奥新川駅
奥新川駅(おくにっかわえき)は、宮城県仙台市青葉区新川字岳山(だけやま)にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)仙山線の駅である[2]。鉄道駅としては、宮城県内で最も西に位置する。 歴史江戸時代に開山したと言われる銅鉱山の新川鉱山が[3]、大正初期に秋保鉱山として開発され[3]、近接する当地には小学校・病院・飲食店も備えた、戸数200戸、人口600人の新川集落が形成された[4]。 1936年(昭和11年)に仙台営林署が生産事業所を設け、木材輸送のために当駅付近を起点とする新川森林鉄道を開通させた[5]。翌1937年(昭和12年)に、仙台から延伸して来た仙山東線と、山形から延伸して来た仙山西線が接続され、仙山線として全通した。この際に開通した区間の宮城県側最西端の駅として、当駅は開設された。仙山線建設中は千数百人の工事作業員が働いていたため、当地は工事集落として賑わったものの、鉄道開通とともに作業員は減少した[4]。 1960年(昭和35年)に新川森林鉄道が廃止され[5]、1961年(昭和36年)には秋保鉱山が閉山した[3]。これらの影響で、1960年代末には、おもに国鉄職員が住む、人口約300人の鉄道関係者の集落に変化した[6]。 一方で、1960年代初頭にはハイキングコースの「新川ライン」および「奥新川ライン」を国鉄が整備して観光地化が進められ、ハイキング・芋煮会[7]・紅葉狩りなどでの駅利用者が増えた[4]。しかし、駅周辺人口は減少し続け、1985年(昭和60年)に当駅は無人駅化された。 2017年(平成29年)時点における奥新川地区の住民は、3世帯3人であった[新聞 1]。 駅から徒歩1分の場所にあり、年間1,000人ほどが利用していた市営の奥新川キャンプ場(営業期間:4 - 11月[8])は、老朽化を理由に2016年(平成28年)11月に営業を終了した[新聞 1]。また「新川ライン」および「奥新川ライン」も安全上の理由により、「奥新川ライン」の南沢A橋手前までを除いて2020年(令和2年)12月に廃止されている[9]。 年表
駅構造相対式ホーム2面2線を有する地上駅である[2]。互いのホームは、羽前千歳方の構内踏切で連絡している。 仙台地区センター管理の無人駅で[2]、乗車駅証明書発行機が設置されている。JRの特定都区市内制度における「仙台市内」に含まれる。 のりば
利用状況1957年度(昭和32年度)- 2007年度(平成19年度)の1日平均乗車人員および貨物輸送の推移は以下のとおりであった。駅開業のころから1950年代末まで、仙台営林署が木材を伐採して送り出した。なお、冬季の利用者は、ほぼ0に近い。
駅周辺駅は奥羽山脈の山間に位置し、新川川に面する。駅周辺に集落はない。上記の通り、奥新川キャンプ場は封鎖され、ハイキングコースの奥新川・新川ラインは一部を除き廃止されている。 冬は積雪のため付近の道路の通行が困難なので、駅周辺を担当する郵便配達員(現在は愛子郵便局。2007年〈平成19年〉までは作並郵便局)は鉄道を利用して郵便物の集配を行っている。 Suica運賃計算の特例当駅はSuicaの利用はできないが、山寺駅もしくはかみのやま温泉駅 - 村山駅・寒河江駅間の各駅からSuica改札機で入場し、仙台市内発の乗車券類と併用して仙台駅の新幹線乗換改札口の自動改札機を通過する場合のみ、前述の発駅から当駅までのIC運賃が自動的に差し引かれる。 隣の駅脚注注釈出典
報道発表資料
新聞記事参考文献
関連項目
外部リンク
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