(307261) 2002 MS4 は海王星 を超えた先にある氷の微惑星 の領域のカイパーベルト に存在するキュビワノ族 の天体である。準惑星候補 の天体である[ 2] 。
2002年 にトルヒージョ とブラウン によって発見された。過去の観測データを調査したところ、2002 MS4 は今までに74回観測されており、最初の観測は1954年 4月8日 である[ 1] 。
2019年 現在、太陽 から46.5天文単位 の場所に位置し[ 12] 、近日点 に向かっている。もっとも太陽 に近づくのは2122年だと予測されている[ 1] 。直径は約800 km であり、名称が決まっていない太陽系 の天体のなかでは最大である。
概要
2002 MS4 はパロマー天文台 にあるサミュエル・オシン望遠鏡 (英語版 ) によって発見された。
2002年 6月18日 にトルヒージョ とブラウン によってパロマー天文台 で発見され、2002年 11月21日 に小惑星センター によって発表された。[ 4] 2007年 に過去の観測データを調査したところ、パロマー山 でのデジタイズド・スカイ・サーベイ (DSS)の一環として1954年 4月 に2002 MS4 が最初に観測されていることが判明した[ 13] [ 1] 。
2002 MS4 , 2016年 7月 に探査機ニュー・ホライズンズ によって15.3AU の距離から撮影された。
2016年 7月 にカイパーベルト の探査の一環として探査機ニューホライズンズによって観測されたことによって、軌道 や位相曲線 (英語版 ) などに関する詳細が分かった[ 14] [ 15] 。
2019年 現在、今までに74回観測されている。観測弧は64年[ 1] 。
軌道
2002 MS4 の軌道と現在の位置は準惑星候補 のクワオワ に似ているが高い軌道傾斜角 と離心率 を有しており、公転周期 は272.6年である。2002 MS4 は動的で温暖なキュビワノ族 天体で[ 16] 海王星 と断続的に18:11の軌道共鳴 を起こしている[ 17] 。
冥王星 、エリス 、マケマケ 、ハウメア 、Gonggong 、セドナ 、クワオアー 、オルクス 、2002 MS4 、サラキア の大きさの比較
こと座 の方向に位置する2002 MS
4 。
銀河系 の明るい部分を東の方へ横切っている。
特徴
スピッツァー宇宙望遠鏡 は直径 を726±123 kmと推定した一方でハーシェル宇宙望遠鏡 は934±47 kmと推定している[ 8] 。もし後者が正しい場合、2002 MS4 は準惑星 ケレス の大きさに匹敵し、名前のない太陽系 の天体の中では最大となる[ 8] [ 注釈 1] 。2002 MS4 は10番目に大きい太陽系外縁天体 であり[ 7] 、2006年 のIAU 草案で準惑星の候補 に提案された[ 19] 。
2019年 7月26日 にブリティッシュコロンビア州 にて2002 MS4 による掩蔽 が観測された。単一コード (英語版 ) 長は831km[ 20] 。
2019年8月19日の掩蔽 で、842 × 688 kmの扁球 であると推定された[ 21] 。
2020年8月8日の掩蔽では少なくとも21個の陽性の検出で、大きさが808 × 748 kmだと推定された[ 6] 。
2002 MS4 の衛星 は知られておらず、正確な質量 は不明である。2002 MS4 の大きさに基づいて、発見者のブラウン は準惑星候補の天体としている[ 22] 。しかし、0.2というアルベド の低さからこのような暗く中間サイズの天体は未だ個体に崩壊したことがなく、静水圧平衡 に遷移することも考えにくいので、準惑星 になることはないだろうという見解もある[ 23] 。
2019年 時点で、自転周期 は不明である。2005年 と2011年 の観測でどちらとも7,33時間あるいは折り返し雑音 を考慮して10.44時間、あるいは両者の2倍の値であり、光度曲線 の振幅 は0.05±0.01 magである。2002 MS4 は観測時に銀河系中心の方向に位置していたこともあってその背景の星の密度により光度曲線の測定は難しい。
2011年 の6月 から7月 にかけて暗黒星雲 の前面を通過したのを好機に観測された[ 9] 。
脚注
注釈
出典
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関連項目
外部リンク