『花のあすか組!』(はなのあすかぐみ)は高口里純による日本の漫画作品、小説、及びそれを原作としたテレビドラマ、映画、OVA、ドラマCD、などである。
続編に『新・花のあすか組!』(2003年-2009年)、『花のあすか組! BS(ブラックスクール)編』(2018年4月‐2018年7月)、『花のあすか組! ∞インフィニティ』(2018年9月‐)がある。
角川書店より発行の「月刊Asuka」に、創刊当初の1985年8月号から1995年2月号まで連載された。また、並行して「別冊あすか」(廃刊)に、周辺人物にスポットを当てた『外伝』が各話完結的に連載された。 連載のペースは一回64ページだった。雑誌名と主人公の名前が同じなのは偶然である。
作者は、設定された登場人物の総ての活躍を描くまで終わらせるつもりは無かったが、掲載誌の路線変更の為、編集部からの指示で終了させた。
コミックスは角川書店より、あすかコミックスとして全27巻、外伝全6巻、番外編全1巻、小説版外伝全1巻が刊行された。
文庫版は角川書店より(レーベル名『コミック版高口里純文庫』)、全13巻、外伝全4巻が刊行された。祥伝社より新装版文庫(祥伝社コミック文庫)が、全8巻、外伝全3巻が刊行されている。
あすかコミックス『花のあすか組!』14巻のみに「花のあすか組!映画バージョン」として、1988年に公開された映画の世界観で描かれた漫画が収録されている。
1990年12月、「あすか組-Z- リバーシブル・ヴァージョン」と題された、『花のあすか組!』登場人物の性別を逆転させたパロディ同人誌が、高口里純の二次創作同人ペンネーム「かちとみさする」名義で発行された。2002年、高口里純が同人誌での創作発表を定期刊行していた「悪態」12号に「『RUSH』ASUKA REVERSIBLE VERSION」として再録されている[1]。
漫画情報誌『ぱふ』1988年6月号において『花のあすか組!』特集が組まれた。
小学館漫画賞事務局編『現代漫画博物館1945-2005』(竹内オサム・監修、2006年出版)に、『花のあすか組!』の記述がある。
『新・花のあすか組!』と合わせた累計発行部数は2015年時点で1300万部を突破している[2]。
2022年3月12日から5月8日まで、シリーズの原画展を東京都の中野ブロードウェイ4階のギャラリーリトルハイにて開催することが発表されている[3]。
外伝の内容
ひばりによる裏番十人衆への「あすかに傷をつけろ」との命令に、“紅”は真っ先に立候補した。あすかのクラスメイトである小野寺圭子にも協力させたが、ペットの鴉に裏切られ敗北した。 あすかは報復に、鴉中にいる“紅”の手下を何人も倒し、ひばりに“紅”の失態を見せ付けた。また、何度もあすかを窮地に立たせようとして、半端に全中裏に関わった小野寺圭子は、“紅”の手下から袋叩きにすると言われた。
“葵”三姉妹は鬼畜レディースの一部を倒すが、本来の狙いはあすかであることを鬼畜レディースに伝える。その為、鬼畜レディースを後ろ盾にしていたミコがリンチを受け、髪を切られた。 あすかは“葵”三姉妹に襲われ、ブラックジャックを壊される。両親から金貨をもらい、「おっさん」に加工してもらい新しい武器にする。
あすかは〝秘の包囲網〟をヤスヒロの助けで突破した。そして「おっさん」が警察を呼び、あすかはミコを奪還した。その頃西区表番達は全中裏を抜ける覚悟で“葵”三姉妹に闘争を挑む。 〝秘の包囲網〟の失敗により、鬼畜レディースはハコザキほか幹部20名が少年院に入った。 あすかvs“葵”三姉妹が行われ、ミコの加勢もあり勝った。
幹部達が少年院へ入った鬼畜レディース残党の元へ春日がやってくる。鬼畜レディース残党はあすかに負けたままで置けず、全中裏としてもあすかの行動は示しがつかない。春日は休戦協定を結び、〝オレンジ計画〟に協力させる。
その頃、西区表番たちは、全中裏から抜けた制裁、懲罰部隊に襲われた。 鬼畜レディース残党に待ち伏せされたあすかを、シルバーゴーストのマスコット・ユカリが助け、協力を申し出る。さらに前、西区表番「星」と「原」もこの抗争にのる。 ユカリが協力を申し出たのは暴走族・シルバーゴーストのマスコットを止める「一生お人形でいるかいないかの瀬戸際」に気付いたからだった。自分の力で生きてゆく力を手に入れる為だった。バイクであすか達を援護する。 「原」の作った爆弾で、はるみ、ユカリ、「星」、「原」、あすかのカゲボウシの九曜巴紋と九曜星紋は鬼畜レディース残党の相手をする。 ユカリのバイクは転倒してしまい肋骨を二本折る怪我をするが、ユカリは「もっと恐い思いをして、あすかのように戦い方を覚える」とヤスヒロに語る。
あすかは全中裏の〝オレンジ計画〟とは関係なく、以前の親友でありミコの腹違いの姉のヨーコを蘭塾から引きずり出すために入塾する。以前入塾していたミコから内情を教わるために、ミコの日記を持ってゆく。 ひばりは〝オレンジ計画〟であすかに協力した九曜巴紋と九曜星紋を懲らしめるために、あすかが入塾する二週間前、蘭塾へ放り込んでいた。 ひばりは失敗に終わったオレンジ・プロジェクトを再始動させた。
ACT1 三将登場 あすかが蘭塾へ入塾した翌日に、舎監三将によるあすかへの公開制裁が行われた。スケートボードに乗った舎監達が、刃が仕込んである鞭の連携であすかを痛めつけようとするが、あすかはカラスのハヤトの足に仕込んだ釣り針で応戦する。舎監達が本気であすかを攻撃しようとした時、“朱”からの呼び出しがかかり、公開制裁は途中切れとなった。 ACT2 オレンジ・プロジェクト・チーム その壱 オレンジ・プロジェクト・チームとは、あすかを攻撃目標に特別に編成されたチームである。メンバー(ミキリ、モデル、マリア、最首、バーゲン)は秘匿されている。 ACT3 オレンジ・プロジェクト・チーム その弐
あすかはサバイバル・ゲーム中に、特別房へ続く迷路の、第一エリア「エンジェルロード」、第二エリア「時間の森のアリス」を音符屋の協力で攻略する。第三エリア「ささやきの森」も攻略し、特別房を抜けヨーコを見付けた。蘭塾から外へ出られるチョコレートドアが初めて開かれ、迷路を攻略したことを知らせるファイナル音が蘭塾中に響き渡った。
あすかはヨーコを蘭塾から世間へ引きずり出した。腹違いの姉妹であるミコとヨーコは初めて出会った。
あすかは蘭塾から脱出して帰って来た。無理やりひばりに呼び寄せられる。 西区表番は懲罰部隊による制裁が終わっても、全中裏からは抜けさせられない。そして「姫」が全中裏に連れて行かれ、春日に「ひばりの手の内に居ろ」と軟禁される。あすか、ミコ、「姫」、「水」は全中裏に関わり過ぎており、無関係になることは不可能だった。
シルバーゴースト二代目マスコット あすかは惚れられているヤスヒロにいきなりシルバーゴーストの集会に連れて行かれ、勝手に二代目マスコットに仕立て上げられる。ユカリの後釜になろうとしていた杏子もあすかの美しさに有無を言えず、構成員も納得した。
北区・紫苑学園 あすかは北区の紫苑学園へ編入した。北区では全中裏・HIBARI・SSが資金調達プラン〝ハレルヤ2Y(ツーワイ)〟を進行中だった。それは裏番十人衆“天使”の雅を男装させ、男性アイドルグループ「皇子5」を活動させ資金源を稼ぐものだった。 学校であすかはクラス委員の杉本薫に一方的に世話を焼かれる。また「皇子5」ファンの小川ナツミに付きまとわれる。
「皇子5」のファンクラブ騒動 ナツミは「皇子5」への追っかけが目立ち過ぎることで、ファンクラブから紫苑学園へ近寄る事を禁止され、一緒にファン活動をしていた友達にも絶縁されてしまう。ファンクラブ本部からファンクラブ脱会処分を受け、「皇子5」の現れる所へは近づけなくなった。 そんな時、あすかを呼び出した雅はフェンシングのサーベルであすかの胸を指す。傷を受けたあすかを見付けた「水」は、雅は冷酷なので本気で気を付けた方がいい、と忠告する。 ナツミが「皇子5」の出待ちをした時、ファンクラブ親衛隊からナツミを守ったあすかは、ファンクラブ・支部リーダー・最大グループ“姑娘(クーニャン)”に〝スクール・ウォーズ〟を仕掛けられる。
〝スクール・ウォーズ〟 “姑娘(クーニャン)”から全国の「皇子5」ファンクラブ支部リーダーに〝スクール・ウォーズ〟の開催と対戦者の情報が通達された。シルバーゴーストの二代目マスコットの座を狙い、あすかに譲った杏子は「皇子5」のファンクラブ・ヨコハマ支部リーダーでもあった。〝スクール・ウォーズ〟の対戦者があすかだと分かると、どれほどの器なのか興味を持つ。 あすかは紫苑学園に閉じ込められ、あすかが校舎内に残っていると知った薫と一緒になる。いきなり“姑娘(クーニャン)”の部隊と対戦させられる状況になったあすかは、ミコに助力を求める。ミコは、音符屋も加勢に連れてくる。あすかとミコと音符屋の友情を知った薫は、それまでの自分の友人関係との差に戸惑う。あすか達は“姑娘(クーニャン)”に圧勝する。 雅はあすかが〝スクール・ウォーズ〟の勝者との報告を受け、あすかをコンサートに招待する。
あすかvs“天使” 雅 &「皇子5」&ファンクラブ ナツミを「皇子5」ファンクラブのリンチから救うために、あすかはコンサートへ行かざるを得なくなった。雅はステージであすかにキスをする。その場面を見たファンクラブ総長(総R)は親衛隊・隊長・ジャスミンに、あすかを全国手配させる。あすかは「皇子5」全ファンの標的になった。 ナツミはパーコと知り合い、ファンクラブに処分された人々の集まりに参加する。そして「皇子5」ファンクラブ内に反皇子勢力がある事を教えられ、仲間にならないかと誘われる。 ナツミは「皇子5」ファンクラブを敵に回したあすかを助けようと、ミコを連れて反皇子勢力に接触する。ミコは反皇子勢力の中心人物であり、HIBARI・SSのNo.2・不知火の弟、周防に気に入られ、助力を求めることに成功する。 あすかは北区で暴れ、雅を誘い出す。そして雅とその他の「皇子5」メンバーを倒した。雅は初めて恐怖を味わい、涙した。
〝戦 (イクサ)・23〟では東京23区それぞれのエリアマスター23名が、全中裏の支配関係から放たれ、23区の陣取り合戦を行う。この間、エリアマスターは裏番十人衆よりも強力な権力を有する。
あすかvs西区筆頭表番「姫」&ミコ 春日は直々にあすかに制裁を下すため〝戦・23〟を開始させる。「姫」は、西区表番の全中裏からの解放を賭けて、あすかと戦わざるを得なくなっていた。 東京23区をそれぞれ仕切るエリアマスター達が登場。〝戦・23〟はエリアマスター全23名の内、最終的に何人を味方に出来るか、23区の陣地をいくつ奪取出来るかを競い合う。エリアマスターの能力も測られ、終了時掲示される。〝戦・23〟の期限は一ヶ月。使われる時間帯は午後7時から午後12時まで。 紅側大将はあすか。白側大将は「姫」。大将の正体は〝戦・23〟終了まで伏せられる。
バイパス族の中には、「勇者チチンボイボイ」と名乗り、不登校児を集団で暴行する若者達が出てきた。
「月刊Asuka」における本編と同時に「別冊あすか」で連載された。主に、あすかが中学校に入学してすぐイジメにあい自殺未遂をおかしてから、ヨーコとの関係、中学二年生の初期に全中裏を抜けるまでの出来事がオムニバス形式で描かれている。
フジテレビ系列で1988年4月11日から同年9月26日まで、月曜日19:30〜19:58に放映された(※)。全23話。※ローカルセールス枠のため、遅れネットまたは未放送となった系列局[4]がある。東映・フジテレビにとっては、同年2月で終了した『少女コマンドーIZUMI』以来の女生徒主人公の特撮ドラマの制作となった。あすかに全中裏在籍の過去がなく左大臣は最初から空位、「風林火山」は表番ではなく裏番十人衆として登場するなど、設定は原作と大きく異なる。
序盤はシビアなハード路線のドラマ展開が意図されていたが、人物像はそのままで第7話からテイストが変更され、惚れっぽいキャラクターとなりコメディ担当となったミコや、あすか語録のフィーチャー、軽いネタの挿入や3人の友情要素の重視などがなされた[5]。
1988年8月13日より東宝系列にて配給された。上映時間は100分。『ぼくらの七日間戦争』と同時上映された。
原作とはかなりかけ離れた、近未来のストーリー(テレビドラマ版第13話では映画版のあすかがタイムスリップして現代の世界に現れるとの設定でテレビドラマ版のあすかとの競演および共闘を果たしている)。
『帝都物語』のセットを再利用して撮影された[7]。
楽曲の使用に当たっては、音楽プロデューサーの石川光が、ストーンズの事務所に手紙を送り、作品の意図と楽曲の使用が不可欠であると説明し、100万以下の使用料で済んでいる[8]。
新歌舞伎町ストーリー 花のあすか組! 1987年6月10日発売 48分
ストーリーは鬼畜レディースとの対決。ただしビデオでは「鬼畜」が「鬼族」となっている。また、仕掛け人はコミックでは葵だったが、ビデオでは紅である。
オープニングテーマソング
エンディングテーマソング
挿入歌
花のあすか組!2 ロンリーキャッツ・バトルロイヤル 1990年3月23日発売 52分
外伝「ロンリーキャッツ・バトルロイヤル」にほぼ沿ったストーリーだが、「バトルロイヤル」の影の仕掛け人がコミックではヨーコなのに対し、ビデオでは最首になっている。また、トーナメント表のシードをあすか・ミコ・姫とともに取っているのが、コミックではヨーコになっているが、ビデオでは「?」となっていて実際には馬場だった。
主題歌
『COMICS IMAGE ALBUM 花のあすか組!』、1991年10月23日発売(MECH-30015)。音響監督は本田保則。
『COMICS IMAGE ALBUM 花のあすか組!2』、1992年4月23日発売(MECH-30029)。
1997年3月20日発売
音楽:見里朝生
[新装文庫版]高口里純『花のあすか組!』〈祥伝社・祥伝社コミック文庫〉全8巻
[新装文庫版]高口里純『花のあすか組!外伝』〈祥伝社・祥伝社コミック文庫〉全3巻
高口里純『花のあすか組!セレクション 蘭塾編』〈祥伝社・Feelコミックス〉全3巻
あすか組 - 1987年(五十嵐厚子、木下朱美、須賀千春)、1988年(小高恵美、小沢なつき、石田ひかり)
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