デニス・ハウガー
デニス・ハウガー(Dennis Hauger, 2003年3月17日 - )は、ノルウェー・オスロ出身のレーシングドライバー。 2019年の「イタリア・F4選手権」(英語版)[1]、2021年の「FIA フォーミュラ3選手権」(英語版)でタイトルを獲得した[2]。 経歴カートハウガーはノルウェー・オスロで誕生し、アウシュコーグ(英語版)で育った。2歳の頃に両親から四輪バイクを買い与えられ、4歳でクロスバイクに乗り始める。5歳からカートを始めキャリアをスタートさせた。8歳でカートレース大会初優勝を飾る[2]。ノルウェー国内70戦中62戦で表彰台を獲得する速さを見せ、2014年から国際選手権への挑戦を開始した。この年は「ミニ・ROK・インターナショナル・ファイナル - ブリヂストン・ファイナル」で優勝を果たし、翌年は「ヴェガ・インターナショナル・ウィンター・トロフィー - 60・ミニ」「イタリア選手権 - 60・ミニ」「WSK・チャンピオンズ・カップ - 60・ミニ」「WSK・スーパー・マスター・シリーズ - 60・ミニ」の4選手権でタイトルを獲得した[3][4][5][6]。2016年、ハウガーは最年少で「ドイツ・ジュニア・カート・チャンピオンシップ」を制し翌年も連覇を果たす[6]。2018年にハリー・トンプソンがハウガーの持つ最年少タイトル記録を更新した。 ジュニア・フォーミュラ時代2017年10月、自身の所属するレッドブル・ジュニアのメンバーであるジャック・ドゥーハンと共に2018年の「F4・イギリス選手権(英語版)」へ参戦することを表明した[7]。TRS・アーデン・ジュニア・チーム(英語版)から出走し、シーズン4勝を挙げランキング4位で終える。ルーキー・カップではドゥーハンに次ぐ2位の成績となった[8][9]。 翌年もF4カテゴリーに留まり、ファン・アメルスフォールト・レーシング(英語版)から「ADAC・フォーミュラ4(英語版)」「イタリア・F4選手権(英語版)」へ参戦した[10]。「ADAC・フォーミュラ4」では6勝を挙げるが、テオ・プルシェールに僅か7ポイント差の総合2位となりタイトル獲得を逃した[11]。 「イタリア・F4選手権」では、最終戦モンツァにてグランドスラムを達成するなどシーズン12勝を記録した[12]。ランキング2位のジャンルカ・ペテコフ(英語版)から130ポイント以上もの大差をつけ年間タイトルを獲得した[12][13]。この活躍により自身の所属するファン・アメルスフォールト・レーシングもチームタイトルを獲得する。 ユーロフォーミュラ・オープン・チャンピオンシップ2019年、モトパーク(英語版)は「FIA フォーミュラ3選手権(英語版)」とのバッティングにより欠場するリアム・ローソンの代役としてハウガーを第7戦シルバーストンラウンドへ起用した[14][15]。レース1を6位、レース2を5位で終え共に入賞を果たした[16][17]。 FIA フォーミュラ3選手権2020年2019年10月、バレンシアで行われたポストシーズンテストへ参加する。2日目と3日目をハイテック・グランプリ(英語版)から出走した[18][19]。2020年1月、レッドブルは、ハイテックからハウガーを本戦へ出場させることを発表した。チームメイトは同じくレッドブル・ジュニアのリアム・ローソンと、ルノー・ジュニアのマックス・フュートレル(英語版)。第3戦ハンガロリンク・レース1を8位でフィニッシュし初入賞すると、続くレース2は3位でチェッカーを受けF3初表彰台を獲得した[20]。しかしその後は入賞圏内まで届く走りができず、最終的に総合17位(14ポイント)で参戦初年度を終えた[21]。 シーズン終了後、カタロニアで開催されたポストシーズンテストにてハウガーはプレマ・レーシングからエントリーした[22]。参加したプログラムすべてでトップ10内に入る走りを見せた[23][24]。ヘレスで行われた2回目のテストにもプレマから参加している[25]。 2021年2020年12月、プレマは2021年のレースドライバーとしてハウガーを起用したことを発表[26]。チームメイトはオリ・コールドウェル(英語版)とフェラーリ・ドライバー・アカデミー所属のアーサー・ルクレール[26]。開幕戦カタロニアにて、イギリス・F4時代のライバルであったジャック・ドゥーハンを0.006秒の僅差で破りF3初ポールを獲得する。レース2ではトップ争いを繰り広げるものの接触により後退[27]。ポールスタートから始まるレース3では首位をキープしF3初優勝を果たす[28]。開幕戦を終了してランキング首位に立った。第2戦ポール・リカールは、レース2・3と共に2位でチェッカーを受け連続表彰台を獲得した[29][30]。第3戦レッドブル・リンクでは予選でポールを獲得、レース1を12番グリッドでスタートし首位でフィニッシュする[31]。レース2は3位[32]、レース3でも2位の走りを見せ第3戦すべてのレースで表彰台へ登壇した[33]。第5戦スパ・フランコルシャンは不調に終わり僅か6ポイントの獲得に留まる。第7戦ザントフォールト・レース2にて、カーリン(英語版)所属のイド・コーエン(英語版)と接触するアクシデントによりノーポイントに終わるが[34]、レース3では巻き返しとなるポールトゥーウィンを果たした[35]。ランキングトップで最終戦ソチを迎え、レース1では4番手スタートから2位まで順位を上げ残り2レースを残してドライバーズタイトル獲得となった[36]。 FIA フォーミュラ2選手権2022年2021年末、ポストシーズンに行われたテストへ参加する。その後の2022年1月、「FIA フォーミュラ2選手権(英語版)」へステップアップすることが明らかとなる[37]。F3時代と同じプレマから参戦し、ユアン・ダルバラ(英語版)がチームメイトとなった[37]。開幕戦バーレーン・スプリントレースはあと一歩ポイントに届かず9位で終え[38]、フィーチャーレースではピットストップ時のミスにより左フロントタイヤが脱輪するアクシデントに見舞われリタイア(結果は19位完走扱い)となった[39]。第2戦ジッダ・スプリントレースではリバースグリッドポールからスタートしたが、セーフティーカー出動中の混乱により10秒間のストップ&ゴーペナルティを受けてしまう。これにより隊列の後方へ下がり16位でチェッカーを受けた[40]。フィーチャーレースは6位で終え、F2自身初入賞を記録した[41]。 第3戦イモラ・スプリントレースにて3位に入りF2初表彰台を獲得した[42]。続くフィーチャーレースは、オープニングラップでジャック・ドゥーハンとの接触により早々とリタイアしてしまう[43]。第4戦カタロニアは奮わずノーポイントで終える。第5戦モナコ・スプリントレースではフロントローからスタートし首位に立つとそのままチェッカーを受けF2自身初優勝を飾った[44]。フィーチャーレースは9番グリッドから2つ順位を上げ7位入賞となった[45]。 第6戦バクーの予選にて3番手タイムを記録、予選自己最高位を更新する。スプリントレースでは大きなタイヤのロックアップに見舞われ、バランスを崩しマシンをウォールにヒットさせリタイアに終わった[46]。フィーチャーレースでは3番手グリッドからトップチェッカーを受け2勝目を挙げる[47]。第7戦シルバーストンは不振に終わりノーポイントとなった。第8戦レッドブル・リンクでは予選を15位で通過、スプリントレースは入賞に届かず9位で終える[48]。続くフィーチャーレースでは予選グリッドから大きく順位を上げ4位でフィニッシュした[49]。 第9戦ポール・リカール予選は、燃料ポンプのトラブルにより十分なアタックが行えず予選18番手へ沈む[50]。スプリント・フィーチャーレース共に順位を挽回することができずノーポイントで終えた。第10戦ハンガロリンクでは予選8番手につける。スプリントでは3番グリッドからスタートするも、オープニングラップターン1でローガン・サージェント(カーリン)と接触しリタイアを喫してしまう[51]。フィーチャーレースは、タイヤのグラデーションに苦しみ2度のピットストップを経て19位完走となった[52]。第11戦スパの予選を11位で通過する。スプリントレースを10位で、続くフィーチャーレースは2度の5秒ペナルティを受けるなど散々な展開となり12位へ沈む[53]。 第12戦ザントフォールトの予選は7番手タイムをマーク、スプリントではリバース4番グリッドからスタートして3位表彰台を獲得する[54]。フィーチャーレースは3つ順位をあげ4位入賞となった[55]。第13戦モンツァの予選は19位と不調に終わり、スプリントではファステストラップを記録し追い上げるが9位でチェッカーを受けポイント獲得はならなかった[56]。続くフィーチャーレースは、荒れたレース展開ながら大きく順位を上げ4位でレースを終えた[57]。最終戦ヤス・マリーナの予選では7位の好タイムをマークする。スプリント・フィーチャー共に4位のチェッカーを受け連続入賞でシーズンを締めくくる[58][59]。総合10位(115ポイント)の年間成績となった[60]。 2023年2023年、ハウガーはMP・モータースポーツ(英語版)へ移籍する[61]。チームメイトは時を同じくして同チームへ移籍したダルバラとなった。 私生活ハウガーはカートの国際大会へ出場する頃より、祖母から譲り受けたお守りを首から下げてレースへ出場している[62]。 レース戦績略歴
F4・イギリス選手権
イタリア・F4選手権
ADAC・フォーミュラ4選手権
ユーロフォーミュラ・オープン・チャンピオンシップ
フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ
マカオグランプリFIA フォーミュラ3選手権
ポルシェ・カレラ・カップ・スカンディナヴィア
FIA フォーミュラ2選手権
出典
|