平成ネット史(仮)
『平成ネット史(仮)』(へいせいネットし かっこかり)は、NHK Eテレにて2019年1月2日・3日に放送された特別番組。及び、それを皮切りとして展開されたシリーズ番組・イベント。 概要Windows 95の発売を起点として現代に至るまでの日本のインターネットの歴史を振り返る[2]。番組名は堅いイメージを避けるため「(仮)」を付ける形とし、「(仮)」には終わっていない平成時代の確定しない歴史として後世の人間が決めるべきという「あくまで(仮)である」という意味や年代の違いなどで視聴者それぞれにネット史が存在するという意味が込められている[3]。このほか「平成\(^o^)/ネット史」「僕らのインターネット史」の題名案も存在した[4]。 本番組の企画は2015年頃から立ち上がっており当初は提案が通らなかったものの、その後平成時代の終了に合わせ平成とインターネットがリンクしている部分があるという理由から平成最後の年である2019年の放送になった[4]。エンターテインメント性を出すために利用者目線で構成され、スマートフォンの登場を境として前後編に分け前編はパソコンや日本独自のネットカルチャー、後編はスマートフォンやSNSの登場による変化やインターネットが作り出す未来を語り合う[2][3]。スタジオにはiBook G3、フロッピーディスク、F5ボタンなどインターネットの歴史や平成時代を象徴するモチーフが多く取りそろえられた[5]。 番組構成は40代のチーフプロデューサーと広末涼子と同世代のディレクターらスタッフをモデルとした架空の人物を番組の軸に据え[4]、当初は教科書をつくる発想で番組側の選んだテーマを取り上げるものとしていたが、関係者の取材の過程で疑問を投げかけられる事が多くそれぞれのインターネットの想いの強さを感じたために視聴者の思い出を積み重ねる形とし、2018年9月より番組ウェブサイト上でのアンケートや番組Twitter・ハッシュタグ「#平成ネット史」を用いネットユーザーからの声や取り上げてほしい題材を募集した。寄せられたメッセージは関係者への取材などに反映されスタッフと視聴者の間のズレを修正する一助となった[1][3][6][7]。 視聴率は前編が1.0%、後編が0.2%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)と高くはなかったもののTwitter等のSNSではトレンド1位を獲得した[7]。炎上しやすいテーマではあったものの炎上はほとんど見受けられず、千代木太郎チーフプロデューサーは9月のTwitter開設から11月の収録まで番組のコミュニティを作る形で進めたことを成功の要因として挙げ、1つのテーマを延々と取り上げず提示にとどめる作りを意識し矢継ぎ早に紹介されるテーマに反応しているだけで時間が過ぎてしまった事が炎上を回避した要因と分析した[7]。 2022年には、本番組のスタッフにより最新のインターネット関連のトレンドを解説する特別番組「令和ネット論」シリーズが開始されている。 放送時間
出演者
VTR出演
取り上げられた主な項目キーワード
年表項目
ラジオで平成ネット史(仮)
テレビ、イベントの反響の大きさから、続編の企画が持ち上がり、まずはイベントやTwitter上での「私も自分の平成ネット史を語りたい」という声に応えようと、媒体をNHKラジオ第1に移して『ラジオで平成ネット史(仮)』が放送されることとなった。 テレビと同じく2部に分けて、2019年3月21日の21時5分から21時55分、22時10分から23時に生放送を実施。ラジオ版のパーソナリティーは民放であるニッポン放送アナウンサーの吉田尚記。小学生時代からPCに親しみ、Twitterに関する著書やアプリ開発の経験もあるなど、ラジオ界有数のネットオタクであること、またNHK・民放連共同ラジオキャンペーン「#このラジオがヤバい」の展開中であることからの起用となった。 なお、放送後には吉田が通常担当しているニッポン放送『ミュ〜コミ+プラス』でも、出演者である緒方恵美をゲストに本番組の延長戦として、引き続き平成のインターネット文化に関するトークを展開した[8]。 出演者(ラジオ)
平成ネット史(仮)展番組終了後の2019年1月11日から14日にかけて渋谷ヒカリエ9階ヒカリエホールAホワイエにて「平成ネット史(仮)展」[1]、4月27日から30日にかけてNHK大阪放送局アトリウムにて「平成ネット史(仮)展@大阪」を開催[9][10][11]。 イベントは主に顔認証を活用したネット史にまつわる体験などを盛り込んだ高さ3m幅20mのパネル「あなただけのインタラクティブ年表」・番組セット一式・4Kモニターを用いたアンケートマシン[5]、番組セットを用いてのトークイベントで構成された[1]。渋谷での開催では番組側の予想の2倍という4日間で8000人を超える視聴者が詰めかけ、「インタラクティブ年表」は最大90分待ちの行列ができた[7]。また来場者の多くが20 - 40代で、会場に設けられた落書きコーナーには、「私のインターネット史」を綴った熱いメッセージで埋め尽くされた[7]。 ステージイベント
書籍本番組やイベントの内容、未放送の取材成果をまとめた書籍が、放送から2年後の2021年に発売された。
出典・脚注
関連項目
外部リンク
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