日本から国外に譲渡された中古鉄道車両日本から国外に譲渡された中古鉄道車両では、かつて日本国内で使用され、日本国外に譲渡された鉄道車両を紹介する。 概要老朽化や運用路線・列車の廃止、あるいは運用者の都合などで廃車となった、日本国内で運用されていた鉄道車両を日本国外にて再利用しているケースが多数存在する。これは、いわゆる「リユース」活用を目的にしたもので、自動車においても同様の傾向が見られる。 戦前・戦時中から、日本内地から日本の勢力圏内の各国へ向けての、路面電車、機関車、気動車、貨車等の中古鉄道車両の輸出は存在した。また、特に戦時中は、現在見られるような国内で使用されなくなった車両の譲渡ではなく、軍の要請により使用中の車両が供出され国外へ送られる戦時供出が存在したことも特筆される。例えば南方の泰緬鉄道などへ送られたC56形の事例は、戦後2両が日本へ帰還することとなったほか、今なおタイ国内で現役の個体が存在することからよく知られている。さらに、「日本」の定義に外地を含めるならば、朝鮮総督府鉄道、南満洲鉄道、満洲国鉄(国線)などの間での車両のやり取りや敗戦に伴う各国軍・鉄道当局への引き継ぎなど、日本から外国に引き渡された車両は膨大な数に上る[注釈 1]。 戦後は散発的な譲渡はあったものの、以上のような大規模な中古車両の国外譲渡はしばらく途絶えていた。1990年代に入ると、ロシア国鉄(サハリン)へキハ58系気動車が、タイ国鉄へキハ58系気動車や12系客車がそれぞれまとまった数譲渡されるなど、再び中古車両の大規模な輸出が行われるようになり、今日までに機関車や気動車、客車、保線車両などが国外へ多数譲渡されている。 電車の譲渡も行われており、大規模なものとしては1995年にアルゼンチンのブエノスアイレス地下鉄へ営団丸ノ内線の500形を譲渡したことを皮切りに、インドネシアへJR東日本205系電車が600両以上譲渡されるなど、譲渡事例も増えている。 通常は譲渡先での運用が終了した後は現地で解体されるが、先述のC56形や、ブエノスアイレス地下鉄に譲渡された営団500形4両のように、日本に里帰りした車両も存在する[1][2]。 以下にマルチプルタイタンパーなどの保線車両を除いた、戦後に輸出・譲渡された車両を国・年度別に示す。 譲渡先
注記小田急電鉄の9000形がアルゼンチンの企業に譲渡され、ロカ線で運用されていると誤解される事が存在するが、9000形の車体デザインと似ている、全くの別物である日本製の電車(M/R.4000)が新車で輸出され、運用されているのであり、車体寸法・軌間や電気機器が全く異なる9000形の譲渡はされていない[16]。
注釈
出典
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