恋路駅(こいじえき[2])は、かつて石川県鳳珠郡能登町恋路に所在した、のと鉄道能登線の駅。
概要
能登半島北東部にあり、近くに恋路海岸があることから命名された[2]。急行「のと恋路号」の停車駅だった。「恋路」というロマンチックな駅名であるため[注釈 1]、営業時には恋路駅行き切符の購入者や来訪者が多かった[2]。
駅名の縁起のよさから恋路駅行き記念切符の需要があったが、当駅は無人駅のため隣の松波駅で発行されていた[3]。現在は当駅跡地を保有・整備している宗玄酒造(後述)で入手できるほか[4]、穴水駅までの七尾線までの運行を続けているのと鉄道でも恋路駅行き切符を封入したキーホルダーを販売している[5][6]。
歴史
駅構内
単式ホーム1面1線を有する地上駅。無人駅であり、ホーム上に待合所があるのみ。ホームは築堤上にあり、地上部とは階段で結ばれていた。
廃止後
能登町東隣の珠洲市に本社を置く宗玄酒造が2009年、恋路駅跡から北側のトンネル(宗玄隧道、約130メートル)までの約500メートルを含む一帯の土地を買い取った[2]。2011年の東日本大震災を受けて、宗玄酒造は、海抜約10メートルの高さにある宗玄トンネルを、津波に備えた日本酒の製品保護と熟成のため「隧道蔵」として使うことにした[2][8][9]。
旧恋路駅への観光客が多いことから、かつて鉄道が走っていた証しを残すことも兼ねて[2]、同社は宗玄トンネルと旧恋路駅間の約300メートルに線路を再敷設して、2013年4月1日から「奥のとトロッコ鉄道」(のトロ)を走らせている[9][10][11]。また、この「のトロ」は開設した2013年度のグッドデザイン賞を受賞している[12]。
「隧道蔵」は、2024年1月1日の能登半島地震で入口が土砂崩れのため塞がれる被害に見舞われた[13]。
駅周辺
隣の駅
- のと鉄道
- 能登線
- 松波駅 - 恋路駅 - 鵜島駅
脚注
注釈
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
恋路駅に関連するカテゴリがあります。
- 日本の鉄道駅一覧
- 廃駅
- 愛冠駅
- 村下孝蔵 - 発表した楽曲の中に『恋路海岸』という曲が在り、歌詞中に恋路駅のことを唄っていると思われる箇所が在る。また、曲が収録されているアルバムにも、列車が来るのを待つ少女が駅舎の無い、待合室のみの駅ホームに佇む村上保の切り絵が載っている。
外部リンク