未来科学への招待
『未来科学への招待』(原題:Future Fantastic)は、1996年にBBC(英)、ラーニング・チャンネル(米)、プロジーベン(独)が共同制作した科学番組。オリジナル版は全9回だが、日本では全5回にまとめられたものを1998年1月からNHK衛星第1『BBCセレクション』(日曜 23:00 - 23:50)にて放映。その後、8月にNHK教育『知への旅』(土曜 23:45 - 24:29)でも同じく放映された。 概要宇宙人やロボット、テレポーテーション、恒星間旅行、不老不死など、各回で取り上げるSFアイデアが未来においてどう実現するか、多数の研究者やSF作家らの意見をうかがうという内容。案内役を務めたのは『Xファイル』のFBI捜査官ダナ・スカリー役で知られる女優のジリアン・アンダーソン。科学番組の体裁をとりつつも擬似科学やUFOといったオカルトじみた話までもが一緒にされているのが特徴。 アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラーク、ブルース・スターリング、ニール・スティーヴンスン、ラリイ・ニーヴン、ロバート・L・フォワード、グレッグ・ベア、グレゴリイ・ベンフォード、ジャック・ウィリアムスン、フレデリック・ポール、キム・スタンリー・ロビンスンといった著名なSF作家達が出演している。 第1回 宇宙人とのコンタクト原題は Alien。1998年1月11日(NHK教育では8月1日)放送。 ALH84001、SETI計画、ドレイクの方程式、ボイジャーのゴールデンレコード、エリア51、カシミール効果、火星の人面岩、プロジェクト・ブルーブック、ロズウェル事件、ヒル夫妻誘拐事件、SF映画『惑星アドベンチャー スペース・モンスター襲来!』、グレイなどが取り上げられた。 冒頭ではSETIを扱うと思いきや、途中から唐突に「秘密基地」エリア51を見張り続けているという自称「研究家」ボブ・ラザーやUFO信者が出演、さらには「水に秘められた未知の力を取り出せた」という触れ込みで、「発明家」の2人組が単なるベニヤ板に高圧水で穴を開けるだけの「実験」が出てくるというような内容が番組内で展開された。サイエンスライターの金子隆一はSETIを扱った著書のあとがきでこの回について触れ、「まさに絵に描いたような、いわゆるトンデモ・ネタが次から次へと繰り出され、あまりの惨状に呆然とした筆者は、とうとう番組を最後まで見続けることができなかった」「この番組がSFファンに擬態したUFO信者によって作られたことが歴然としており、SFとUFOの関係性を立証する方向に、話が大きく偏向していた」と批判した[1]。 日本語版スタッフ
声の出演
第2回 ロボットとの共存原題は I, Robot。1998年1月25日(NHK教育では8月8日)放送。 日本語版スタッフ
声の出演
第3回 テレポーテーション 究極の旅原題は Incredible Shrinking Planet。1998年2月1日(NHK教育では8月15日)放送。 ポール・モーラーによる回転翼をもつスカイカー[3]、アブロ・カナダ社のアブロカー、ロシアの円盤型ジェット旅客機[4]、イオンクラフト(リフター)、人工衛星からのマイクロ波ビームを使用するライトクラフト[5]、量子テレポーテーション、ワームホールなどが紹介される中、「発明家」ブライアン・モッツによる太陽エネルギーを利用するというイオン推進飛行船[6]や、トーマス・タウンゼント・ブラウンの「反重力フィールドで物体を浮かせる装置」(実際には空気分子のイオン流で浮上しているだけと考えるのが妥当との指摘がある)の紹介もあり[7]、番組の姿勢が窺える[8]。 日本語版スタッフ
声の出演
第4回 惑星への移住原題は Starman。1998年3月1日(NHK教育では8月22日)放送。 月旅行から恒星間航行まで。ツィオルコフスキー、ゴダード、フォン・ブラウンといった人々と宇宙開発の歴史や、宇宙進出を推進する非営利団体アルテミス協会(Artemis Society)、ダイダロス計画、反物質推進、火星テラフォーミングについてなど。 日本語版スタッフ
声の出演
第5回 不老不死への挑戦原題:Immortal。1998年3月8日(NHK教育では8月29日)放送。 人体冷凍保存など。 日本語版スタッフ
声の出演
脚注
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