2009年リリースの「Return To Heaven Denied Pt. II: "A Midnight Autumn's Dream」よりオラフが復帰し、再び初期のような疾走感溢れるパワーメタル路線へ回帰。続く「Architecture Of A God」「Welcome To The Absurd Circus」共に原点回帰的作風が続いている[4][5]。
ヨーロッパ各地より新世代のメロディックパワーメタルバンドが続々と登場していたこの時代、叙情的でメランコリックなメロディと疾走感をふんだんに盛り込んだ楽曲で構成された2nd Album「Return to Heaven Denied」(1998年)をリリースすると、大きく向上したソングライティングとロベルトの素晴らしい歌唱力が大きな話題を呼び、同時期にデビューしたRhapsodyと共にイタリアを代表する新世代のパワーメタルバンドとして注目、絶賛されることとなった。その後は精力的なライブ活動を行っており、ツアー中にロベルトが離脱。DOMINEのモービーが代役を務めた時期もあったが、やがて元の鞘に収まり、LABŸRINTHは次作の準備に取りかかった[8]。
1999年に2nd EP「Timeless Crime」を、2001年には3rd Album「Sons Of Thunder」をリリースする。プロデューサーにニール・カーノンを起用したこの作品はルイ14世をテーマとしたコンセプト作であり、未完のストーリーが綴られている[9]。前作と同じメンバーで制作されたこともあり、約2年間の活動を通じて得た経験や結束の強さが現れており、曲に対するアグレッシブさはより質を高め、プログレッシブロック的なテクニックを駆使するなど、随所に成長の跡がみられる。[10]このリリース後、バンド創設者であるオラフ・トーセンは他のメンバーが進もうとする音楽性への違和感と、自身のプロジェクトVision Divineに専念したいことを理由に脱退してしまう。
2007年にリリースされた6th Album「6 Days To Nowhere」は前作の脱パワーメタル路線を受け継ぎ、重量感のあるサウンドを盛り込んだ実験的な作品となったが、それと同時にAMAZING MAZEという別名義でFull Album「AMAZING MAZE」をリリースする。かつてのLABŸRINTHが絶賛を浴びた美旋律や疾走感、そして様式美に拘った本作は、往年のファンが待ち望んだLABŸRINTHらしさが感じられる作品であった。この年の12月、ドイツのヘヴィメタルバンドPrimal Fearと共に来日し、東京、名古屋、大阪で公演を行った[14]。
2009年にはオラフ・トーセンが電撃復帰することが報じられ、7th Album「Return To Heaven Denied Pt. II: "A Midnight Autumn's Dream」を発表。本作は1st Album「No Limits」、2nd Album「Return To Heaven Denied 」と共通のストーリーを持つ作品であり、オラフ曰く厳密には「No Limits」のパート3とのこと。1曲目の「The Shooting Star」は、2nd Albumに収録された最後の曲「Die For Freedom」のアウトロと同じメロディーでフェードインする形となっており、往年のファンにとってはオープニングから高揚感を煽られるような演出がなされている[15]。
7th Albumリリース後しばらくの間は、この作品を引っ提げてSonata Arcticaなどとツアーを行っていたが、2014年にロベルトがソロ活動に専念するため脱退。一時的にマーク・ボールズ(Mark Boals)が参加して活動を続けていたが、彼もまたRock Of Agesへの出演予定が有ったため加入するには至らなかった。2016年にフロンティア・レコードから次回作について打診を受けたバンドは、ソロのプロモーションを終えたロベルトに声をかけ、復帰することとなった[16][17]。
2017年には約7年ぶりとなる8th Album「Architecture Of A God」をリリース[18]。「Freeman」以降の作品で披露された叙情派のメロディックメタルスタイルの曲が中心でありつつ、トレードマークである疾走感や攻撃的なパートを含んだプログレッシブな展開、メロウなバラードなどメロディ重視な仕上がりとなっている。
2021年には9th Album「Welcome To The Absurd Circus」を発表し精力的に活動中。
2016年10月30日 ミラノで行われたFRONTIERS METAL FESTIVALに出演。このライヴの模様を収めたライヴ作品が2018年1月17日にDVD+CD、Blu-rayの2形態で発売された。本作は名盤として評価されている「Return To Heaven Denied」の再現を中心に演奏されており、初期ファンを熱狂させた貫録のパフォーマンスが完全収録された[19]。
2019年2月にはEvoken de Valhall Production&キングレコード主催の「Italian Melodic Fest 2019」にて再来日。同郷のElvenking、Trick Or Treatと共に東京、名古屋、大阪を巡り、名盤「Return To Heaven Denied」の再現を行った[20]。
現在のメンバー
Carlo Andrea Magnani (Olaf Thorsen) (ギター、1994-2002, 2009-)