メルセデス・MGP W02
メルセデス MGP W02 (Mercedes MGP W02) は、メルセデスGPが2011年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。2011年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。 概要2011年2月1日にバレンシア・サーキットで発表とシェイクダウンが行われたが[1][2]、1月30日にMGP W02の画像が流出する騒動が発生した[3]。 シャシーはショートホイールベース化をコンセプトに設計された[4]。スペインGPから、ラジエータを前後長の短い2層型に変更した[5]。 ハイノーズは先端の位置が高く、極薄かつ偏平な形状に変更されている。前年のMGP W01では左右2分割式のインダクションポッドを採用していたが、レギュレーション変更により支柱型のロールバーが使用できなくなったため、通常のタイプに戻されている。逆に、ロータス・T128やフォース・インディア VJM04は、規則の抜け穴を見つけてメルセデス方式を模倣している[6]。 技術トレンドに従い、リアサスペンションはプルロッド式に変更された[6]。序盤戦はサイドポッドの中央付近に排気口を設けていたが、これもレッドブル方式に倣い、イギリスGPからリアタイヤの内側に排気を吹きつけるブロウンディフューザーに変更した[7]。 KERSは2009年にマクラーレン・MP4-24に搭載されたメルセデス・ベンツ・ハイパフォーマンス・エンジンズ製ユニットの発展形で、メルセデスユーザーのマクラーレンやフォース・インディアにも支給される。 ウィンターテストではオーバーヒート症状が問題になり、サイドポッドの数箇所にルーバーが刻まれた。シーズン中にはインダクションポッドの両側にインテークが追加された[8]。 2011年シーズンコンストラクターズ順位では4位となったが、レッドブル、マクラーレン、フェラーリら3強チームとの差は大きかった。ワークス復活2年目も優勝を果たせず、表彰台獲得もなかった。 MGP W02は直線では抜きん出たトップスピードを発揮し、イタリアGPの舞台となるモンツァでは、同スペックのエンジンを搭載するマクラーレンがDRSを使っても抜きあぐねるほどだった。しかし、リアタイヤの磨耗が厳しく、スティント後半にペースが落ちる問題は解消されなかった。ニコ・ロズベルグは中国GPとベルギーGPで首位を好走したが、レース終盤に燃費が悪化して順位を落とした。 シーズン終盤は、来季に向けてフロントウィング用のFダクト(Wダクト)をテストしていると報じられた[9]。これは2010年限りで禁止された切替え式と異なり、車速によって作動するパッシブタイプとみられる。また、若手ドライバーテストでは、ブロウンディフューザー禁止に備えたエキゾーストもテストした[10]。 スペックシャーシ
エンジン
記録
脚注
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