赤胴車
赤胴車(あかどうしゃ)とは、阪神電気鉄道の鉄道車両のうち、大型車両移行後の特急・急行などの優等列車に用いられる車両に採用された塗装を施している鉄道車両の通称。 概要1958年落成の3301・3501形でクリーム(上半分)とバーミリオン(下半分)のツートンカラーが初めて採用され、この塗装は当時放送中だった人気テレビドラマ「赤胴鈴之助」にちなんで「赤胴車」と呼ばれるようになった[1]。この塗装は1984年から1995年にかけて製造された8000系まで採用された。この配色の車両は2009年1月に西大阪線(現在の阪神なんば線)、2015年5月に本線と神戸高速線、2020年6月に最後まで残った武庫川線での運行を終了した[2]。 1996年に落成した9000系はステンレス車体を採用したこともあり、窓下にオータムレッドと極細のオフィスグレーの組み合わせの帯をフィルムで貼り付けていた。 2001年投入の9300系では、8000系以前の車両と同じツートンカラーながらも配色が変更され、プレストオレンジ(上半分)、シルキーベージュ(下半分)となった。この塗装は、8000系のリニューアル工事が施工された編成にも採用されている。 さらに2006年落成、2007年10月5日より運行開始された1000系はヴィヴァーチェオレンジとホワイトストライプに変更され、各客用扉の部分と前面の一部のみがヴィヴァーチェオレンジとなっている。この配色には近鉄奈良線・難波線に直通運転可能な車両という意味も含まれており、前述の9000系も2007年から翌2008年にかけて近鉄直通対応工事を施工した際に同じ塗色に変更している。帯の位置は変更されていない。 旧来の赤胴車が廃車や塗装変更となる中で、最後までオリジナルカラーを保ったまま営業運転に供されていたのは武庫川線専用車の7861・7961形3編成と7890・7990形1編成の4編成8両であった。武庫川線でのみ運用される車両だが、いずれかの1編成は入出庫時に本線を回送扱いで走行していた。 これらの武庫川線専用車についても、老朽化とバリアフリー対応の推進のため2020年(令和2年)度中に5500系改造車に置き換えられることが発表された[3]。具体的な置き換え時期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため公表されなかったが、同年6月2日をもって一斉に置き換えられた。これにより、阪神電気鉄道におけるオリジナルカラーの赤胴車は姿を消している[4]。
塗色に対する批判2017年の阪急阪神ホールディングス株主総会では、株主から車体のオレンジ色がライバル球団の読売ジャイアンツを連想させると指摘した上で、「変えるつもりはないのか」との要望が出された。会社側は「これまでにも同じようなご意見はあった」と前置きした上で、塗色の変更要望を却下した[5]。 脚注
参考文献・出典
関連項目 |
Portal di Ensiklopedia Dunia