
2001年7月22日 |
ロンドン |
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室内
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50m |
5秒69 |
2000年2月13日 |
リエヴァン |
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60m |
6秒42 |
2009年3月7日 |
トリノ |
元ヨーロッパ記録
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200m |
21秒10 |
2000年2月9日 |
ピレウス |
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主な戦績
脚注
関連項目
外部リンク