日本海総合病院
日本海総合病院(にほんかいそうごうびょういん、英語: Nihonkai General Hospital)は、山形県酒田市あきほ町にある病院。地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構が運営する。 山形県災害拠点病院やがん診療連携拠点病院などに指定されており、庄内地方の中核病院として高度医療を担っている。 概要庄内地方では、従来、市立酒田病院と鶴岡市立荘内病院が地域における中核的医療機関の役目を負ってきたが、三次救急医療を担える医療機関が無かったため、住民や自治体から県に対し県立病院の設置を望む声が多数寄せられていた[3]。こうした声を踏まえ県は、総工費約170億円を投じ酒田市南東部のあきほ町に「山形県立日本海病院」を建設[2]。1993年6月18日に開院した。 2008年4月1日、地方独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」が設立され、県立日本海病院と市立酒田病院は統合再編によって「日本海総合病院」(北緯38度53分25.8秒 東経139度51分15.2秒 / 北緯38.890500度 東経139.854222度)と「日本海総合病院酒田医療センター」(北緯38度54分15.7秒 東経139度50分23.9秒 / 北緯38.904361度 東経139.839972度)となった。 統合再編県立日本海病院は開院したものの、救急医療特化型ではなく、総合病院として設置された。このため急性期医療を中心とする市立酒田病院と機能と診察が重複していたほか、国の指導方針等によって、救命救急センターは人口100万人に1箇所とされていたことから救急医療レベルが2.5次に留まり鶴岡市を中心とする南庄内地域の三次救急まで十分にカバーできずにいた。また病院建設等に伴う減価償却費や起債償還もあり、開院以来赤字がかさみ、2006年度末には累積欠損金を約109億円抱え、さらに約24億5千万円の不良債務も発生するような状況に追い込まれていた[3]。 他方、市立酒田病院は県立日本海病院の開院によって患者数が激減し、経営難に追い込まれたが、当時の院長に拠る経営改革が功を奏し、2001年度以降、経営は黒字に復した。しかし、建築後40年が経過し老朽化が目立っていた病院の改築が俎上に載っていた[3]。酒田市は市民から市立酒田病院の改築を望む声が多数寄せられていたことに沿って、新病院建設プランを盛り込んだ「市立酒田病院第二次マスタープラン」を策定した。だが、地元医師会や県の救急医療体制等に関する検討会(庄内部会)では、第二次マスタープラン通り病院が改築されれば医師不足や県立日本海病院との共倒れとなるとの指摘が出された。指摘を受け酒田市は、外部有識者による「市立酒田病院改築委員会」を設置。委員会は重複する診療科を持つ2つの病院が競合しているため、統合再編が望ましい。との見解を主眼とする報告書を酒田市に提出した[3]。 2005年12月、委員会報告を受け酒田市は県に対して県立日本海病院と市立酒田病院の統合再編を申し入れ、協議が開始された。その後、酒田市長と県知事をトップとする山形県・酒田市病院統合統合再編協議会が設置され、再編される病院には庄内二次保険医療圏および最上二次保険医療圏の一部をカバーする救命救急センターを新たに整備するなどの方針を盛り込んだ「山形県・酒田市病院統合再編整備基本構想」を策定した。また2007年7月、同協議会において経営の自立性と責任体制の明確化が不可欠であることから経営形態を「一般地方独立行政法人」とすることが決定された[3]。 山形県議会や酒田市議会の議決のほか、総務大臣の認可等の手続を経て、2008年4月1日、「地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構」が発足。山形県立日本海病院は「日本海総合病院」、市立酒田病院は「日本海総合病院酒田医療センター」となった[3]。なお、これらの新名称は一般公募によって選ばれた。 2011年4月、日本海総合病院敷地内に増築した地上4階建ての建物において救命救急センターは稼働を開始した。また新しい診察体制のスタートにあわせコンビニエンスストアやコーヒーショップも導入したほか、24時間対応の院内保育所や駐車場も拡張するなどした[3]。 想定患者数日本海総合病院の完了期(2011年4月以降)の年間入院患者数は、県立日本海病院時代の2006年(平成18年)度比で29.7%増の21万1900人を想定している。年間外来患者数は同じく2006年度と比較して51.8%増の34万3000人と想定した。日本海総合病院においては、発症後まもない患者に対する急性期医療や高度医療、および救急医療などを担当する。完了期のベッド数は県立病院時代よりも120床増やし648床にし、25の診療科を22診療科に再編する計画した。 酒田医療センターでは、急性期医療をすでに受けた回復期、亜急性期医療を担う。こちらの完了期の年間入院患者数は、市立酒田病院時代の平成18年度比で64.7%減の3万9500人を想定している。年間外来患者数は2006年度比で82.2%減の3万6800人と想定している。完了期のベッド数は110床程度とした。(市立時代は400床)内科とリハビリテーション科を設ける計画。 増築・改築![]() 増築や改築などの施設整備の面で、日本海総合病院においては現在の県立日本海病院西側に地上4階建ての建物を増築し、1階に新設の救命救急センターを、2階に手術室、3・4階には病室を整備した。工期は2008年度 - 2010年度。 酒田医療センターにおいては、現行の東棟を改修して利用される。1階に外来診察室や処置室を置き、2階にリハビリテーション室などを整備した。工期は2010年度 - 2012年度。 診療科指定医療
診察・受付時間
沿革
交通アクセス
シャトルバスの運行統合再編によってふたつの病院間で診療科目が分断された。病院には自動車などの交通手段を持ち合わせない高齢者の患者も多く、また同じ日に複数の科目にまたがって診察を受けている患者も少なくない。そのため両病院間の緊密な足の確保は不可欠である。同じ日に両病院をまたがって通院する患者を対象に、2008年(平成20年)4月から日本海総合病院と酒田医療センターを往復する直通シャトルバス(10人乗り、車椅子1台乗車可能)を運行する予定である。これ以外にも「酒田市福祉乗合バス るんるんバス」などの公共交通機関でも移動は可能である。ただしこれは直通ではなく、運行間隔も粗く本数も限られているため時間をよく確認してから乗る必要がある。 *以下、右にある[表示]をクリックすると運行時刻表が一覧表示される。 シャトルバス運行時刻表
脚注外部リンク |
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