おおよど (護衛艦)
おおよど(ローマ字:JS Oyodo, DE-231)は、海上自衛隊の護衛艦。あぶくま型護衛艦の3番艦。艦名は大淀川に由来し、この名を受け継いだ日本の艦艇としては、旧海軍の「大淀」に続き2代目にあたる。2022年12月に公表された防衛力整備計画で、2027年度までに除籍することが発表された[1]。 本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはあぶくま型護衛艦を参照されたい。 艦歴「おおよど」は、中期防衛力整備計画に基づく昭和62年度計画1,900トン型乙型護衛艦1231号艦として、三井造船玉野事業所で1989年3月8日に起工され、1989年12月19日に進水、1990年7月19日に公試開始、1991年1月23日に就役し、佐世保地方隊第34護衛隊に編入された。 1991年6月20日、佐世保地方隊隷下に第39護衛隊が新編され、「せんだい」とともに編入された。 1997年3月24日、隊番号の改正により第39護衛隊が第26護衛隊に改称。 1999年1月14日、倉島岸壁係留中午前11時11分に油送船「よし丸」(19トン)が左舷中央部に衝突し破口を生ずる事故が起きる。 2008年3月26日、自衛艦隊の大改編により第26護衛隊が第16護衛隊に改称され、護衛艦隊隷下に編成替え。 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、災害派遣のため横須賀から緊急出港する。 2011年3月16日、第16護衛隊が廃止となり第15護衛隊に編入され、定係港が大湊となり、同地に転籍。 2012年9月21日、ウラジオストク港とその周辺海域で実施される日露捜索・救難共同訓練に参加するため出航し、同月23日にウラジオストク港に入港、護衛艦「ありあけ」と共に同月26日に訓練を実施し、同月28日に帰港した[2]。 2019年3月20日午前、東シナ海の公海上(上海の南約410kmの沖合)で北朝鮮船籍のタンカー「YU SON(ユソン)号」(IMO番号:8691702)と「秦皇島」(秦皇島(シンコウトウ)は,中国・河北省秦皇島市を意味する)との表示がある船籍不明の小型船舶が、国連安保理決議で禁止されている「瀬取り」とみられる作業を行っていたことを確認した[3]。 なお「YU SON号」は、2018年3月に国連安保理北朝鮮制裁委員会から資産凍結・入港禁止の対象に指定された船舶であり、同日深夜にも別の船舶と瀬取り行為を行っているのを海上自衛隊第1海上補給隊所属の補給艦「ときわ」が現認している。 2020年、低視認性塗装(ロービジビリティー Low-visibility 略してロービジとも)へ塗装変更。その内容としては、煙突頂部の汚れを目立たなくするための黒帯の廃止、艦番号及び艦名の灰色化かつ無影化、艦橋上の対空表示(航空機に対し艦番号下2桁を表示するための塗装)の消去[4][5]。 2022年12月に公表された防衛力整備計画で、2027年度までに除籍することが発表された[1]。 2023年4月4日20時頃、与那国島の南約60kmの海域において、同海域を北西進する中国海軍のルーヤンⅡ級ミサイル駆逐艦(艦番号150)を確認した。その後、当該艦艇が与那国島と台湾との間の海域を北上した後、翌日に魚釣島の西約70kmの海域を北上したことを確認するまでの間、第1航空群所属のP-1哨戒機、第5航空群所属のP-3C哨戒機と共に、警戒監視・情報収集を行った。なお、当該艦は、同年4月3日に沖縄本島と宮古島との間の海域を南下したものと同一であった[6]。 同年4月5日22時頃、与那国島の南約80kmの海域において、同海域を北西進するジャンカイⅡ級フリゲート(艦番号599)を確認した。その後、当該艦艇が与那国島と台湾との間の海域を北上した後、翌日に魚釣島の西約80kmの海域を北上したことを確認するまでの間、第1航空群所属のP-1哨戒機、第5航空群所属のP-3C哨戒機と共に、警戒監視・情報収集を行った。なお、当該艦は、同年4月3日に沖縄本島と宮古島との間の海域を南下したものと同一であった[7]。 同年10月4日、大湊地方総監部とともに秋田沖において海上保安庁との共同訓練を実施した。海上保安庁からは第二管区海上保安本部、巡視船「しんざん」・「つるぎ」、巡視艇「すぎかぜ」、固定翼機(ビーチ350)、無操縦者航空機(シーガーディアン)が参加し、訓練項目は重要施設等に向かう不審船を想定した情報共有訓練、共同追跡・監視訓練、停船措置訓練[8]。 2025年2月6日、熊野灘において、護衛艦「ちくま」とともに海上保安庁との共同訓練に参加した。海上保安庁からは第四管区海上保安本部、巡視船「すずか」が参加し、情報共有訓練、護衛艦と巡視船の運動要領等に関する訓練を実施した[9]。 現在は、護衛艦隊第15護衛隊に所属し、定係港は大湊である。 歴代艦長
ギャラリー
脚注
参考文献
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