LTT 1445 Abは、太陽系外惑星探索衛星TESSによるトランジット法でのデータを分析したハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者らによって2019年6月に発見された[9][4]。高精度視線速度系外惑星探査装置 (HARPS) によるドップラー分光法での観測を含むフォローアップ観測で得られたデータから、研究チームは LTT 1445 Ab の質量の値に制約を課すことに成功している。LTT 1445 Ab は恐らく岩石惑星であると考えられており、主星の近くを公転しているが、その主星が太陽よりも小さく暗い赤色矮星であるため、平衡温度は 433+28 −27K (160 ℃) に留まっている[1]。
2022年には、LTT 1445 Ab のより正確な質量の測定が行われた。この研究で得られた LTT 1445 Ab の質量は、2.87±0.25地球質量で、実際にこの惑星が地球のような組成で構成されてえいることを確認した[8]。
LTT 1445 Ac
2番目の惑星である LTT 1445 Ac は、上記の2022年の研究で新たに発見され、公転周期は約3.1日である。このときに算出された LTT 1445 Ac の質量は1.54地球質量であった。LTT 1445 Ac も LTT 1445 Ab と同様にトランジットを起こすが、大きさが小さいためドップラー分光法での検出が難しく、正確な大きさの測定も困難であるとされた。LTT 1445 Ab とは12:7の軌道共鳴に近い関係にあるとされており、LTT 1445 Abが軌道を7周する間に、LTT 1445 Ac は軌道を11.988周する[8]。
2023年に公表された研究で、ハッブル宇宙望遠鏡によって以前よりも LTT 1445 Ab と LTT 1445 Ac の詳細な特性が明らかになり、2つの惑星はいずれも地球のような岩石で構成された地球型惑星であると確認された。また、この研究で LTT 1445 Ac は以前の研究よりも地球に近い大きさであることが判明し、表面の平衡温度も 516 K (243 ℃) であると求められた[7]。
LTT 1445 Ad
2022年10月、ESPRESSOによるドップラー分光法を用いた観測で、2つの惑星よりも外側を公転している新たな惑星候補 LTT 1445 Ad の発見が公表された。公転周期は24.30日である。LTT 1445 Ad は、内側の2つの惑星とは異なり、トランジットを起こさない惑星であるとされている[6]。
^ abcdefghijklmnopqrstuvwxyzWinters, Jennifer G.; Medina, Amber A.; Irwin, Jonathan M.; Charbonneau, David; Astudillo-Defru, Nicola; Horch, Elliott P.; Eastman, Jason D.; Halley Vrijmoet, Eliot et al. (October 2019). “Three Red Suns in the Sky: A Transiting, Terrestrial Planet in a Triple M-dwarf System at 6.9 pc” (英語). The Astronomical Journal158 (4): 152. Bibcode: 2019AJ....158..152W. doi:10.3847/1538-3881/ab364d. hdl:2144/39814. ISSN0004-6256.