このミッションでは、地球の中層大気を観測する衛星が展開、回収され、また将来の国際宇宙ステーション(ISS)で用いられる可能性のあるハードウェアの試験が行われた。
この飛行の主要ペイロードはCryogenic Infrared Spectrometers and Telescopes for the Atmosphere-Shuttle Pallet Satellite-2 (CRISTA-SPAS-2)で、1994年のSTS-66に続き、スペースシャトルでの2度目の飛行となった。また、アメリカ航空宇宙局とドイツ航空宇宙センターの4度目の合同ミッションとなった。
ペイロードベイに収められたその他のペイロードには、Technology Applications and Science Payload (TAS-01)、International Extreme Ultraviolet Hitchhiker (IEH-02)、Ultraviolet Spectrograph Telescope for Astronomical Research (UVSTAR)があり、乗組員によってそれぞれ独立に運用された。
Microgravity Vibration Isolation Mount (MIM)実験は、カナダ宇宙庁の宇宙飛行士ビオニ・トリグベイソンによって行われた。MIM実験は、ロッカー2つ分のサイズの小さな装置で、スラスタの点火や乗組員の活動による擾乱を観測した。MIMは30時間の観測を行い、地上に向けてリアルタイムのデータを伝送した。
STS-85で行われたその他の実験には、サウスウェスト研究所とジェット推進研究所、APL、メリーランド大学が共同で行ったSouthwest Ultraviolet Imaging System (SWUIS-01)があった。広域紫外線撮影機SWUISは、ヘール・ボップ彗星の観測に用いられた。これは口径18cmのマクストフ望遠鏡とビデオレートのフレーム(30 Hz)を持つ紫外線XybionイメージCCDが基礎となっている。それぞれのSWUISの観測期間は約3時間で、最大7つのフィルター帯域で、約10万枚の画像を蓄積した。SWUISは、シャトルのミッドデッキの中で運用され、石英の窓を通してシャトルを観測した。SWUISは、彗星の中心線の周り4.5°の円錐内の方向を向くことができた。ミッションスペシャリストがこの機器の設定、運営を行った。
ミッション8日目、乗組員は、カナダの歌手Moxy Fruvousの歌う"You Will Go to the Moon"の曲で起床した。これは、カナダ人初の宇宙飛行士マーク・ガルノー(英語版)が選んだものである。