トクマサ

トクマサ(得正)
根岸御賞典を拝受したトクマサ
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1933年3月20日[1]
死没 1943年以降不明
トウルヌソル
種正
生国 日本の旗 日本千葉県
生産者 下総御料牧場
馬主 山中清兵衛
調教師 尾形景造東京
競走成績
生涯成績 27戦9勝
獲得賞金 6万3602円75銭
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トクマサ(得正[注釈 1])は日本競走馬1936年に行われた第5回東京優駿大競走日本ダービー)優勝馬である。

経歴

競走馬時代

第五回東京優駿大競走(外4番がトクマサ)

1933年3月20日に下総御料牧場で誕生。1935年に山中清兵衛によって15,450円で購入され、東京競馬場の尾形藤吉(景造)厩舎に預託された[1]

初出走は1936年の春季中山競馬。5戦1勝という戦績で第5回東京優駿大競走に挑むと、最後の直線で騎手の伊藤正四郎(伊藤正徳調教師の実父、伊藤雄二元調教師の義父)がが折れるほどの気合の騎乗を見せ、2分42秒1のタイムで優勝した。5番人気で勝利した結果、競走後に特払い特別給付金)が出る大穴であった。このとき調教師の尾形は重馬場(実際は稍不)を見越してレース直前にトクマサにスパイク(歯鉄、翌年より使用禁止[2])を履かせて出走させた[3]

ほかに東京優駿大競走の翌月横浜で行われた帝室御賞典1937年目黒記念(春)、中山記念(秋)などの勝ち鞍がある。全成績は27戦9勝、獲得賞金は6万3602円75銭[4]

種牡馬時代

1937年11月に引退後、朝鮮李王職蘭谷牧場に買い上げられて「得正」の名で種牡馬として供用された。しかし戦時中の混乱期に行方不明となり、1943年以降の消息は不明である[4]

なお、東京優駿大競走で伊藤正四郎が使用した折れた鞭は、トクマサを生産した下総御料牧場(御料牧場は栃木県塩谷郡高根沢町に移転、現在は三里塚御料牧場記念館)に「勝利の鞭」として保存された[4]

競走成績

評価

血統表

トクマサ血統ゲインズバラ系5号族(5-h) / Hampton5.5×5=9.38% St.Simon5.5×5) (血統表の出典)

*トウルヌソル
Tournesol
1922 鹿毛
父の父
Gainsborough
1915 鹿毛
Bayardo Bay Ronald
Galicia
Rosedrop St.Frusquin
Rosaline
父の母
Soliste
1910
Prince William Bill of Portland
La Vierge
Sees Chesterfield
La Goulue

種正
*Young Man's Fancy
1920 鹿毛
Junior
1909 黒鹿毛
Symington Ayrshire
Siphonia
Scylla Eager
Sirenia
母の母
Enthusiast's Last
1909
Enthusiast Sterling
Cherry Duchess
Myrrha Baliol
Hetty F-No.5-h

父・トウルヌソル戦前の大種牡馬、母も英国から輸入された種正という良血。

全姉に1935年春の帝室御賞典(阪神)勝ち馬・キンチヤンがいる[5]

注釈

  1. ^ 当初の血統名は「波正」。

脚注

  1. ^ a b 『サラブレツド系統種牡馬名簿 第1巻』日本競馬会、1941年、163-164頁。 
  2. ^ 『優駿』2013年5月号、12頁。 
  3. ^ 競馬倶楽部時代の競走蹄鉄”. 日本中央競馬会. 2021年11月23日閲覧。
  4. ^ a b c 『日本ダービー25年史』日本中央競馬会、1959年、37頁。 
  5. ^ 『昭和11年春季 競馬成績書』帝国競馬協会、1936年、179頁。 

参考文献

  • 『日本ダービー50年史』日本中央競馬会、1983年。 
  • 今井昭雄『ダービー馬の履歴書』保育資料社、1987年。ISBN 978-4829302170 

外部リンク