獅司大
獅司 大(しし まさる、1997年1月16日 - )は、ウクライナ・メリトポリ出身で、雷部屋(入門時は入間川部屋)所属の現役大相撲力士。本名は、ソコロフスキー・セルギイ(ウクライナ語キリル文字表記:Соколовський Сергій)。身長193cm、体重170kg。最高位は東前頭16枚目(2024年11月場所)。 来歴2人兄弟の兄。小学校4年、中学校5年の合計9年制となるメリトポリ市内のタヴリア学校を卒業している[1]。ウクライナで6歳からレスリングを習い、15歳で相撲に転向し欧州選手権では優勝の実績を持つ。 2020年3月場所に初土俵を踏んだ。同期には北青鵬がいる[2]。ウクライナ出身として初の力士である[3]。四股名は入門当時の師匠の16代入間川から「百獣の王になれ」と言われたことによる「獅」と当時の師匠の現役時代の四股名から「司」を取り、下の名前は体が大きいことにちなんで「大」となった[1]。体格に恵まれ、この頃すでに入間川部屋の三段目力士が歯が立たない程の実力者であったため、部屋付きの若藤は「ミニ把瑠都。すぐに三段目、幕下にいける」と評価した[4]。その期待通りに序ノ口、序二段をそれぞれ1場所で通過し、三段目まで順調に番付を上げた。東三段目23枚目で迎えた2021年1月場所では、場所前の足首の怪我により1番相撲を休場したが、2番相撲より途中出場。途中出場後は6連勝し、6勝0敗1休の成績で場所を終え、三段目は2場所で通過し幕下に昇進した。その後も勝ち越しを続け、2021年9月場所では東幕下8枚目まで番付を上げたが、幕下上位の壁に跳ね返され自身初の負け越しを経験、さらには同場所中に痛めた左手薬指の怪我の影響で途中休場となった。その後3場所連続で勝ち越し、2022年5月場所では自己最高位の東幕下7枚目まで番付を上げたが、3勝4敗で負け越した。2023年5月場所では、自己最高位の西幕下2枚目をいう番付で初日から3連勝、5日目には新十両の藤青雲と対戦の末叩き込みで勝利。大銀杏姿で初めて十両の土俵に上がり「ちょっと緊張したけど、いつも通り取れた。似合っていますか?」と話した[5]。この場所の4番相撲で勝ち越しを決めて新十両昇進の権利を得た。ウクライナ侵攻の影響でウクライナ出身力士である自身に通常より大きな声援が届いたことにも感謝した[6]。この日、5月20日にはウォロディミル・ゼレンスキーが来日したが、母国の大統領の話題になると「ちょっと」と政治的発言は控えている[7]。この場所は6勝1敗で終え、来場所の新十両を確定的とした。5月31日に開かれた番付編成会議で、7月場所の新十両昇進が正式に発表された[8]。新十両昇進会見では「ウクライナは大変。もっと頑張る。関取になって(なった)ママ、パパを助けます。頑張ります」と故郷の家族を思いやる発言を行った[9]。2024年7月場所は西十両7枚目ながら8勝2敗と10日目に自身最速勝ち越しを決め、優勝争いのトップタイに白熊と並んだ。その後も白星を重ねて千秋楽まで優勝争いのトップを争っていたが、千秋楽は伯桜鵬にうっちゃりで敗れてあと一歩で優勝を逃した。それでも自己最高の11勝でこの場所を終えた。西十両2枚目で迎えた9月場所は14日目に8勝目を挙げ、この時点で「新入幕濃厚」と報じられ[10]、11月場所で新入幕を果たし東前頭16枚目となる[11]。ウクライナからの入幕は大相撲史上初。新入幕会見では「今、両親は大変なので自分が頑張って支えていきたい」と語った。元垣添の雷親方にとっては部屋継承後初の幕内力士となり、雷親方は「幕内に上げることが自分の仕事だと思ってやってきたのでホッとしている。まだまだ番付は上があるので、次は三役に上がれるように部屋全体で精進していきたい」と話した[12]。 取り口体格を活かした四つ相撲が武器で、左四つに組んで寄り切るのが勝ちパターン。長身を活かした肩越しの上手も武器で、この場合右でも左でも上手を取ると強く、上手投げも得意である[6][13][14]。懐が深く、仮に組めなくとも叩きがよく決まる。下手の芸はそれほど見せる方ではない。廻しが取れないときは長いリーチを活かした突っ張りも見せる。最初はレスリングの癖があったが、関取昇進に近づくにつれて相撲を覚え、突っ張りもこなせるようになった[9]。 また2024年春場所では関脇まで上り詰めた宝富士と若隆景、同夏場所では同じく関脇まで上り詰めた妙義龍と碧山から白星を上げており、経験者と渡り合える力を少しずつつけていることがうかがえる。2024年9月場所になると、それまでのパワーを生かしたカチ上げや張り手などの荒々しい相撲、師匠譲りの突き押しに加えて、女子相撲の経験のある女将から学んだ左差し右前ミツの相撲が加わっている[15]。元琴風は2024年11月場所中のコラムで、相撲の巧さと器用さは比較対象の把瑠都より上で、頭を下げての下からの攻めができているとした一方で、手から当たる立合いの甘さは課題だとしている[16]。元朝青龍はX(旧・Twitter)で2025年1月場所の相撲ぶりについて「腰高で廻しを取っての寄りに徹していない。いつか怪我をするかもしれない」という趣旨の指摘をしている[17]。 人物
主な成績2025年1月場所終了現在 通算成績
各段優勝
場所別成績
幕内対戦成績
太字は2025年1月場所現在、現役力士。 改名歴
脚注
関連項目外部リンク |
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