ランボルギーニ・ジャルパ(Lamborghini Jalpa、"ハルパ" )は、ランボルギーニが1981年から1988年まで販売した2座席のミッドシップカーである。
概要
1981年3月のジュネーブ・ショーで発表された。「シルエット」をベースにしており、基本的なメカニズムに大きな変更はない。主任設計者は、元マセラティ社のジュリオ・アルフィエーリ (Giulio Alfieri) [1]。「ジャルパ」の名前は、有名な闘牛に由来する。
日常生活でも使用できるようにドライバビリティーや快適性を提供することを目的に、DOHCのV型8気筒エンジンはボアφ86mmのままストロークを75mmに伸すことによって排気量は3,485ccと拡大された[2]。
スタイリングについては、再び「カロッツェリア・ベルトーネ」が手掛けた。ホイール径は16インチに拡大された、OZ製ディッシュ型[3]。インテリアについては、ステアリングホイールに衝突時の安全を考えたクラッシュパッドがつき、時流に合わせたものとなった[4]。
1988年に生産が終了、総生産台数は410台[5]。ウラッコから始まった「ベビー・ランボルギーニ」の系譜は一旦ここで途切れ、2003年のガヤルド登場までラインナップから姿を消すこととなる。また、V8エンジン車も2018年のウルス発売[6]まで姿を消すこととなった。
モデル
初期モデル(1981年~1984年)
通称:シリーズ I
- 初期モデルのバンパーとエア・インテークは、「シルエット」と同様に黒に塗装されていた。ただし、エア・インテークの形状は「シルエット」のものとは異なる。
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ジャルパ・シリーズ I
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ジャルパ・シリーズ I(リア)
シリーズ II(1984年~1988年)
- 1984年のジュネーブ・ショーにおいて、シリーズ IIが発表された。エア・インテークがボディと同色に塗装されるようになった。ステアリング・ホイールの径が拡大され、エアコンとパワー・ウィンドウが標準装備となった[7]。1988年、親会社のクライスラーが生産終了を決定した。
F1 セーフティカー
1983年、カウンタックLP400Sと共用でフォーミュラ1のモナコグランプリのセーフティカーに採用された[8][9]。(OZホイールのスポンサーデカール付き)
脚注
- ^ 「ランボルギーニ ジャルバ」『ランボルギーニのすべて』三栄書房〈モーターファン別冊 名車アーカイブ〉、2013年、70頁。
- ^ “JALPA 最後のランボルギーニV8。”. Automobili Lamborghini S.p.A.. 2018年11月6日閲覧。
- ^ 「ジャルパとLMシリーズ」『ランボルギーニ』ネコ・パブリッシング〈ワールド・カーガイド〉、1995年、126頁。
- ^ 小川フミオ (2018年10月22日). “1970年代のランボルギーニの独自性を象徴したシルエット”. 朝日新聞デジタル. 2018年10月24日閲覧。
- ^ “総生産台数410台のランボルギーニ ジャルパが販売中”. Carnny (2017年1月5日). 2018年11月7日閲覧。
- ^ ホリデーオート編集部 (2018年2月6日). “【ニュース】スーパーSUV、ランボルギーニ・ウルスが日本デビュー!”. Webモーターマガジン. 2018年11月18日閲覧。
- ^ 「ランボルギーニ ジャルバ」『ランボルギーニのすべて Vol.2』三栄書房〈モーターファン別冊 名車アーカイブ〉、2017年、73頁。
- ^ Peter Orosz (2010年7月10日). “Holy Ferruccio! A Lamborghini Countach Safety Car”. Jalopnik. 2015年10月14日閲覧。
- ^ “Top 10 F1 Safety cars”. Car Keys (2017年8月16日). 2018年12月16日閲覧。
関連項目