『セレナーデ』は、岡林信康が1978年9月25日に日本コロムビアから発売したスタジオ・アルバムとしては最後のアルバム。次作は、古巣のビクターレコードへ移籍する。
解説
前作『ラブソングス』発表後、久しぶりにギター1本で約1年100箇所あまりの村や町を旅した[2]。昔の自分を求める観客との間に微妙なズレを感じつつも、どこの会場も大盛況だった[2]。弾き語りを100箇所も続けていると、他のミュージシャンと一緒にプレイしたくなり、そんな想いが強くなった頃、ニール・セダカやポール・アンカといったアメリカンオールディーズにひかれ、今度はこれらの曲を聴きまくった[2]。子どもたちがファンであったピンク・レディーのレコードをかけてくれとしょっちゅうせがまれた影響もあり、歌謡ポップス・アルバムを作ってやれと捻り出して作ったアルバム[2][3]。
レコーディングに参加したミュージシャンは、彼らに魅力を感じて集まったわけではなく、たまたまスケジュールの関係でこういう顔ぶれが揃った。過去の作品と違って、同録はなく、できたカラオケにヴォーカルの後入れが多く、参加したメンバーとの顔合わせしていない作品も多い[4]。
「このアルバムを出したおかげで、かなり親しく付き合っていた友だちを何人か失った。それほどつまらないアルバムに見えたのでしょう、彼らには・・・」と語るように、日本コロムビアから発売された本作を含む、『うつし絵』と『ラブソングス』の3枚のアルバムとも、いずれも売上は芳しくなかった[3]。
収録曲
全作詞・作曲:岡林信康、全編曲:あかのたちお
Side A
- ベイビー・ワン・モア・チャンス – (3:29)
- メイキャップお嬢さん – (3:07)
- 淋しき街角 – (3:31)
- ミッドナイト・トレイン – (4:45)
- オリビアに – (3:38)
Side B
- 新説SOS – (2:41)
- ピンクレディーの『S・O・S』を書いた阿久悠をパロディにしているため、日本コロムビアのスタッフが事前にお伺いをたてたが、「おもしろい!これは岡林の才能ですよ」と言われた[4]。地方の有線放送でこの曲がベスト10に入り、シングル化の話もあったが、岡林本人が希望せず、知人であった笑福亭鶴光に話を持っていったらカバーすることになったが、全く売れなかった[4]。
- スーパー・トンデル・レディー – (3:32)
- ミッドナイト・トレイン TAKEII – (4:28)
- セクシー・ナイト・フィーバー – (4:50)
- セレナーデ – (4:28)
レコーディング・メンバー
ミュージシャン
発売履歴
発売日 |
レーベル |
規格 |
規格品番 |
備考
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1978年9月25日 (1978-09-25) |
日本コロムビア |
LP |
LX-7050 |
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2008年12月17日 (2008-12-17) |
日本コロムビア |
CD |
COCP-35314 |
初CD化。“昭和アーカイブス・紙ジャケこれくしょん”。2008年 (2008)デジタルリマスター盤、紙ジャケット仕様。
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2012年10月24日 (2012-10-24) |
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配信 |
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脚注
- ^ 「オリコンチャートブック〈LP編(昭和45年‐平成1年)〉」ORICON BOOKS、1990年5月1日、101ページ。
- ^ a b c d 『伝説 信康』岡林信康、小学館、1991年7月、ISBN-10: 4093633819、ISBN-13: 978-4093633819、125-131頁。
- ^ a b 『村日記』岡林信康著、講談社、1982年、236-237頁。
- ^ a b c 『岡林、信康を語る』岡林信康、disk union、2011年7月13日、ISBN13:OKBOOK1、ISBN10:OKBOOK1、126-131頁。
関連項目
外部リンク
- 日本コロムビア
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- その他
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