CHILDHOOD'S END
『CHILDHOOD'S END』(チャイルドフッズ・エンド)は、日本の音楽ユニットであるTM NETWORKの2枚目のスタジオ・アルバム、およびアルバムの1曲目に収録されている楽曲。 1985年6月21日にEPIC・ソニーからリリースされた。前作『RAINBOW RAINBOW』([984年)より1年2ヶ月ぶりにリリースされた作品で、作詞は松井五郎、小室哲哉、SEYMOUR、三浦徳子、西門加里、TM NETWORKがそれぞれ担当し、作曲は小室および木根尚登、プロデューサーは小室が担当している。 レコーディングは1984年12月10日から1985年4月11日まで一口坂スタジオ、CBS・ソニー六本木スタジオ、スタジオ・テイクワン、セディックスタジオ、CBSソニー信濃町スタジオにて行われた。アルバムタイトルはアーサー・C・クラークの小説『幼年期の終り』を引用し、都会的な恋愛にSF要素が加えられた歌詞と、前作に比べてエレクトリックな要素は薄まりバンドサウンドが全面に出た曲とで構成されている。また、前作で見られたファンタジー性のある歌詞は、「DRAGON THE FESTIVAL」と「FANTASTIC VISION」に見られるが、他の曲においては現実的な歌詞となっている。 先行シングルとしてリリースされた「アクシデント (ACCIDENT)」を収録している他、後にリカットシングルとして「DRAGON THE FESTIVAL (ZOO MIX)」がリリースされた。 オリコンチャートでは最高位40位となった。 背景前作『RAINBOW RAINBOW』リリース後、1984年6月18日から7月17日まで初のライブツアーとなる「DEBUT CONCERT」を2都市全3公演開催。7月21日には前作からのリカットシングル「1974 (16光年の訪問者)」をリリース、北海道地区にてヒット曲となる[1]。9月1日にはオフィシャルファンクラブ『TIMEMACHINE cafe』を発足。12月5日には渋谷PARCO・PARTⅢにて「ELECTRIC PROPHET」と題したライブコンサートを開催、12月27日には追加公演として前述のシングルがヒットしていた北海道の札幌教育文化会館にて同公演が開催された。動員は2日間で約1600人となった。 1985年に入り、5月22日には先行シングルとなる「アクシデント (ACCIDENT)」をリリース。 録音レコーディングは1984年12月10日から1985年4月11日まで一口坂スタジオ、CBSソニー六本木スタジオ、スタジオ・テイクワン、セディックスタジオ、CBSソニー信濃町スタジオと多岐に亘り行われた。 プロデューサーは前作に引き続き小室が担当している。レコーディングメンバーとしては後にFENCE OF DEFENSEを結成する事となるドラムスの山田亘、赤い鳥に所属していた村上 “ポンタ” 秀一などが参加している他、後に小室の一番弟子と名乗る事となる久保こーじが小室関連作品としては初参加している。 サウンドは前作よりも大幅に変化し、生ドラム、生ギター、エレキギターを多用し、レコーディングもライン録音ではなく、いったんPAを通し、空気に触れた音をマイクで拾う方式をとった為、打ち込み色が薄れている。 作曲もリズムから制作する手法ではなく、小室が他の仕事の作業中に出来たフレーズの断片を記録しておいて、それをアルバムとしてまとめる作曲方法が中心になった[2]。その他にも過去にSPEEDWAYで披露された楽曲をリメイクする形で、「永遠のパスポート」「TIME」「愛をそのままに」が制作された[3]。 音楽性今までのアマチュアっぽい色を消して、完全に音楽的なプロのグループとして、幼少期をきっぱり終われるようなアルバムにしようと思ってました。
ぴあMOOK TM NETWORK 30th Anniversary Special Issue 小室哲哉ぴあ TM編[4] 小室はこの作品に関してはタイトルに示す通り「稚拙なところをこの作品でやりきっちゃいたいという気持ち」で製作していたと語り、本作でアマチュアらしさを打ち消し、プロの音楽グループとして幼少期を終わらせるという思いをこめてこのアルバムタイトルに決定した[4]。「アクシデント (ACCIDENT)」は同レーベルに所属していたLOOKの「シャイニン・オン 君が哀しい」のヒットに影響され、作詞を当時安全地帯を手がけていた松井五郎に依頼し[4]、「8月の長い夜」はヒット狙いで歌謡曲的なものを制作したと述べる[4]等、商業的成功を意識したポップス風の音像が中心である。一方、小室が少年時代から触れてきたセルジオ・メンデスやデュラン・デュランなどのサウンドメイクを投影し、歌詞も物語性を強調した「DRAGON THE FESTIVAL」のような楽曲も存在する。[4]。 音楽誌『別冊宝島1532 音楽誌が書かないJポップ批評53 TMN&小室哲哉[ポップス神話創世]』にてライターのガモウユウイチは、随所にSF的なイメージが見受けられる事やセンス・オブ・ワンダーの雰囲気が感じられる事を指摘している[5]。 リリース履歴1985年6月21日にEPIC・ソニーより、LP、CTの2形態でリリースされた。同年7月1日にはCDとしてもリリースされた。 その後も1991年9月5日、1996年6月17日、2000年3月23日とCD盤のみ再リリースされ、2004年3月31日には完全限定生産盤のCD-BOX『WORLD HERITAGE DOUBLE-DECADE COMPLETE BOX』に紙ジャケット、24bitデジタルリマスタリング仕様で収録された。 2007年3月21日には単独で紙ジャケット、デジタルリマスタリング仕様でリリースされ[6]、2013年2月20日にはデジタルリマスタリング仕様でBlu-spec CD2にてリリースされた。
アートワークCD版は初期版と再発版では背面ジャケットの絵が異なっており初期版は左から小室、宇都宮、木根の3人の白黒写真に曲順が掲載、2013年に発売されたBlu-spec CD2も含めた再発版は歌詞カードの裏面と同じイラストに曲順が掲載されている。 ツアー本作リリース後の6月22日から11月3日までファンイベント「PARTY OF TM VISION」を11都市全13会場にて開催。その後9月27日から11月27日にかけてライブツアー「DRAGON THE FESTIVAL featuring TM NETWORK」を8都市全8公演開催した。 批評
チャート成績オリコンチャートではLP盤が最高位40位、登場回数5回、売り上げ枚数0.9万枚となり、CT版は最高位67位、登場回数3回、売り上げ枚数は0.4万枚となり、累計では1.3万枚となった。 収録曲
CD
曲解説
スタッフ・クレジットTM NETWORK
参加ミュージシャン
スタッフ
脚注出典
外部リンク
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