第88回東京優駿(以下、日本ダービー)は、2021年5月30日に東京競馬場で施行された競馬の競走である。
優勝馬はシャフリヤール(鞍上、福永祐一)。
新型コロナウイルスによる影響
本レースは、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の流行及び改正・新型インフルエンザ等対策特別措置法32条に基づいて日本国政府から発令された緊急事態宣言により、事前にインターネット予約で指定席券を購入した観客に入場を限定して開催される。日本ダービーの有観客開催は2年ぶりのことである[1]。
出走馬の状況
前年の共同通信杯を勝利し、皐月賞では3馬身差を付けて快勝した無傷で4連勝中のエフフォーリアをはじめ、同レース2着のタイトルホルダー、3着のステラヴェローチェらが出走を決めた。
また前年の阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞と連続で2着となったサトノレイナスが、牝馬としては2014年のレッドリヴェール以来7年ぶりに日本ダービーへの出走を決めた[2]。
その他、青葉賞を制したワンダフルタウン、毎日杯を芝1800mの日本レコードタイで優勝したシャフリヤール、タイム差なし2着のグレートマジシャンら皐月賞を回避した馬も名を連ねた。
前年のホープフルステークスを制し、2020年のJRA賞最優秀2歳牡馬を受賞するも皐月賞で15着に終わったダノンザキッドは、一時出走を決めるも5月20日に右橈骨粗面剥離骨折が判明し、回避することとなった。これにより出走頭数は17頭となり、ダービーが18頭立てとなった1992年以降で初めてのフルゲート割れとなった[3]。
第81回皐月賞 GI
第28回青葉賞 GII
- 東京・芝2400mで施行[5]。
- 2着以内に優先出走権が与えられる。
- 2着のキングストンボーイは、体調面が整わないことを理由にダービーを回避[6]。
着順
|
競走馬名
|
性齢
|
騎手
|
タイム
|
着差
|
ダービーへの出否
|
1着
|
ワンダフルタウン
|
牡3
|
和田竜二
|
2:25.2
|
|
出走
|
2着
|
キングストンボーイ
|
牡3
|
C.ルメール
|
2:25.2
|
ハナ
|
回避
|
3着
|
レッドヴェロシティ
|
牡3
|
M.デムーロ
|
2:25.2
|
クビ
|
|
プリンシパルステークス L
- 東京・芝2000mで施行[7]。
- 1着馬に優先出走権が与えられる。
着順
|
競走馬名
|
性齢
|
騎手
|
タイム
|
着差
|
ダービーへの出否
|
1着
|
バジオウ
|
牡3
|
戸崎圭太
|
1:59.3
|
|
出走
|
2着
|
ディオスバリエンテ
|
牡3
|
石橋脩
|
1:59.5
|
1馬身1/2
|
|
3着
|
タイソウ
|
牡3
|
大野拓弥
|
1:59.8
|
1馬身1/2
|
|
その他の主な前哨戦の結果
第69回京都新聞杯 GII
着順
|
競走馬名
|
性齢
|
騎手
|
タイム
|
着差
|
1着
|
レッドジェネシス
|
牡3
|
川田将雅
|
2:11.2
|
|
2着
|
ルペルカーリア
|
牡3
|
福永祐一
|
2:11.3
|
3/4
|
3着
|
マカオンドール
|
牡3
|
浜中俊
|
2:11.5
|
3/4
|
人気
前日時点での1番人気はエフフォーリアで、1.8倍の圧倒的支持を受けた。続く2番人気のサトノレイナスは5.5倍で、この2頭が単勝1桁台のオッズとなった。3番人気のワンダフルタウンは10.7倍とやや離れ、上位2頭が多くの支持を集めた。特にエフフォーリアは、鞍上・横山武史のダービー史上最年少制覇への期待がかかり、サトノレイナスは2007年のウオッカ以来の牝馬ダービー制覇への期待がかかっていた[9]。
出走馬
- 2021年5月30日 第2回東京競馬第12日目 第11競走
- 発走予定時刻:15時40分
出典:[11]
レース結果
レース展開
全馬ほぼ揃ったスタートを見せると、大外枠に入ったバスラットレオンが積極的に進出、この馬がハナを切りレースを引っ張る展開となった。2番手にタイトルホルダー、3番手にグラティアスが付け、1番人気エフフォーリアも内ラチ沿い4番手の好位を追走した。2番人気サトノレイナスはエフフォーリアの外を併走、後ろでシャフリヤールやワンダフルタウン、ヨーホーレイクが位置を取った。中団後方からタイムトゥヘヴンやラーゴム、グレートマジシャンが追走し、後方からディープモンスターやステラヴェローチェ、アドマイヤハダル。馬群から少し離れた最後方にレッドジェネシスという体勢で2コーナーからバックストレッチへ向かった。
前半1000mを60秒3と、当週としてはスローペースで通過すると、中団前方に位置していたC.ルメール鞍上のサトノレイナスが3番手に進出、後方に位置していたディープモンスターが押し上げた。3コーナーから4コーナーの中間で徐々に先団馬群が固まり、直線に向くと各馬が追い出しを始めた。
直線に向くと、まずはサトノレイナスやグラティアスが先頭を争う。残り約400mで馬群が横に広がり進路が開いたタイミングでエフフォーリアが追い出しを始めると一気に先頭に立った。残り約200mではエフフォーリアが先頭、半馬身差でサトノレイナス、2馬身後ろからシャフリヤールとグレートマジシャンが追う形となった。エフフォーリアが突き抜けると思われたが、残り約100mでシャフリヤールが内に進路を取り驚異の末脚で強襲。残り約10mでシャフリヤールがエフフォーリアに並ぶと、2頭並んでゴール板を通過した。写真判定の結果、ハナ差でシャフリヤールが制した。タイムは2分22秒5(良)。2019年にロジャーバローズが記録したダービーレコードを0.1秒更新した。鞍上・福永祐一は日本ダービー3勝目をマークし、武豊(1998年・1999年)・四位洋文(2007年・2008年)に次ぐ史上3人目となる日本ダービー連覇を達成した。勝ち馬は、前年のコントレイル[12]と2年連続で「鞍上福永・ディープインパクト産駒・関西馬」の組合わせであった。
2着には10cm差で惜敗したエフフォーリア、1馬身1/4差の3着に後方から一気の末脚で追い上げたステラヴェローチェが入った。2007年のウオッカ以来14年ぶり4頭目のダービークイーンを狙ったサトノレイナスは5着に終わった。
1着争いと3着から5着争いは写真判定となり、近年稀に見る大混戦となった。
レース着順
以下の内容はnetkeiba.comの情報に基づく
着順
|
枠番
|
馬番
|
競走馬名
|
タイム
|
着差
|
上がり3ハロン
|
騎手
|
人気
|
1着
|
5
|
10
|
シャフリヤール
|
2:22.5
|
|
33.4
|
福永祐一
|
4
|
2着
|
1
|
1
|
エフフォーリア
|
2:22.5
|
ハナ
|
33.4
|
横山武史
|
1
|
3着
|
6
|
11
|
ステラヴェローチェ
|
2:22.7
|
1.1/4
|
33.4
|
吉田隼人
|
9
|
4着
|
7
|
13
|
グレートマジシャン
|
2:22.7
|
ハナ
|
33.6
|
戸崎圭太
|
3
|
5着
|
8
|
16
|
サトノレイナス
|
2:22.7
|
ハナ
|
34.0
|
C.ルメール
|
2
|
6着
|
7
|
14
|
タイトルホルダー
|
2:23.1
|
2
|
34.3
|
田辺裕信
|
8
|
7着
|
4
|
8
|
ヨーホーレイク
|
2:23.1
|
アタマ
|
33.8
|
川田将雅
|
6
|
8着
|
4
|
7
|
グラティアス
|
2:23.1
|
ハナ
|
34.4
|
松山弘平
|
10
|
9着
|
3
|
6
|
バジオウ
|
2:23.3
|
1.1/4
|
34.0
|
大野拓弥
|
15
|
10着
|
6
|
12
|
ワンダフルタウン
|
2:23.3
|
クビ
|
34.4
|
和田竜二
|
5
|
11着
|
2
|
4
|
レッドジェネシス
|
2:23.6
|
1.3/4
|
33.7
|
横山典弘
|
13
|
12着
|
5
|
9
|
ラーゴム
|
2:23.7
|
クビ
|
34.5
|
浜中俊
|
16
|
13着
|
2
|
3
|
タイムトゥヘヴン
|
2:23.8
|
3/4
|
34.3
|
石橋脩
|
17
|
14着
|
1
|
2
|
ヴィクティファルス
|
2:24.3
|
3
|
35.4
|
池添謙一
|
14
|
15着
|
8
|
17
|
バスラットレオン
|
2:25.4
|
7
|
36.8
|
藤岡佑介
|
12
|
16着
|
3
|
5
|
ディープモンスター
|
2:25.7
|
1.3/4
|
36.8
|
武豊
|
7
|
17着
|
8
|
15
|
アドマイヤハダル
|
2:26.0
|
1.3/4
|
37.1
|
M.デムーロ
|
11
|
データ
ハロンタイム
|
12.2 - 10.6 - 12.2 - 13.0 - 12.3 - 12.4 - 12.8 - 11.7 - 11.4 - 11.5 - 10.8 - 11.6
|
上がり4ハロン
|
45秒3
|
上がり3ハロン
|
33秒9
|
優勝馬上がり3ハロン
|
33秒4
|
上がり最速
|
33秒4(シャフリヤール・エフフォーリア・ステラヴェローチェ)
|
達成された記録
払戻金
|
馬番/枠番
|
人気
|
金額(円)
|
単勝
|
10
|
4
|
1,170
|
複勝
|
10
|
3
|
270
|
1
|
1
|
120
|
11
|
10
|
550
|
枠連
|
1 - 5
|
5
|
1,020
|
馬連
|
1 - 10
|
2
|
1,010
|
馬単
|
10 → 1
|
12
|
3,360
|
ワイド
|
1 - 10
|
3
|
450
|
10 - 11
|
40
|
3,880
|
1 - 11
|
10
|
1,030
|
3連複
|
1 - 10 - 11
|
28
|
8,800
|
3連単
|
10 → 1 → 11
|
181
|
58,980
|
当日のWIN5(5重勝単勝式)
- 発売票数:8,626,715票
- 発売総額:862,671,500円
- 的中票数:134票
- 払戻金:4,506,490円
テレビ・ラジオ中継
本レースのテレビ・ラジオ放送の実況担当者並びに放送体制。NHK局員の勤務局及び民放各社社員の役職、その他出演者の肩書は開催日当時のものである。
実況担当者
他社局利用番組
関連項目
脚注
注釈
出典
- ^ 日本ダービーなど有観客で開催 コロナ入場制限の緩和で - 東京新聞 2021年5月10日
- ^ “サトノレイナス、牝馬7年ぶりにダービー挑戦”. サンスポZBAT!競馬 (2021年4月22日). 2021年5月30日閲覧。
- ^ “ダノンザキッド骨折判明で日本ダービー回避…18頭立て初のフルゲート割れ”. サンスポZBAT!競馬 (2021年5月20日). 2021年5月30日閲覧。
- ^ “皐月賞(G1) 結果・払戻 | 2021年4月18日 中山11R レース情報(JRA)”. netkeiba.com. 2021年5月30日閲覧。
- ^ “テレビ東京杯青葉賞(G2) 結果・払戻 | 2021年5月1日 東京11R レース情報(JRA)”. netkeiba.com. 2021年5月30日閲覧。
- ^ “キングストンボーイがダービー回避 藤沢和師「馬の将来を考えると無理はできない」最後のダービー苦渋の決断:中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2021年5月30日閲覧。
- ^ “プリンシパルS(L) 結果・払戻 | 2021年5月8日 東京11R レース情報(JRA)”. netkeiba.com. 2021年5月30日閲覧。
- ^ “京都新聞杯(G2) 結果・払戻 | 2021年5月8日 中京11R レース情報(JRA)”. netkeiba.com. 2021年5月30日閲覧。
- ^ “【日本ダービー】前日発売最終オッズ エフフォーリアが単勝1・8倍の1番人気”. 東京スポーツ (2021年5月29日). 2021年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月30日閲覧。
- ^ 日本ダービーデータルーム・騎手 - 競馬専門紙・優馬 公式サイト 2021年5月28日閲覧
- ^ 日本ダービー出馬表 - netkeiba.com
- ^ 競走馬データ (netkeiba.com)
- ^ 2021年05月30日のWIN5 - netkeiba.com
- ^ NHK番組表 - 日本放送協会
- ^ 【2021年5月の実況担当】今年も無敗の二冠馬誕生か!?去年に続きオークスは大関アナ、日本ダービーは小塚アナ! [実況アナ!] - ラジオNIKKEI 2021年4月29日
- ^ 【日本ダービー】『ウマ娘』トウカイテイオー役のMachicoさんがラジオNIKKEI中継にゲスト出演 - netkeiba.com 2021年5月28日
- ^ フジテレビ競馬さんのツイート - 2021年5月27日
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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