帯広の森
帯広の森(おびひろのもり)は、北海道帯広市・河西郡芽室町にある公園。「生物多様性保全上重要な里地里山」(重要里地里山)[2]、平成5年度「都市景観100選」[3]に選定されている。 概要市街地を囲む森を市民の手で創ろうと、1975年(昭和50年)に計画を策定[4]。都市の発展による郊外への無秩序な延伸(スプロール現象)を防ぎ、都市部と農村部を区分して双方の交流の場としての役割や、公害の抑制、災害防止、生物生息の環境保全などの機能があり、十勝川と札内川を結ぶことによって市街地を包み込むグリーンベルトになっている。公園全体を8ブロックに区分してそれぞれ整備の方向性を示しており[5]、100年計画で森づくりを進めている。現在も帯広市や市民団体などにより植樹や育樹活動を続けている。 沿革1959年(昭和34年)策定の「帯広市総合計画」の中で「近代的田園都市」を提唱し、都市計画の用途地域周辺部に緑地帯を指定するとともに、帯広川河畔の風致地区を存置することを図った。1969年(昭和44年)、当時の帯広市長であった吉村博がオーストリアを訪問した際、ウィーンの森に感銘を受けて構想が具体化。1970年(昭和45年)に「帯広市第2期総合計画策定審議会」を発足し、明治時代からの街の繁栄と引き換えに失われた開拓前の森を再現し、市民に安らぎと潤いを与えて人間社会と自然環境の調和を図るという考えの「帯広の森」構想が発表され、1971年(昭和46年)4月の「第2期帯広市総合計画」において施策が決まった[6]。 年表
ブロックブロック1 ふるさとの森(森林区)ブロック2 自然学校の森(苗圃区)
ブロック3 記念の森(記念植林区)ブロック4 スポーツの森(運動施設区)
ブロック5 創造の森(森林区)
ブロック6 レクリエーションの森(森林区)
ブロック7 ふるさとの森(森林区)
ブロック8 ふるさとの森(森林区)
森づくりガイドライン市民協働による森づくりを推進し、人と自然が共存する森を良好に管理していくため「帯広の森 森づくりガイドライン」を策定し、2015年(平成27年)4月1日から施行した。これは、森の現状を踏まえて区分した森林タイプごとに管理の指針を示すことにより、森の育成管理方法の確立や適正な育成方法を実施し、市民協働の森づくりへの理解向上を促すために策定した[19]。また、100年の森づくりを4つの森のステージに区分しており、これらの森のタイプやステージ区分は「帯広の森利活用計画」を踏襲している[19]。 3つの森林タイプ
4つの森のステージ
市民参加の森づくり帯広の森ファンクラブ帯広の森の拠点施設である帯広の森・はぐくーむでは、森の作業や行事などのために個人ボランティアを募集している[21][22]。 市民団体帯広市の「市民団体による帯広の森づくり活動の促進及び支援に関する要綱」により、年間を通じて森づくり活動に取り組む市民団体が複数ある[23]。森づくり活動とは、植樹または育樹などを目的とした活動(苗木の育成、間伐、草刈など)や、それらの活動に伴って発生した木材など活用(腐葉土、ほだ木、散策路、ベンチづくりなど)を目的とした活動を指している[23]。 森の少年隊自然の大切さを楽しく学び、健全な身体と人格を形成することを目的に帯広市が1977年(昭和52年)に創設[24][25]。市内の小学校5、6年生で構成されている[24]。帯広の森以外でも河川緑化活動、自然学習、共同生活体験などを展開しており、毎年2〜3月に新規隊員の募集を行い、市が支援している[24]。 帯広の森づくり協議会帯広の森で森づくり活動を行う市民、森づくりへの関与が深い市民、帯広の森に関する業務を受託している事業者と帯広市で構成[26]。今後の森づくりの方向性などについて検討、意見交換、連絡調整などを行っている[26]。 脚注
参考資料
外部リンク |
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