椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015
『椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015』(しいなりんごときゃつらがゆく ひゃっきやこう2015)は、日本のシンガーソングライター・椎名林檎が2015年に開催したコンサートツアー、およびその模様を収録したライブ映像作品[1]。2017年5月31日にユニバーサルミュージックよりDVDおよびBlu-ray Discで発売[2]。 映像作品本作は2枚組仕様であり、ディスク1には椎名が2015年10月から12月にかけて開催したコンサートツアー「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」より、12月9日に行われた神奈川県民ホール公演の模様が収録されている。ディスク2には同会場で2016年2月23日に行われた「椎名林檎と彼奴等による 陰翳礼讃2016」と題した全10曲のライブセッションが収録されている[3][4][5]。 ディスク1収録の公演の模様は、2016年2月にWOWOWで発売に先行して放送されたが、本作では選曲が見直されて収録曲が増えた[注 1] ほか、映像の編集も放送時とは異なっている[6]。 ディスク2収録のライブセッションは2015年のツアーが始まる前から提案されていたもので、ツアーのセットリストから漏れた曲の中からファンからのニーズが高いと思われる10曲が選ばれている[6]。ツアーとは対照的に、ジャジーなファッションと演奏スタイルで行われたこのセッションでは、敢えてリハーサルを重ねずに音楽が生まれる瞬間の奇跡を捉えようと臨んでいる[6]。 本作の映像監督ウスイヒロシによると、「百鬼夜行」は21台、「陰翳礼讃」は8台のカメラを使って収録し、「陰翳礼讃」は「セッションの鮮度を損なわないように」という椎名からのディレクションに沿って撮影プランが設計された[6]。 本作の発売がツアー終了から約1年半もの時間を要したのは、椎名が各方面からオファーが寄せられていた提供楽曲と、ツアー当時から水面下で調整が進んでいた2016年8月〜9月のリオ・オリンピック/パラリンピック閉会式における「フラッグハンドオーバーセレモニー」の制作に尽力していたため[6]。 通販限定となる初回限定盤はケース付きハードカバーブック仕様で、椎名のデビュー19周年記念日にあわせて2017年5月27日に個人事務所の黒猫堂から先行販売された[2]。 収録曲全作詞・作曲:椎名林檎(注記を除く) 全編曲:椎名林檎、村田陽一
リリース履歴
ツアー「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」は、2015年10月から12月にかけて開催された椎名としては2003年の「実演ツアー 雙六エクスタシー」以来12年ぶりとなるホールツアー[5][7]。 “百鬼夜行”とは、2015年5月に発売されたシングル「長く短い祭/神様、仏様」に端を発したコンセプトで、椎名曰く「児玉裕一監督が撮った『神様、仏様』のMVの終盤で私が東京タワーの上から飛び降りたのは〈結局何が一番怖いって此の娑婆世界の人間様よ〉というメッセージを伝えたかったから。それをツアーではより辛辣に強調したくて、このタイトルとセットリストを組み立てました」とのこと[6][8]。タイトルに冠された「彼奴等」とは、演奏家である玉田豊夢、鳥越啓介、ヒイズミマサユ機、浮雲、名越由貴夫、村田陽一、西村浩二、山本拓夫という8人からなるスペシャルバンド「MANGARAMA」(マンガラマ)のこと[1][3][4]。若干のメンバー変更はあるものの、2015年8月に台湾で行われた椎名初の海外公演「(生)林檎博 '15 −垂涎三尺−」の演奏を務めたバンドと基本的には同じ[6]。 セットリストは、ツアー時点での最新アルバム『日出処』の収録曲、椎名がまだ十代だった頃の初期作品、東京事変時代に書かれた作品、そして他のアーティストへの提供および客演曲までが入り混じった多様なものとなっている[7]。 本ツアーの演出やスタッフなどは、椎名がスーパーバイザーを務めたリオ・オリンピック閉会式のフラッグハンドオーバーセレモニーと一部共通する。「凡才肌」のパフォーマンス中に椎名が被っていた角隠しのようなヘッドアクセサリーは、リオ・オリンピック閉会式のセレモニー冒頭で「君が代」が流れた際のパフォーマーたちの装束と同じレ・クリント[注 2] を想起させる折り紙の技術で作られており[注 3]、ツアーで使用された映像でダンスを披露したELEVENPLAYとその振付家のMIKIKO、MANGARAMAのメンバーの浮雲とヒイズミマサユ機(H ZETT M)、そして村田陽一らは、それぞれ演出スタッフやボーカル、使用楽曲の提供、編曲などで閉会式のセレモニーに関わっている[6]。 演奏
日程
セットリスト
脚注注釈出典
外部リンク |
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