TOI-1670
TOI-1670とは、地球から約165.72パーセク離れた場所に位置する恒星である。 TESSによる観測で2つの太陽系外惑星が周囲を公転していることが知られており、さらに1つの太陽系外惑星が存在する可能性も示されている[1]。 概要TOI-1670はスペクトル分類がF7の主系列星で、活動は比較的少なく、穏やかな恒星である。TESSによる見かけの等級は9.5等である[1]。 TOI-1670の「TOI」とはTESS object of interestを指し、TESSによる観測で惑星候補が検出された恒星に与えられる。これらのTOIはフォローアップ観測の対象となる。他の別名称としては「TIC 441739020」や「2MASS J17160415+7209402」なども存在する。TIC 441739020の「TIC」はTESS Input Catalogを指し、TESSによる観測の対象となる恒星に与えられる[2][1]。
惑星系
発見TOI-1670の周囲を公転する太陽系外惑星は、最初に2つの惑星候補がTESSによるトランジット法を用いた観測で発見され、それぞれ「TOI-1670.01」「TOI-1670.02」として2020年にTESS object of interestに追加された。それぞれの公転周期は約41日と約11日であった[3]。これらの惑星候補は2022年に確認され、TOI-1670 b(.02)とTOI-1670 c(.01)と指定された。これら2つの惑星の発見を公表する論文は同年3月8日にarXivへ投稿された[1]。 bやcとは別に、2022年2月に約123日の長い公転周期を持つ新たな惑星候補「TOI-1670.03」が存在する可能性が示されている[3]。 特性bはミニ・ネプチューン(海王星型惑星)で、cは木星型惑星である。cの軌道離心率は円軌道に近いが、bの軌道離心率は0.59と高い値となっている。これらの惑星のフォローアップ観測はハーラン・J・スミス望遠鏡やHARPS-Nなどを用いて行われた。なお、bはドップラー分光法では検出されない惑星である[1]。TOI-1670系のような内側に小さな惑星、外側に巨大惑星が存在する構成を持った他の惑星系としては、ケプラー30系、ケプラー56系、ケプラー88系、ケプラー89系、ケプラー117系、ケプラー289系、グリーゼ876系、TOI-216系、HIP 57274系、K2-290系がある[1]。 .03は2022年3月時点でも惑星候補の段階であるが、存在すれば半径は地球の約3.1倍を持つとされている[3]。 脚注注釈出典
関連項目 |