同着(どうちゃく)とは、競馬において2つ以上の馬が同じ着順でゴールする事である。
歴史
ヒートレースの時代は複数の馬による1着同着は無勝負とみなされていた。デッドヒート(Dead heat)の語源はこの事による。
その後、一回勝負が主流の時代になると、1着同着の場合は、同着だった馬同士で、優勝決定戦が行われた。ヴォルティジュールや、キンチェムは1着同着の優勝決定戦を経験している。
現代は写真判定を用いて、接戦であっても正確に順位を判定できるが、同着の例は存在している。そのほとんどは2頭同着であるが、3頭以上の同着の例も存在している。1着が同着となった場合、同時に入線した全馬が勝利したものとみなされる。
同着の例
日本
重賞競走における1着同着
その他
2頭が同着となったのみではないもの(3頭以上が同着に関わるものなど)に限って示す。
- 1880年6月9日 横浜競馬 1着が3頭同着[5]
- 1920年10月30日 横浜競馬 1着が3頭同着[5]
- 1951年11月17日 大井競馬 1着が3頭同着[5]
- 1955年2月12日 中京競馬 1回7日目9R 3着が3頭同着[6]
- 1971年11月27日 笠松競馬 11Rサラ系B1・2選抜 1着が3頭同着(キヤプテンホース・ツネホウ・リガーホープ)[5]
- 1973年1月13日 福山競馬 条件戦 2着が3頭同着[7][5]
- 1981年10月3日 東京競馬4回1日目第4競走にて、1着(カムイラナークとセリナトウショウ)と5着(サクラフルサトとハーバーエリート)が同時に同着
- 1983年3月2日 紀三井寺競馬 2着が3頭同着[5]
- 1988年6月14日 帯広競馬(ばんえい[注 2]) 4・5歳[注 3]条件戦 1着が2頭同着、3着も2頭同着[8]
- 1991年3月21日 姫路競馬 2着が3頭同着[5]
- 1992年3月14日 中京競馬 1回3日目4R 5着が3頭同着[9]
- 1997年12月20日 中山競馬 5回7日目7R 2頭が1着同着となったが、このレースは2022年現在JRAでは最後のカンパイ(スタートやり直し)となったレース
- 川崎競馬で行われた2001年11月30日第4競走及び同年12月30日第1競走において、イソエイイーグルとプリンスガーデナーによる2戦連続の1着同着。イソエイイーグルの生涯成績は2戦2勝で全て同着となり、プリンスガーデナーも生涯全ての勝利が1着同着によるものとなった[10][11]
- 2003年9月6日 札幌競馬 1回7日目 サラ系3歳以上500万下 5着が3頭同着[12]
- 2004年7月4日 高崎競馬 普通競走 1着が3頭同着[注 4][13]
- 2006年6月6日 名古屋競馬 第2競走 夫婦である小山信行騎乗馬と宮下瞳騎乗馬が1着同着。[14]
- 2012年10月20日 京都競馬 4回6日目 室町ステークス 3着(ファリダットとダンジブルアセットとワールドワイド)が3頭同着[注 5][15]
- 2012年12月13日 園田競馬 ゴールデンジョッキーカップチャンピオンジョッキー賞 3着が3頭同着[16][17]
- 2017年5月20日 新潟競馬 1回7日目8R 8着が3頭同着[6]
- 2020年2月9日 高知競馬 第6・7競走 2戦連続で1着が2頭同着[18][19]
- 2020年11月23日 阪神競馬 5回7日目12R 3着が3頭同着[6]
脚注
注釈
- ^ 1828年の英ダービーも1着同着であったが、優勝決定戦が行われて優勝馬は一頭
- ^ 帯広競馬場では当時はホッカイドウ競馬の開催も存在した。
- ^ 当時の馬齢表記であり、2001年以降の表記における「3・4歳」に相当。
- ^ 21世紀になって1着が3頭以上同着となった例は2015年2月時点でこの例のみ。的中も馬単が6通り(1着同士で的中)など
- ^ 中央競馬で勝馬投票券の対象が3頭同着となった例はこの例が史上初となった。的中の組み合わせもワイドが7通り、複勝が5通りなどとなっている
出典
参考文献
- 『優駿』1988年9月号、日本中央競馬会、1988年9月1日。
- 石川ワタル「【海外ニュース】アイルランド・オークスは1着同着!!」
関連項目