Intel GMAIntel Graphics Media Accelerator(インテル・グラフィックス・メディア・アクセラレータ)は、インテルが開発したグラフィックコントローラ (GPU) である。Intel GMAの名称でも知られている。 Intel GMAは、単体のGPUではなく、チップセットに統合される形で設計されている(統合チップセット)。HD Graphicsへ移行するまでの間、Intel GMAが統合されたチップセットは、主にコストの削減や消費電力を減らすため、高いグラフィックス性能を必要としない安価なコンピュータにおいて、オンボードグラフィックに用いられていた。また、オンボードグラフィックスを含めたGPU市場では、出荷数の約半数を占めていた。 歴史Intel GMAは、前世代のIntel Extreme Graphicsシリーズを置き換えるもので、2004年6月にPentium 4向けのチップセット、Intel 915シリーズのグラフィックス機能「Intel GMA 900」として発表された[1]。インテルのチップセットとしては初めて、Direct3DとOpenGLのハードウェアアクセラレーションがサポートされた他、プログラマブルシェーダーに対応したことで、機能上はGPUに相当するものとなった。 2010年1月に発表されたWestmere世代のCPU以降、GPUがチップセットではなくCPUに内蔵され、ブランドもHD Graphicsへ変更された[2]。 製品第3世代
2004年6月に発表された製品[1]で、915シリーズ (910GL, 915GL, 915GV, 915G, 910GML/910GMLE, 915GMS, 915GM/915GME) のチップセットに内蔵。コアクロックは200MHz~333MHz、ビデオメモリは最大128MB。Intel Extreme Graphicsと比較すると、ピクセルパイプラインが2→4に増加し、DirectX 9.0のピクセルシェーダー2.0とOpenGL 1.4に対応した。一方で、ハードウェアT&Lは引き続きサポートされず、バーテックスシェーダー2.0もソフトウェア対応のままである[3]。
2005年5月に発表された製品[4]で、945シリーズ (945GZ, 945GC, 945G, 940GML, 943GML, 945GU, 945GMS/945GSE, 945GM/945GME, 945GT) のチップセットに内蔵。コアクロックは133MHz~400MHz、ビデオメモリは最大256MB。DirectX 9.0c、バーテックスシェーダー3.0に対応した(バーテックスシェーダーはソフトウェアで対応)[3]。
2007年6月に発表された製品[5]で、3シリーズ (G31, Q33, G33, Q35) のチップセットに内蔵。コアクロックは400MHz、ビデオメモリは最大256MB。OpenGL 1.5に対応したほか、G33のみIntel Clear Videoを搭載している[5]。
2009年12月に発表された製品[6]で、Atomプロセッサ (Pineview) に内蔵。コアクロックは200MHz~400MHz、ビデオメモリは最大384MB。GMA 3100からピクセルパイプラインが4→2に減少している。 第4世代
2006年6月に発表された製品[7]で、946GZ, Q963, Q965チップセットに内蔵。コアクロックは667MHz、ビデオメモリは最大256MB。GMA 950と比較すると、実行ユニットが4→8に増加した[3]。Windows Aeroの最低要件を初めて満たす。
2006年6月に発表された製品[7]で、G965チップセットに内蔵。コアクロックは667MHz、ビデオメモリは最大384MB。同時に発表されたGMA 3000と比較すると、シェーダーモデル3.0に対応しており、バーテックスシェーダーにもハードウェアで対応した(実際にはドライバの開発が遅れており、2007年8月にリリースされたバージョンで利用できるようになった)[3]。
2007年5月に発表された製品[8]で、GL960/GLE960, GM965/GME965チップセットに内蔵。コアクロックは400MHz~500MHz、ビデオメモリは最大384MB。シェーダーモデル4.0、DirectX 10.0に対応した[9][3]。
2007年6月に発表された製品[5]で、G35チップセットに内蔵。コアクロックは667MHz、ビデオメモリは最大384MB。OpenGL 2.0に対応したほか、VC-1の再生支援機能が強化された[10]。
2008年7月に発表された製品[11]で、B43, Q43, Q45チップセットに内蔵。コアクロックは533MHz、ビデオメモリは最大1720MB。OpenGL 2.1に対応し、AVCの再生支援機能を搭載した。 派生バージョンのGMA 4500M/4500MHDは、GL40, GS40, GS45, GM45チップセットに内蔵。コアクロックは400MHz~533MHz、ビデオメモリは最大1720MB。ハードウェアによるHD動画の再生支援機能を追加。
2008年6月に発表された製品[12]で、G41, G43チップセットに内蔵。コアクロックは800MHz、ビデオメモリは最大1720MB。 派生バージョンのGMA X4500HDは、G45チップセットに内蔵。コアクロックは800MHz、ビデオメモリは最大1720MB。ハードウェアによるHD動画の再生支援機能を追加。 PowerVRベース
2008年4月に発表された製品[13]で、UL11L, US15L, US15W, US15WP, US15WPT, US15Xシステム・コントローラ・ハブ(チップセットに相当)およびIntel CE3100およびAtomプロセッサ (Sodaville, Groveland, Lincroft, Tunnel Creek) に内蔵。コアクロックは100MHz~400MHz、ビデオメモリは最大256MB~759MB。PowerVR SGX535ベースであり、DirectX 9.0c、OpenGL 2.0に対応するほか、HD動画の再生支援機能をもつ[14]。
2011年9月に発表された製品[15]で、Atomプロセッサ (Cedarview) に内蔵。コアクロックは400MHz~640MHz、ビデオメモリは最大1024MB。PowerVR SGX545ベースであり、OpenGL 3.0に対応した。 製品仕様
脚注注釈出典
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