9月12日の放出作業中、衛星を切り離すように設計されたAirborne Support Equipment cradle (ASE)の予備を含む2本のSuper*Zip導爆線が同時に爆発した。これにより、ペイロードベイと3番目のAPU付近のAFTの間の隔壁に取り付けられた2ダースの耐熱ブランケットに小さな裂け目が生じた。また、TOSを保持するASEリングも破損しており、オービタから遠ざかると、放出された破片が見えた。ACTSは、ハイリスクで先進的な通信衛星技術の開発や飛行試験を可能とした。マルチスポットビームアンテナと先進的なスイッチング及びプロセシングシステムを用い、新しい通信衛星技術を切り開いた。NASAのグレン研究センターが実験用通信衛星の長い伝統の一環として、ACTSを開発、維持、運用した。
このミッションのその他のペイロードには、シャトルパレット衛星に搭載されたOrbiting Retrievable Far and Extreme Ultraviolet Spectrometer (ORFEUS)望遠鏡がある。ORFEUSは、ガス状の星間雲の研究と同時に、恒星がどのように生まれ、どのように死ぬかの情報を得られるように設計された。その他、カーゴベイでは、Limited Duration Space Environment Candidate Materials Exposure (LDCE)実験が行われた。
メッサーシュミット・ベルコウ・ブロームは、1986年に自由飛行天文学プラットフォームとしてSPASキャリアの開発を開始した。ドイツ宇宙機関(DARA)とNASAは、DARAが衛星を提供し、NASAがシャトルの打上げと放出/回収サービスを行い、両者が科学機器を共有するという内容の4つの共同科学ミッションの実施に合意した。NASAは、データへのアクセス、アメリカ側の実験の実施を見返りとして、無料でシャトルを提供した。400-1,280Åの放射を測定できるように設計されたORFEUSは、1993年9月13日の14:06(UTC)に放出され、9月19日11:50(UTC)に回収された。チュービンゲン大学、ハイデルベルク天文台、カリフォルニア大学バークレー校、プリンストン大学からの科学的な貢献があった。ORFEUSの望遠鏡は、フランスのREOSCが提供した1 m f/2.5鏡を用いて、ドイツのKayser-Threde(現OHBシステム)が組み立てた。熱い銀河や星間物質の高解像度観測(240,000)において、分解能950-1150AのIMAPS(Interstellar Medium Absorption Profile Spectrograph)が加わった。
他のペイロードとしては、DLRのSurface Effective Sample Monitor、また軌道上でIMAX映画Destiny in Spaceを撮影したカナダのIMAX Cargo Bay Cameraがあった。この映像の一部にはSpace Station 3Dもあり、これは、SPASプラットフォームで合計7度宇宙飛行したうちの4度目であった。1996年のSTS-80では、SPAS-ORFEUS版が再飛行した。