『岡林信康自作自演コンサート 狂い咲き』(おかばやしのぶやすじさくじえんコンサートくるいざき)は、1971年7月28日に日比谷野外音楽堂で開催された「岡林信康 自作自演/30曲 狂い咲きコンサート」の模様を収録した、岡林信康のライブ・アルバム。
解説
友人の黒田征太郎と呑んでいるときに、それまでに発表した自作の楽曲(3枚目のアルバム『岡林信康アルバム第3集 俺ら いちぬけた』発売前)を、作った順番に歌ったら面白いのではないかという話になり、酒の勢いで「よしやる!」と決めた企画[1]。「くそくらえ節」から「私たちの望むものは」まで全32曲を歌う。当時は過去の作品と距離を置いていた時期だったので「友よ」は歌いたくなく、あとで後悔したという[1]。そのためアルバムには収録されている「ランブリングボーイ」「モズが枯れ木で」「お父帰れや」「カム・トゥ・マイ・ベッド・サイド」などのカバー曲は歌われていない。
このコンサートの後の「第三回全日本フォークジャンボリー」を最後に引退を考えていたため[1]、以降は音楽シーンからは姿を消し、山奥での隠遁生活に入る。
コンサートで着ていた衣装の絞り染めは、岡林の妻が手作りしたもの。
1992年の初CD化に際し、「くそくらえ節」の一部と、「ヘライデ」がカットされたが、2008年に紙ジャケット仕様で再発された際に復活した。
収録曲
- ※注記以外、作詞・作曲:岡林信康
- ※「くそくらえ節」〜「ヘライデ」までギター弾き語りで、以降は柳田ヒログループによるバンド演奏となっている。このバンド演奏については、柳田ヒロのピアノが自身よりも出すぎていて、歌を邪魔しているように感じたが、歌いづらいとかやりにくいとかではなかった[1]。
- ※演奏時間の最初はクレジット表記(MC抜きの純粋に演奏時間のみの時間)で、残りはトータルの時間。
Side:1
- くそくらえ節 – (3:13/5:23)
- 補作・鈴木孝雄
- このコンサートに対してのMCが2分少々あり、その中で”「友よ」なんちゅう歌まで歌いますし(笑)お互い恥ずかしい(笑)”とコメントしている。
- 「ある日お偉い宗教家〜」で始まる歌詞を忘れて、最後に行くもまた忘れるが、この辺りは1992年版ではカットされている。
- がいこつの唄 – (3:02/3:53)
- 友よ – (2:34/3:23)
- 歌う前にこの曲を「問題の唄」として強調。客席との間で、「ナンセンス」「異議なし!」というやり取りもある。1973年の「年越しコンサート」でも、この曲を熱望するファンから「問題の唄!」と声がかかったが、以降コンサートで歌われることは少なくなっている。
- 山谷ブルース – (3:26)
- 流れ者 – (5:02)
- チューリップのアップリケ – (3:36)
Side:2
- 手紙 – (3:47/4:09)
- ヘライデ – (2:19/3:08)
- ことば:北山修、高石ともや、岡林信康他、原曲:ハバマ民謡、編曲:北山修
- 皇室をおちょくった歌詞のせいもあり、1992年版ではこの曲はまるごとカットされている。
- この曲以降、バンドメンバーが登場するためその紹介コメントも入っている。
- 今日をこえて – (4:20/4:36)
- それで自由になったのかい – (6:32/7:35)
Side:3
- 自由への長い旅 – (3:22/3:37)
- おまわりさんに捧げる唄 – (5:13/5:26)
- 性と文化の革命 – (5:04/6:51)
- 私たちの望むものは – (6:37/6:51)
- 愛する人へ – (4:51)
Side:4
- 君を待っている – (4:28/4:55)
- コペルニクス的転回のすすめ – (3:06/3:32)
- 絶望的前衛 – (2:00/4:17)
- 演奏後に、バンドメンバーの紹介があり、ドラムの戸叶京介を体型から「ニックネームはサンダー杉山」と紹介している。
- いくいくお花ちゃん – (3:47/4:03)
- 堕ちた鳥のバラード – (3:15/3:37)
- だからここに来た – (4:41)
Side:5
- ゆきどまりのどっちらけ(1970年12月 (1970-12)) – (4:38/5:12)
- 俺らいちぬけた – (3:48/4:13)
- 仲のいい二人 – (4:39/5:19)
- 偉いもんだよ人間は – (3:03/3:12)
- 毛のないエテ公 – (3:05/4:25)
- つばめ – (4:40/4:48)
Side:6
- 家は出たけれど – (4:54/5:35)
- 本来は「ゆきどまりのどっちらけ」の前に歌うはずを飛ばしてしまった旨の話をする。
- 人間の条件 – (4:49/5:07)
- 申し訳ないが気分がいい – (4:17/6:02)
- この曲で一旦終わるが、アンコールで再登場と、「舞台には上がらないで」というアナウンスが流れる。
- 今日をこえて – (4:12/4:52)
- 私たちの望むものは – (5:57/6:23)
参加ミュージシャン
- 柳田ヒログループ
レコード制作スタッフ
発売履歴
発売日 |
レーベル |
規格 |
規格品番 |
備考
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1971年11月20日 |
URCレコード |
LP |
URL-1019~21 |
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1976年 |
URCレコード |
LP |
UX-4001~03 |
|
1992年12月2日 |
東芝EMI |
CD |
TOCT-6874 |
「ヘライデ」未収録。
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2008年10月24日 |
FUJI |
CD(紙ジャケ) |
FJ-1008~10 |
2008年デジタルリマスター盤、「ヘライデ」収録の完全版。
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2013年3月20日 |
FUJI |
CD |
ONL-1008~10 |
デビュー45周年記念として再発。内容は2008年版と同じ。
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岡林信康オンステージ 日比谷大音楽堂”狂い咲きコンサート・ライブ”
解説
1972年3月にビクターレコードから規格品番:SF-1017で、URCレコード版より12曲をピックアップした形で発売。1975年11月に同じビクターレコードから規格品番:SF-10012で再発されている。
収録曲
Side:A
- 山谷ブルース
- 流れ者
- チューリップのアップリケ
- 君を待っている
- コペルニクス的転回のすすめ
- 絶望的前衛
Side:B
- ゆきどまりのどっちらけ
- 俺らいちぬけた
- 仲のいい二人
- 家は出たけれど
- 申し訳ないが気分がいい
- 私たちの望むものは
脚注
参考文献
外部リンク