ファンクションキー (英 : Function key 、Fキー)は、コンピュータ や端末 用のキーボード のキーの一部である。プログラマブル・ファンクションキー (PFキー、英 : Programmable function key )、ディファイナブル・ファンクションキー (definable function key)とも呼ぶ。
概要
ファンクションキーには個別に決まったコンピューターの機能、動作を割り振ることが可能な汎用キーである。通常は初期設定があり、特定の機能があらかじめ割り当てられている。また、アプリケーション毎に固有の機能を割り当てることも多くキーそのものが直接機能と結びついているわけではない。
IBM 3270 やDEC VT100 のようなビデオ表示端末 (VDT) のファンクションキーは、エスケープ文字 から始まる短い特定の文字列(エスケープシーケンス )を生成し、これがホストコンピュータ によって解釈される。また、端末動作に意味のある特定の制御文字を生成することもある。
今日のコンピューターキーボードでは、ファンクションキーは、固定された単一のスキャンコード を生成する。そして、キーボードのデバイスドライバ やOS を経由してアプリケーションに送られ、解釈される。
ファンクションキーにはキートップか、キーのそばにデフォルトの動作やその短縮名、またはより一般的な「F-番号 」( F1 - F12 など)が刻印されている。
例
ファンクションキーは多様なコンピューターキーボードに搭載されている。初期のパーソナルコンピュータ の多くは、ファンクションキーは無いか、5個や10個が多い。12個のものが増えたのは、101キーボード 以降である[ 1] 。
101キーボード (IBM PC/AT 後期、現在のPC/AT互換機 の大半)
ファンクションキーはF1 - F12 が4個ずつグループ化されてキーボードの一番上に置かれている。なおオリジナルのIBM PC 、PC/XT、PC/AT前期までのキーボードは、F1 - F10 までの10個のファンクションキーを持っていて、キーボードの左側に2個ずつ (F1|F2、F3|F4、F5|F6、F7|F8、F9|F10) 、縦に5段に並べられていた。
Mac
ファンクションキーはモデルによってさまざまで、F1 - F12、F1 - F15、F1 - F16 などがキーボード上方に置かれている。過去にはファンクションキーがないモデルもあった。近年のキーボードではファンクションキーは音量調節やDashboard 呼び出しなど機能キーの役割を兼ねている。
Apple Macintosh PowerBook
ファンクションキーはF1 - F12 で、F1 - F7 までにはあらかじめ機能が割り振られている。
NEC PC-9801 /9821
当初はf・1 - f・10 。後にvf・1 - vf・5 が追加された。N88-BASIC などでは各キーに命令文が登録されている。
Commodore Amiga
10個のファンクションキーが5個ずつグループ化されてキーボード上方に置かれている。
IBM 3270
IBMのメインフレーム 用の3270型端末では、初期モデルではキーボードの右側に12個のPFキー (Programmable function key) が3個×4グループにまとめて置かれていた。後期モデルではキーボードの上方に2段に分けて24個のPFキー が置かれていた。また、この端末には2個のPA (Program Access) キー、Attn (Attention) キー、SysRq (Syetem Request、システムリクエスト ) キー、ScrLk(Scroll Lock、スクロールロック )キー などが備えられ、それぞれ固有の端末動作が割り振られていた。なお、現在の101キーボードのキーボードレイアウトの直接の祖先はこのIBMメインフレーム用の端末のキーボードであり、PAキー やAttnキー 等は無くなっているが、12個のファンクションキーや、SysRqキー、ScrLkキー などは継承されている。
シャープ MZ-700 /1500
カタログ上では、ディファイナブル・ファンクションキーと記載されている。
F1 - F5 までの青いキーがキーボード左側の一番上に水平に並べられている。このファンクションキーは通常のキーとサイズが異なり、横が倍で縦は半分だった。ファンクションキーの上方にはラベルを張るためのカバーとくぼみが用意されている。
クリーンコンピュータであるため、ロードしたシステムによってその機能、割り当ては変化する。BASIC等では、利用頻度の高いコマンドなどが初期設定では定義されており、ユーザが任意に変更可能になっている。
上位シリーズでのファンクションキーは10個であり、キーの横サイズが半分程度になっている。
MSX
F1 - F5 としてキーボードの最上列に並べられている。キーの大きさは機種によって様々であるが、概ね普通の文字キー2つ分くらいの大きさである。SHIFTキー と併用することでF6 - F10 として作用できる。MSX-BASICでの利用を考慮し、goto cload runといった利用頻度の高いコマンドが初期登録されている。
プログラム実行の結果、画面の文字色と背景色が同じになって文字が見えなくなる場合の回避方法としてF6 には color 15,4,7[return]が登録されている。これを押すことで、即座にMSX-BASICが立ち上がった時の配色に復帰できる。MSX-BASICではkeyコマンドで各ファンクションキーの内容を自由に再定義できる。MSX-DOS 環境では、MS-DOS のテンプレート操作に準じた機能が割り当てられている。
ノートパソコンのFnキー
ノートパソコン の多くには修飾キー の一種であるFnキー がある。OS からは認識されず、キーボードから省かれたキーの代用としたり(例えばFn+左矢印でHomeキー 、Fn+右矢印でEndキー の役割など)、F1 - F12キーなどと組み合わせてハードウェア制御機能(液晶ディスプレイの明るさ調節、スリープなど)を行う。キーの組み合わせや機能はメーカー・機種によってまちまちである。
参照
^ PFU キーボードコレクション
関連項目
Windowsの日本語109/106キーボード
注 : 図は109キーボード のもの。106の場合は「Win」記載のWindowsキー 2つと、「Appl.」記載のアプリケーションキー が無い。なお各キートップの印字は、Windowsキーは「田」に似た形のWindowsロゴマーク、アプリケーションキーは「≣」(4つの横線)に似た形のコンテキストメニュー のマークが多く使用されている。