第三十八号哨戒特務艇[注釈 2](だいさんじゅうはちごうしょうかいとくむてい)は、日本海軍の未成特務艇(哨戒特務艇)。第一号型哨戒特務艇の18番艇[注釈 3]。太平洋戦争の終戦時未成で、戦後漁船として竣工した。
艇歴
マル戦計画の特務艇、第2121号艦型の38番艇、仮称艦名第2158号艦として計画。1944年11月5日、第三十八号哨戒特務艇と命名されて第一号型哨戒特務艇の15番艇に定められ、本籍を横須賀鎮守府と仮定。11月28日、株式会社三保造船所で起工。
終戦時未成。8月17日、工事中止が発令され船体工程71%で工事中止[注釈 1]。
1947年2月1日、行動不能艦艇(特)に定められる。4月14日、船体の一時使用許可が出され中内某[注釈 4]に引渡し。9月1日、三保造船所で魚運搬船として着工。10月26日、進水。11月22日、連合軍から日本に対し、本船の漁船への改造許可が出された。12月6日、公試運転。12月10日竣工し、北海道へ回航された。
脚注
- 注釈
- ^ a b 進捗率は昭和22年2月1日付 二復総第49号による。福井静夫『昭和軍艦概史III』 p. 66では90%としているが、同ページには「ごく大体のもの」と注意書きが添えられている。
- ^ 本来の艇名表記は第三十八號哨戒特務艇。
- ^ 本艇が特務艇類別等級別表に登載された1944年11月5日時点で第27号哨戒特務艇、第33号哨戒特務艇、第34号哨戒特務艇が同表未登載のため、1944年11月5日時点で法令上は15番艇、これら3隻を含めると通算で18番艇となる。
- ^ 個人名のため姓のみ記す。第34号哨戒特務艇の受領者と同一人物である。
- 脚注
参考文献
- 海軍省、復員庁
- 昭和19年11月5日付 達第363号、内令第1234号、内令第1236号。
- 昭和22年2月1日付 復員庁第二復員局総務部 二復総第49号。
- 昭和22年2月19日付 横須賀地方復員局管船部 横管修第753号。
- 昭和22年12月10日付 大湊管船部 大湊管第212号。
- 世界の艦船 No. 507 増刊第45集 『日本海軍護衛艦艇史』、海人社、1996年。
- 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
- 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
- 丸スペシャル No. 49 日本海軍艦艇シリーズ 『駆潜艇・哨戒艇』、潮書房、1981年。