上熊本駅
上熊本駅(かみくまもとえき)は、熊本県熊本市西区上熊本二丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)・熊本電気鉄道(熊本電鉄)の駅である。 本項では、駅前にある熊本市交通局(熊本市電)の上熊本停留場についても記述する。 歴史年表
駅名の由来JR上熊本駅は開業時の地名(飽田郡池田村)から「池田駅」と命名された。 池田村は早くから熊本市との合併話が進んでいたため、開業して10年で「熊本市の上部に位置する駅」として「上熊本駅」に改称されたが、池田村を含む飽託郡が熊本市に編入したのは結局1921年(大正10年)になってからだった。 なお、当駅が上熊本駅に改称されてから49年後の1950年(昭和25年)10月、熊本電鉄菊池線上熊本 - 北熊本駅間の開通と同時に中間駅として池田駅が開業している。 乗り入れ路線上熊本駅には、JR九州の鹿児島本線と熊本電鉄の菊池線が乗り入れ、接続駅となっている。菊池線は当駅が起点となっている。 また、熊本市電の上熊本停留場には上熊本線が乗り入れている。運転系統上は■B系統の起点(上熊本線としては終点)となっている。 駅構造JR九州
島式ホーム1面2線を持つ高架駅である。かつては島式ホームに加え駅本屋側に単式ホーム1面1線があり、単式ホームの1番線が下り線、島式ホーム外側の3番線が上り線となっていた。島式ホーム内側の2番線は特急などの待避線として使用されていたが、2006年(平成18年)に廃止された。同年11月には、地下通路と3番線への渡り廊下が使用開始され、エレベーターが2機(駅舎から地下通路へ、通路からホームへ)設置された。その後2007年(平成19年)4月22日より、島式ホームのみとなった。さらに2011年(平成23年)5月24日より、九州新幹線の高架下にホームが移設され、相対式2面2線となった。 連続立体交差事業の完了に伴い、2015年3月14日より高架化された4代目の新駅舎での営業を開始した[5]。水戸岡鋭治がデザインを手掛けており、7両まで対応させたホームの床はウッドデッキとなっている[15]。 2012年(平成24年)12月1日よりSUGOCAが利用可能となっているが、自動改札機の設置は行われず、簡易SUGOCA改札機のみの設置となっている。 のりば
二代目駅舎JR上熊本駅の二代目駅舎は洋風建築の名作と評価が高いが、九州新幹線全線開業に伴う在来線高架化により2005年(平成17年)の解体を前に、地元でも保存運動が起こった。 その後、駅舎の一部を保存し、熊本市電上熊本停留場の駅舎として使用することが決定し、2006年(平成18年)7月1日に移築が完成した。移築のうえ保存されたのはファサードのみであり、屋根を含めた実態は鉄骨構造である。 熊本電鉄
駅舎は簡易構造でJR線と乗場は別に設置されている。単式ホーム1面1線を有する地上駅で、無人駅となっている。駅番号はKD01。 かつては国鉄鹿児島本線と貨物列車の連絡運輸を行っており、ホームと鹿児島本線の間に数本の貨物列車用側線と国鉄連絡線が敷かれていた。貨物取り扱いが廃止され、国鉄連絡線が撤去されるまでは車両の搬入もこの側線を使って行われていた。 また、以前は木造駅舎と待合室があり、貨車入れ換え担当の駅係員が配置された簡易有人駅で、この駅係員が貨車の入れ換えが行われていた日中時間帯のみ貨車入れ換え作業の合間に臨時に改札と出札の業務を行っていたが、1979年に貨物取り扱いが廃止されて以降は完全無人駅になっている。貨物側線は1980年11月までに、国鉄との連絡線も1985年12月に5000形が搬入された後に全て撤去され、跡地はしばらく空き地と駐車場になっていたが、2016年に「えきマチ1丁目 上熊本」が建てられ、また一部は有料駐車場になっている。木造駅舎は老朽化に伴い1985年に取り壊され、現在の簡易駅舎が設置された。また、2016年末に外観の改修工事を行っている。 ICカード読み取り機(入場機のみ)はホームに設置[6]。 のりば
熊本市交通局
停留所番号はB1。頭端式ホーム3面2線を有する。上熊本電車車両基地が隣接している。2002年(平成14年)の改修の際に、日本初となるインファンド工法の軌道が敷設された。 2019年10月1日に停留場名を上熊本駅前停留場から上熊本停留場に改称した[9]。 のりば
過去上熊本線(3系統新町・辛島町経由)は2面1線、坪井線(4系統広町・白川公園前経由)は単式1面1線であった[注釈 1]。 ギャラリー
利用状況
駅周辺駅前は、駅を中心に放射状に道路が延び、駅前に喫茶店などの飲食店が数軒ある。駅を背中に右側はパチンコ店・倉庫・大型マンション・県立体育館を通り市街へ至る道と、市電に沿って進む道の2つがある。左側は、JR線に沿って進み、メガセンタートライアル上熊本店(金剛熊本工場跡地)や、上熊本郵便局、県営団地、崇城大学などがある(なお、崇城大学は博多寄りの崇城大学前駅が最寄り駅である)。 正面台地には住宅街、右手には商店・軽工業工場が並ぶ。駅裏手は熊本製粉の工場に面し、その背後には井芹川、花園地区の住宅街となっている。 駅近くには熊本県立総合体育館がある。駅から熊本城まで歩いて20分ほどで、散策の出発点となっている。また肥後熊本藩52万石藩主の戦国大名・加藤清正の菩提寺でもある本妙寺の参道入口も近くにある。
バス路線駅前ロータリー内に「上熊本駅前」停留所がある。桜町バスターミナルなどの熊本市中心部方面や、熊本駅を経由する環状線などが発着する。路線バスの系統番号と運行路線の経路は以下のとおり。
隣の駅
かつて存在した路線
脚注注釈出典
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