ヤマハ・ビーノ

ビーノVino)とは、ヤマハ発動機が製造販売しているスクータータイプのオートバイである。

本項では派生車種にあたる電動スクーターE-Vino(イービーノ)についても記述する。

モデル一覧

Vino(50cc)

Vino
(5AU)
1997年モデル
基本情報
排気量クラス 原動機付自転車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 A-5AU
エンジン 3KJ型 49 cm3 
強制空冷2ストローク単気筒
内径×行程 / 圧縮比 40.0 mm × 39.2 mm / 7.3:1
最高出力 6.3ps/7000rpm
最大トルク 0.67kgfm/6500rpm
車両重量 70 kg
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Vino1997年3月8日に発売された[1]エンジンは同社の50ccスクーターで一般的な2ストロークを用いていた。外見は女性も意識したファッショナブルなデザインにし、アイドルのパフィーを起用して各種の宣伝を行ったところヒット車種となり、その後も毎年カラーリングの変更や小改良などを繰り返し、1998年3月2日には外装を変更したVinoクラシック[2] が発売されるなど各種の特別仕様車も追加発売された。

車体、エンジン共に基本構造が横型エンジンのジョグアプリオと共通となっている。但しフロントサスペンションはジョグとは異なるボトムリンク式である。1999年には排ガス規制に対応してジョグ同様にマフラーに触媒を装備した[3]

Vino
(SA26J)
2007年モデル
基本情報
排気量クラス 原動機付自転車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 BA-SA26J
エンジン A304E型 49 cm3 
水冷4ストロークSOHC3バルブ単気筒
内径×行程 / 圧縮比 38.0 mm × 43.5 mm / 12.0:1
最高出力 3.8kW 5.2ps/8000rpm
最大トルク 4.6N・m 0.47kgfm/6500rpm
車両重量 78 kg
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2004年3月29日に2代目へモデルチェンジ[4]。生産拠点を台湾台湾山葉機車工業)へ移管し、環境対策からヤマハの50ccスクーターとしては初めて4ストロークエンジンへの変更を受けることになった。そのエンジンはシリンダーにメッキ処理を施した水冷方式の3バルブOHCであり、様々な技術を用いて走行性能を落とさないように配慮されたものとなっている。車体も旧モデルのイメージを継承しつつ全面新設計となり、アルミキャストホイールも装備された。

2007年11月16日にはエンジン吸気系統にフューエルインジェクションを搭載し、排気系統に触媒を装備するマイナーチェンジ[5] を受けたが、これは先に発売されていた台湾仕様を日本国内向けにしたものである。

2015年10月20日[6]2017年8月21日[7] にはジョグ同様に排ガス規制対策によるマイナーチェンジが行われた。なお2016年より通常仕様は「ビーノ デラックス」として発売されている。

アメリカにも2ストローク時代から輸出販売されているが、マイル表示メーターやウインカー等が日本仕様と異なる。

Vino
(AY02)
2018年モデル
基本情報
排気量クラス 原動機付自転車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 2BH-AY02
エンジン AF74E型 49 cm3 
水冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
内径×行程 / 圧縮比 39.5 mm × 40.2 mm / 12.0:1
最高出力 3.3kW 4.5ps/8000rpm
最大トルク 4.1N・m 0.42kgfm/6000rpm
車両重量 81 kg
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2018年5月25日に3代目へモデルチェンジ。本モデル(2BH-AY02)は、2016年10月に発表された本田技研工業とヤマハ発動機の原付一種領域における業務提携により[8]、2BH-AF77型ジョルノの外観を変更したヤマハ発動機向けOEM車であり[9]熊本県菊池郡大津町平川の本田技研工業熊本製作所で製造されている[9]

Vino Molfe

Vino Molfe(ビーノ モルフェ)は2009年4月10日に発売された[10]ジョグポシェの後継にあたる主婦向けのモデルで、フロント部分に巨大バスケットを装備し、ヘッドライトを前面下部に、ウインカーをハンドル部分に移動させている。このモデルも2015年10月20日2017年8月21日にエンジン変更によるモデルチェンジが行われる。

Vino90

Vino90は台湾で1999年2月に発売された。台湾山葉機車工業で製造され、日本仕様Vinoとは異なるデザインでジョグ90(3WF)系の82cc空冷2ストロークエンジンを搭載する。車体デザイン以外のVino(5AU)との相違点として、フロントサスペンションがテレスコピックでボトムリンク風のメッキカバーが付き、フロントディスクブレーキを装備する。同じ車体の50cc(2ストローク)も台湾で製造・販売され、ヒットして数々の特別仕様車が作られた。

日本では並行輸入により一部の店舗で販売されていた。2004年に製造終了。

Vino125

Vino125
2006年モデル
基本情報
排気量クラス 小型自動二輪車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
エンジン 124 cm3 
水冷4ストロークSOHC単気筒
内径×行程 / 圧縮比 51.5 mm × 60.0 mm / 9.8:1
最高出力 -
最大トルク -
車両重量 109 kg
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Vino125は台湾で2000年4月に発売された。台湾山葉機車工業でデザイン・製造され、当初はVino Bianco 125という名前で、他のビーノの様にバーハンドルでは無く一般的なスクーター同様なハンドルカウルを持ち、メーターやヘッドライトも組み込まれていた。エンジンはシグナス系の124cc空冷4ストロークエンジンを搭載する。Vino BiancoRはフロントディスクブレーキである。2004年4月にモデルチェンジされVino125となる。ヘッドライトがハンドルカウルから他のビーノと同様にレッグシールドに移設され、バーハンドル化、メッキ別体メーター装備などビーノらしいデザインに変更された。フロントディスクブレーキでアルミキャストホイールを装備する。

Vino90と同じく日本では並行輸入により一部の店舗で販売されていた。2009年に台湾の排出ガス規制が強化されたため台湾での販売は終了したが、その後もアメリカ仕様やオーストラリア仕様などが輸出されていた。

E-Vino

E-Vino(イービーノ)は2015年8月20日[11] に発売された電動スクーターで、日本においては原動機付自転車となる。

車体はビーノのものを流用しているが、メットインにあたる部分をバッテリーが2個搭載できるスペースにし、後輪左側の駆動部に定格出力 580W のモーターを搭載した[12]。なお通常の搭載バッテリーは1個のみで、2個めのスペアバッテリーも搭載できるがオプションとして発売されている。

走行モードは2種類が設定できるが、坂道などに対応するため一時的に出力を上げる「ブースト」機能専用のスイッチも装備されている。

製造はビーノ同様に台湾山葉機車工業で行われている。なお台湾仕様車のE-VINOも発表されているが車体はビーノモルフェがベースとなっている。

テレビ東京の旅バラエティ番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」で用いられている。

車名の由来

車名はイタリア語ワインを意味するVino(ヴィーノ)より命名された。なお、Vino Biancoはイタリア語で白ワインのこと。

脚注

  1. ^ ヤマハニュース・1997年3月号 (PDF)
  2. ^ ヤマハニュース・1998年2月号 (PDF)
  3. ^ ヤマハニュース・1999年9月号 (PDF)
  4. ^ 新開発4サイクルエンジンを搭載した"レトロポップスタイル"スクーター ヤマハ スクーター 「ビーノ XC50」2タイプ全7色で新発売 - ヤマハ発動機・2004年1月19日
  5. ^ 環境性能に優れたF.I.(フューエルインジェクション)採用で熟成を図った "レトロポップスタイル"のスクーター ヤマハ「ビーノ XC50」シリーズ 2008年モデル発売 - ヤマハ発動機・2007年10月5日
  6. ^ エンジン性能と燃費を向上した 「ビーノ XC50D」「ビーノ モルフェ XC50H」を発売 - ヤマハ発動機・2015年9月8日
  7. ^ レトロポップでカワイイスタイルに大人らしさをプラスした原付一種スクーター 「ビーノ XC50D」20th Anniversary Editionを発売 新排出ガス規制へ適合した「ビーノ XC50D」「ビーノ モルフェ XC50H」も発売 - ヤマハ発動機・2017年7月25日
  8. ^ Hondaとヤマハ発動機が原付一種領域における協業の検討を開始
  9. ^ a b 新たに“アイドリングストップ・システム”を採用し商品性を向上 原付一種スクーター「Vino」をモデルチェンジ
  10. ^ 籐かご調のフロントバスケットを装備 買い物に便利な"レトロポップスタイル"のスクーター 「ビーノ モルフェ XC50H」新発売 - ヤマハ発動機・2009年2月10日
  11. ^ レトロポップでお洒落なスクーター「Vino」がEVで登場 エレクトリックコミューター第4弾「E-Vino」(原付一種)新発売 - ヤマハ発動機・2015年7月29日
  12. ^ ヤマハの電動バイク第4弾「E-Vino」で街を走ってみた。 - WEB Mr.BIKE

外部リンク