スカイA スタジアム『スカイA スタジアム』(Sky A STADIUM) は、朝日放送グループホールディングス(ABC)子会社のCS放送局スカイAで放送されているプロ野球中継のタイトル。 概要阪神タイガース(阪神)の主催ゲームを中心に放送しており、2023年現在、タイガースの関連会社である阪神コンテンツリンクが運営するTigers-ai制作の映像が放送されている。 かつては他にも東北楽天ゴールデンイーグルス(楽天)や大阪近鉄バファローズ(近鉄、現在は消滅)、それに番組黎明期にもわずかながら横浜ベイスターズ(テレビ神奈川製作)、ダイエー(球団製作、スポーツアイ、GAORAと分担)、日本ハム(東京ケーブルネットワーク製作。一部はテレビ埼玉・千葉テレビ製作)の主催ゲームが放送されたことがあった。 1990年8月15日[1]より放送されているスカイAの看板番組だが、2004年までは『サテライトスタジアム』というタイトルで、近鉄と阪神の主催試合を中継[2]してきたが、この年のシーズン終了後に近鉄がオリックスとの合併により消滅したため、翌2005年より現タイトルに改題し、阪神戦に加えて楽天主催ゲームも中継することとした。2012年より、楽天主催ゲームの放映権が他局[3]に移ったため、現在は阪神戦に特化している。 スカイAのグループ会社であるABCテレビは、夏の全国高等学校野球選手権大会の放映権も保持しているため、期間中に中継の対象となるゲームが行われる場合、本来の録画放送を行う深夜の時間帯には高校野球の完全録画中継が優先されるため、翌日の午前中に日程が繰り下げられるケースが多い。また、過去に何度か無料放送を行ったことがある[4]。 阪神戦主催試合を完全中継する。 放映権は競合するGAORA(MBS系列)と共有しており、一方で生中継、もう一方で録画放送を行う。生中継と録画放送の日数は、双方の編成の都合に合わせ、ほぼ同数になるように調整される[5]。ただし、2013年は読売ジャイアンツ(巨人)戦を含む全72試合の完全中継を実施し、生中継もうち46試合(巨人戦3試合を含む)に拡大された[6]。 ABCは水曜日と日曜日の阪神主催ゲームの独占放映権を持つため、該当する試合は原則としてABC制作の『スーパーベースボール』(もしくは、ABC制作による『サンテレビボックス席』)を全編同時放送することを基本とするが、ABC・BS朝日同時ネット、並びに地上波の解説者にABC・テレ朝系以外のフリー契約の解説者が出演するなどの場合によってはTigers-aiによる配給となるケースがある[7]。地上波(ANN系列)での全国ネットとなる日も、2011年以降は全編完全放送となっている[8]。その他の阪神甲子園球場開催分は、原則としてTigers-aiが制作した番組を使用する[9]。 なお、巨人戦についてはABC以外の在阪局が放映権を持つ試合は、各局やそのキー局が所有するチャンネルで放送されるが、テレビ大阪が放映権を得た場合は本番組でも中継することがある[10]。2013年からは主催72試合全試合中継のため、ABC以外が放映権を持つ試合もTigers-aiの映像で録画中継する。なお、2013年以降テレビ大阪が放映権を取得した巨人戦がないため、その場合の対応は不明。また一部の試合は試合当日深夜(試合日により翌日未明)の当日録画ではなく、後日放送となる試合もあった。(他チームの試合についても、原則当日生or録画中継であるものの、GAORAの生中継や他の種目の編成の都合から、翌日日中の放送が初回扱いとなる日もあった)が、2016年から巨人戦の放送がABCテレビが制作に関与する水・日曜日(およびこれらの曜日の試合が雨天中止による予備日が生じた場合の試合)のみに戻されたため、スカイAによる全主管試合完全放送は3年で終了となった。 京セラドーム大阪や各地の地方球場で行われる試合についてはサンテレビから供給を受けるが、同局での中継がない日(京セラドーム大阪での開幕三連戦など)はTigers-aiの番組が使われる場合もある[11]。なお、Tigers-aiによる配信が開始される以前は、ABCで中継がある日以外はサンテレビの映像を使用していた。 オープン戦も中継するが、開催地によってはビジターゲームでもシーズン中と同様の体制で制作することがある[12]。 2010年は一部の試合(ABC・サンテレビでの中継日)で、2011年からは全試合でハイビジョン制作(または画面比16:9・レターボックス型の標準画質放送)となった。また、ABC制作映像を使用する日はスカパー!プレミアムサービス(旧:スカパー!HD)では5.1チャンネルサラウンド放送を行っている。 2013年はABCの地上波中継と連動し、ABCと同様に「虎バン主義」というスローガンを掲げている。 楽天戦2005年より、同年に新規参入した楽天主催の全72試合を中継していた。これは、楽天が前年まで担当していた近鉄の後継にも当たるため(チーム発足当初、近鉄から多くの選手が流入していた)。なお、中継から撤退する2011年まで、sky・Aは球団のオフィシャルスポンサーにもなっていた。 基本的には完全生中継を行うが、年に数試合は編成の都合でGAORAやJ SPORTSにおいて『アクティブ!ベースボール』のタイトルで放送していた。それでも編成の都合が付かない日にはスカチャンで放送され、sky・Aでは録画中継のみとする場合もあった。また、交流戦のうち対巨人・阪神戦は生中継と録画放送の両方を行う日もあった。 2007年まではsky・Aと楽天野球団が共同で「製作著作」としてエンディングでクレジットされ、ABC(または宮城県のANN系列局である東日本放送)のアナウンサーが実況を担当した。翌2008年からは、sky・Aに代わってクロステレビビジョンとTCP(前者は「制作」、後者は「協力」とクレジット)が制作に参加し、在京のフリーアナウンサーが実況を担当するようになった。 球団公式の番組としても扱われ、インターネットテレビの『パ・リーグライブTV』(当時、2009年までは『Yahoo!動画』)や『ニコニコ生放送』(2010年から)で全主催ゲームが、BS11(2008年8月より)とTwellV(2011年より)で一部の主催ゲームが同時放送されている。また、2007年までは楽天直営の『楽天イーグルスTV』でも配信されていた。 阪神戦とは異なり、攻撃の開始前には「楽天見るならスカイ・A!!」と楽天の選手がコールするアイキャッチが放送されていた。また、2010年までは当時sky・Aの番組宣伝を担当していた山寺宏一によるタイトルコールもあった。 前述したように、2012年より放映権がJ SPORTS(2013年と2014年のみ日テレプラス)に移行したことでsky・Aでの放送は終了した。なお、J SPORTSや日テレプラスでも放送形式はほぼそのまま引き継がれた(J SPORTSでは各種テロップを除く)。2019年9月21日の楽天対西武はJ SPORTSがラグビーワールドカップ2019のため放送。J SPORTS STADIUMのまま使用している。 その他の公式戦→詳細は「アクティブ!ベースボール」および「KBS京都エキサイトナイター」を参照
阪神対巨人戦のうちGAORAが生放送の放映権を持つ試合と日本ハムの主催試合が重複する場合、阪神対巨人戦をGAORAで生放送し、日本ハム主催試合の生中継をスカイAに振り替える。この場合の日本ハム戦中継はGAORAでの生中継と同様の体制で制作され、当日深夜もしくは翌日にGAORAでも録画放送される。 かつてはJ SPORTSが放映権を持つオリックス・ロッテ・楽天・広島の主催ゲームのうち、J SPORTSで放送枠が確保できない試合(一例として2012年度NHK BS1で生中継される広島戦)をSky・Aで生中継していた(GAORAでの放送の場合もある)。2011年までは『アクティブ!ベースボール』という別の番組名が付いていたが、2012年より本番組に統合された(GAORAでも同様)[13]。 なお、前述の通り2004年までは近鉄の主催ゲームも放送していた。ABCやKBS京都(近鉄エキサイトアワー)が中継している時はそのまま同時放送し(制作著作は各局名義でクレジット)、それ以外は、当時は直接球団が中継の著作権を持つことが一般的でなかったため、sky・Aの自社制作扱いであった(実況はABCアナウンサー。制作協力としてABCと大阪シティドーム[14]がクレジット)。ただし、ABCでの中継時にも自社制作を行う場合もあった(マジック1で迎え、勝利して近鉄が優勝を決めた2001年9月26日のオリックス戦など)。 ウエスタン・リーグ阪神二軍の主催ゲームを中心としたウエスタン・リーグの試合も中継している。2011年までは数回程度阪神二軍の試合を『喝!!若虎(Young Tigers)』というタイトルで放送していたが、2012年は本番組に統合の上、中継数を大幅に拡大した。阪神戦の他、神戸サブ開催分を中心にオリックス二軍の主催ゲーム(主に対阪神二軍戦)も放送している。 阪神二軍戦は一軍と同様にTigers-aiが制作する(サンテレビが中継する場合はサンテレビからネット受け)。オリックス二軍戦はオリックス球団とスカイAの共同制作、中日二軍主催ゲームはスターキャット・ケーブルネットワークと東海3県の各ケーブルテレビ局の共同制作[15]の中継をネットする。 特に、2013年5月には甲子園で行われる「兄弟ダブルヘッダー」(午前中・二軍、午後日中・一軍の試合前練習、午後夜間・一軍セ・パ交流戦)を無料完全放送する試みを行った。 その他の試合7月のフレッシュオールスターゲームの生中継を行っている[16]。但し2016年以降は、編成の関係で中継の録画映像を試合終了後に放送する事もある。 以前はファーム日本選手権も放送していたが、2009年以降はJ SPORTSに移行した。 また、テレビ朝日やANN系列局が製作を担当する日本シリーズやオールスターゲームの中継を当日深夜に録画放送していたが、これも2012年から朝日ニュースター(当時、現在のテレ朝チャンネル2)に移行した(ABC制作分を含む)。なお2014年の日本シリーズ「阪神対ソフトバンク」の1回戦については、スカイ・Aでのディレイ放送となっている(3回戦=九州朝日放送/テレビ朝日製作についてはテレ朝ch2でのディレイ放送) この他、シーズンオフを中心に「ベストゲーム」として当該年度に中継したゲームからアンコールの要望の多かった試合を再放送する[17]。 キャンプ中継1999年以降のキャンプ期間には『猛虎キャンプリポート』と題し、ABCの解説者らと共に阪神のキャンプの模様を生中継する。また、当日深夜や翌日早朝にも2時間にまとめたダイジェストを放送する他、練習日以外も「キャンプ外伝」と称し録画した内容を送る。 楽天戦を中継していた頃には、楽天のキャンプダイジェスト番組も放送していた(当初は週1回、2009年より連日の録画放送)。 番組名の変遷
放送時間
テーマソング
阪神戦の中継では、主にTigers-aiの制作番組を使用する日のオープニングで使われている。 また、かつての楽天戦のオープニングは以下の阪神戦と同じ曲で、エンディングは球団公式の応援歌(毎年変更)が使われていた。
スコアテロップ
球団を問わず、ABCテレビやサンテレビ(過去にはKBS京都も)制作の中継をネットする日は、テロップも各社仕様のものがそのまま流れる。 Tigers-aiの制作番組を使う日も同様(かつては画面右下のボールカウンターにはsky・Aのロゴが挿入されていた。現在はTigers-aiのロゴ)。なお、2009年までの阪神二軍の中継では現在と異なるフォントが使われていた。 また、かつての楽天戦はTCPによる球団公式映像のテロップが、地上波放送がない時の近鉄戦は大阪ドームの場内向けのテロップがそのまま使われていた。 その他、キャンプ期間中の練習試合・オープン戦や、ファーム日本選手権、フレッシュオールスターゲーム、アマチュア野球中継では独自仕様のテロップが使われる。 解説者Tigers-ai制作分
ABC制作分吉田以外は、サンテレビ制作分の解説も兼務(中田は2009年までサンテレビ専属だった)。 巨人戦の一部(主に地上波・BS放送にて全国ネットの場合)では、テレビ朝日から解説者が派遣される。 その他阪神二軍の対中日戦(中日主催試合)に出演。 実況Tigers-ai制作分(全員フリー) ABC制作分2009年以降、日により競合するオリックス球団制作中継(2012年までと2015年はJ SPORTSJ SPORTS STADIUM、2013年、2014年はFOX SPORTS ジャパンBASEBALL CENTER)で実況を担当する場合がある[19]。 サンテレビ制作分テレビ朝日制作分原則として日本シリーズやオールスターゲームなど、テレビ朝日が制作する中継で出演。2010年はSky・A制作のオープン戦でも神宮球場からの中継で実況を担当した。 その他
リポーター阪神戦のみ、対戦相手の球団の地元局でも放送する場合、地元局のアナウンサーが相手チームのリポートを担当する場合がある(地元局が音声を差し替える場合も含む)[20]。 また過去の近鉄戦の放送時には、ABCでの放送がなくてもABCのアナウンサーがリポートを担当していた(KBS京都制作分を放送する時は、KBSのアナウンサーが担当)。他局への配信がある時やオリックス戦でも、リポーターは近鉄側のみとなった。
脚注
関連項目
外部リンク
|