帝塚山中学校・高等学校
帝塚山中学校・高等学校(てづかやまちゅうがっこう・こうとうがっこう 英: Tezukayama Junior & Senior High School)は、奈良県奈良市学園南3丁目に所在し、中高一貫教育を実施する併設型の私立中学校・高等学校。 概要高等学校においては、中学校から入学した内部進学の生徒と、高等学校から入学した外部進学の生徒とを第1学年から混合してクラスを編成する、併設型中高一貫教育校(内外混合クラス)。 「男女併学」制度と呼称する男女別学を採用しており、授業は男女別のクラス、課外活動や全校行事などは合同で行う[3] [注釈 1]。但し、高校の男女英数コースでは、一部男女合併で行う授業もある[3]。ここでも食堂も設置しており、昼休みの食堂での昼食は男女一緒。2027年(令和9年)度より、帝塚山高等学校は男女共学化することが理事会で決定された為、当該年度の高校1年生より順次共学化される(予定)[4]。 2004年(平成16年)から2006年まで、文部科学省よりスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール (SELHi) の指定を受け、英語教育を重視したカリキュラムの研究開発を実施した。 帝塚山中学校・高等学校は、学校法人帝塚山学園が所有する学園前キャンパス・東生駒キャンパスのうち、学園前キャンパスに所在する。 建学の精神帝塚山学院建学の精神と比較すると、『「力の教育」、すなわち意志の力、情の力、知の力、躯幹の力を含む全人教育を以って』の部分が明示されていないが[6]、教育の特色として、帝塚山伝統の「力の教育」は継承されている[7]。 教育方針帝塚山教育「帝塚山教育」として、下記の7項目を教育方針として掲げる[8]。
教育の根本理念
沿革略歴1941年(昭和16年)4月、帝塚山中学校(旧制)は財団法人帝塚山学園により設置され、奈良県生駒郡伏見村(現在の奈良市学園南)にて開校した[10]。 当時高等女学校等を運営していた大阪市住吉区の帝塚山学院は、紀元2600年記念事業及び学院創立25年記念事業として、七年制高等学校の設置を始めとする大学までの一大総合学園創設と、学園を中心とした文化都市建設を計画[11]。当初の構想では、旧制中学校・高等学校課程が一貫した七年制高等学校の設置であったが、制度上の制約から旧制中学校の開設となる。入学生は171人[10]。 開校当初はあやめ池遊園地内の航空博物館を仮校舎としたが、翌1942年には現在の場所に本校舎が竣工した。 戦後の学制改革により、1947年に男女共学の新制帝塚山中学校、翌1948年に新制帝塚山高等学校を開設[10]。その後、2歳児教育施設から大学までを備えた総合学園に発展した。 年表
基礎データ所在地
アクセス
象徴校章
校歌1951年、森礒吉作詞、川澄健一作曲の校歌「帝塚山学園の歌」を発表[11]。 校歌の他に祝歌や応援歌などもある。 制服スクールカラー設置する課程、学科、コース及び定員帝塚山中学校入学定員は320名で、収容定員は960名である[13]。 帝塚山高等学校全日制課程の普通科 が設置され、入学定員は450名で、収容定員は1,350名である[13]。 コース・クラス全日制課程普通科並びに中学校にはコース制が導入されており、以下の共通のコース・クラスが設置されている[13]。
男子英数コース・スーパー理系選抜クラスは東京大学・京都大学や国立大医学部医学科への現役合格を目指す1クラス25名の少人数制であったが、現在は入学時点で40数名のクラスである。成績が基準を満たせば男子英数コース・英数クラスからスーパー理系選抜クラスへの変更は可能。 英数コース・英数クラスは、男子・女子共に東京大学・京都大学・大阪大学・神戸大学や国公立大医学部医学科への現役合格を目指すクラスであり、女子は英数コースに加え特進コースが設けられ、それぞれ異なるカリキュラムが組まれている。男女共、6年間で3回〜5回、各クラス・コース間の変更の機会がある。 2010年度より、中学校女子の特進コースと文理コースは、それぞれ特進IIコースと特進Iコースに改編され、男女全てのコースから国公立大を目指せるカリキュラムが組まれた。各コース共100名前後の生徒数で、女子の方が若干多く、男子3〜4クラス・女子6〜7クラスが各学年の平均値であった。 生徒募集中学の募集人員は、帝塚山小学校からの内部進学者を含め300人で[14]、高校の募集人員は併設の帝塚山中学校からの内部進学者を含め340人である。外部中学校からの募集人員約60人は[15]、募集人員全体の5分の1を下回り[注釈 3]、生徒の大多数は帝塚山中学校からの内部進学である。 中学・高校共に、転学および編入学の募集・受け入れは実施されていない[14][15]。
入学者選抜中学への入学志願者に対し、入学試験(学力検査のみ)を実施し選抜する。応募資格は小学校を卒業見込みの者[14]で、帰国生徒向けの入学試験は設定されていない[15]。 高校への入学志願者に対しては、入学試験(学力検査と個人報告書)を実施し選抜する。応募資格は中学校を卒業見込みの者、または中学校を卒業した者[15]で、帰国生徒向けの入学試験は設定されていない[15]。 中学入試・高校入試共に、複数のコース・クラスを志願する受験区分で出願し、第1志望(もしくは第2志望)で不合格となった場合、回し判定を行う[16][17]。男女とも複数回の受験が可能である。 中学入試には専願と併願があり、専願は併願より合格最低点が低く設定されるが、専願と併願における合格最低点の差は年度により変動する。 大半の生徒が中学から入学するが、その内一部は帝塚山小学校から内部進学した生徒である。小学校からの内部進学に際しては、実質的に専願で、別途試験を受験する必要がある。 2017年度からWeb出願が可能となった。 特別活動ホームルーム活動ロング・ホームルーム(LHR)が実施されており、将来のキャリアを見据えた講演会等が実施されている[18]。また、中学2年生女子の学年旅行では、現地研修として実施する前に、平和・防災・環境・SDGsなど、ホームルームで探究活動に取り組む[3]。 生徒会活動高校生徒会生徒会執行部は、生徒会長1名、副会長2名、役員5名の計8名に加え、総務委員長・総務副委員長、学園祭実行委員長などが共に活動する。生徒会役員は、毎年6月に行われる選挙において選ばれる。全国高校生徒会大会に所属し、代表生徒が参加している[19]。 総務委員会は、執行部と各クラスの連携を図り、生徒の意見を生かすべく、昼休みや放課後に開催される。また、生徒会の活動内容の紹介や連絡等を行うべく、定期的に生徒会新聞を発行する[19]。 クラブ委員会は、クラブの各部長を集め、クラブ予算の調整も行う[19]。 毎年4月に行われる学園祭では、生徒会が中心に、テーマの決定や飾りつけ、催し物に加え、業者との打ち合わせも含めた全ての企画・運営を行い、また、バザーの実施やゴミの分別を通して、ゴミの削減とリサイクル活動を行う[19]。 毎年10月に行われる高校スポーツ大会では、高校生徒会が中心となって準備し、生徒会企画競技を行う[20]。 中学生徒会生徒会執行部は、会長1名、副会長が男女各1名、男子役員2名、女子役員5名、合計10名で構成され、前期生徒会執行部の任期は1月1日から6月30日、後期の任期は7月1日から12月31日である[21]。 生徒会執行部は、生徒から出た意見をまとめ、問題点に対し解決策を考えたり、生徒会行事の企画や運営を考える。昼休みや放課後に集まり、協議しながら活動する[21]。 10月下旬の2日間行われるスポーツ大会では、中学生徒会が企画・運営を行う[22]。 学校行事
国際理解教育ハワイサイエンスキャンプ中学3年生男子の希望者を対象に、春季休暇中アメリカ・ハワイ州において、ホームステイや学校交流、地質学などを学ぶサイエンスキャンプ。 ハワイ島でのハワイ大学海洋研究所での海洋学やキラウエア火山での地質学などの学習や、オアフ島でのホームステイや真珠湾での戦艦ミズーリ・真珠湾航空博物館などの見学、ミリラニ中学との交流やSTEMNightの参加など英語で様々なことを学ぶサイエンスキャンプを実施する[23]。 2010年3月に中学3年生男子スーパー理系選抜クラスの生徒を中心とした30名がオーストラリア・アデレードで12日間イマニュエル・カレッジの生徒達とサイエンスキャンプを実施[24]して以来、継続しているプログラム。2017年度より行き先をハワイに変更したが[25]、2019年度から2022年度までは新型コロナ感染症の拡大等により中止。 サンディエゴSTEAMプログラム中学3年生女子の希望者を対象として、春季休暇中アメリカ・サンディエゴにおいて、カリフォルニア州立大学サンマルコス校訪問やその他の学校交流をしながら、Science, Technology, Engineering, Art, and Mathematics(STEAM)の教育プログラムに基づいた内容を学習する[23]。 2015年3月に、中学3年生女子スーパー選抜クラスを中心に、シンガポールを拠点とした研修旅行を実施[26]して以来、2018年度まで継続したアジアスタディツアーが前身である。2019年度から行き先をハワイに変更することに決定されたが[27]、2022年度までは新型コロナ感染症の拡大等により中止となった。 グローバルアカデミックプログラム髙校2年生男女の希望者を対象に、アメリカ・ボストン近郊の大学寮に滞在し、マサチューセッツ工科大学やハーバード大学等の学生とグローバルリーダー養成のためのハイレベルなディスカッションを行う海外英語研修。2017年、開発した教育プログラムをグローバルリーダー育成の為の独自の取組みとして実施すべく、グローバルキャリア推進委員会を設置し、本プログラムの実施を開始した[25]。 エンパワーメントプログラム高校1年生男女の希望者を対象として、夏季休暇の期間、本校を会場にハーバード大学、カリフォルニア大学などの大学院生と5日間、英語漬けで議論やプレゼンテーションを行う探求型学習プログラム。2017年、グローバルキャリア推進委員会により、本プログラムの実施を開始した[25][28]。 シアトル海外研修中学3年生男女の希望者を対象に、夏季休暇中の14日間、アメリカワシントン州シアトル近郊でのキャンプとホームステイを体験し、ベルビュー・カレッジでの特別授業受講プログラムによる語学研修を実施[23]。 本プログラムは2024年、50周年を迎えた。 国際交流プログラム音楽やスポーツ、アクティビティ等で交流を図る。生徒がそれぞれ相手の現地でホームステイをし、お互いの国を訪問しあう相互交流を通じて国際的な素養を養う[23]。 クラブ活動クラブ活動と呼ばれる、生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動[29]については、帝塚山中学校高等学校部活動の方針に準拠して、週当たり2日以上の休養日を設けている[30]。 生徒の自主的,自発的な参加とは裏腹に、「力の教育」として強い心とたくましい体(躯体)を鍛えるべく[7]、中学の3年間は全員参加となり[31]、いずれかのクラブに所属するが、実態としては「所属」はするが活動をしない生徒も多い。高校では、参加は任意となる[32]。中高合同かつ男女合同のクラブが多いが、中学校のみ・高校のみのクラブや、男女いずれかのみのクラブもある。 クラブの中では理科部ロボット班をはじめ高実績を残すクラブも多い。 理科部ロボット班はFLL、WROといった大会で幾度も世界大会に出場している。 直近では2023年にデンマーク(WRO)、パナマ(WRO)、2024年にアメリカ(FLL)、イタリア(WRO)に出場している。
体育部中学・高校
中学のみ高校のみ文化部中学・高校
中学のみ
高校のみ
中高関係者と組織中高関係者組織
中高関係者一覧→「帝塚山中学校・高等学校の人物一覧」および「Category:帝塚山中学校・高等学校出身の人物」を参照
対外関係大学との協定姉妹校・兄弟校海外姉妹校脚注注釈
出典
関連項目参考文献帝塚山中学校・高等学校 (2023年). “令和6年度 帝塚山中学校・高等学校 募集要項&Web出願の手引き” (PDF). 帝塚山中学校・高等学校. 2023年11月24日閲覧。 外部リンク |
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