その他の用法については「プランナー 」をご覧ください。
プラナー
プラナー (Planar )はパウル・ルドルフ が1897年 に発明したカール・ツァイス の写真レンズ で、ツァイス・アナスチグマート としてはシリーズIAであった。
ツァイス・アナスチグマートのシリーズIBがウナー 、シリーズIIBがテッサー 、それ以外がプロター となっている。
初代プラナーは、ダブルガウス 型の発展過程における代表的なレンズのひとつで、完全に前後対称である。対称な設計は像面湾曲 や歪曲収差 が抑えられ、平坦を意味するプラーン(独:Plan )が名称の由来である。
その後プラナーは同系統のレンズのシリーズ名として使われた。第二次世界大戦 前、ダブルガウス 型はコマ収差 を抑えられず、空気面の多いこともコーティング技術の発達以前には不利であった。しかし戦後は、コマ収差を抑えられるようになり、同社のTコーティング・T*コーティングとともに高性能なレンズが作られるようになった[ 注釈 1] 。一眼レフカメラ では、ライバルのゾナー はバックフォーカスの短かさが構造上不利ということもあり、プラナーが看板レンズとなった。主に標準レンズ に採用され、一部大口径望遠レンズがある。
Sプラナー(S-Planar )は特殊用途(独:Sonder )であることを示し、その多くはいわゆるマクロレンズであり、後に一般向け製品はマクロプラナー(Makro-Planar )に名称変更された。Sプラナーには半導体露光装置 用や引き伸ばしレンズ、マイクロフィルム用レンズなども存在した。
製品一覧
プラナー50mmF2
アルファベット順に記述する。
キヤノンEFマウント
プラナー 50mmF1.4(2008年発売) - コシナ製。ZEマウント。
マクロプラナー 50mmF2 - コシナ製。ZEマウント。
プラナー 85mmF1.4(2008年発売) - コシナ製。ZEマウント。
マクロプラナー 100mmF2 - コシナ製。ZEマウント。
Milvus 85mmF1.4 - コシナ製。ZEマウント。9群11枚。
Millvus 50mm F2 - マクロプラナー(ハーフマクロ)。コシナ製。ZEマウント。6群8枚。
Millvus 100mm F2 - マクロプラナー(ハーフマクロ)。コシナ製。ZEマウント。8群9枚。
Otus 85mmF1.4 - コシナ製。ZEマウント。Apo-Planar。9群11枚。
Otus 100mmF1.4 - コシナ製。ZEマウント。Apo-Planar。6群14枚。
コンタレックス(Contarex )用
コンタレックス 参照。
コンタックス(Contax )用
コンタックス#レンジファインダーのコンタックス 参照。
コンタックスRTS(CONTAX RTS )用
コンタックス#コンタックス・ヤシカマウントカメラ 参照。
コンタックスN(CONTAX N )用
コンタックス#コンタックスNマウントカメラ 参照。
コンタックス645(CONTAX 645 )用
コンタックス#コンタックス645 参照。
コンタックスG(CONTAX G )用
コンタックスG 参照。
グラフレックスXL用
プラナー 80mmF2.8
プラナー 100mmF2.8
ハッセルブラッドVシリーズ用
純正扱いのレンズに関してはハッセルブラッドのカメラ製品一覧 参照。
マクロプラナー 120mmF4 - ドイツ製。ZVマウント。4群6枚。最短撮影距離0.8m。アタッチメントはφ67mmねじ込み。1,000本限定。
ライカマウント
ライカマウントレンズの一覧#カール・ツァイス 参照。
M42マウント
M42マウントレンズの一覧#カール・ツァイス 参照。
ニコンFマウント
ZFマウントはAi-S相当。ZF.2マウントはAi-P相当。
プラナー 50mmF1.4(2006年発売) - コシナ製。ZFマウント、ZF.2マウント。
マクロプラナー 50mmF2(2007年発売) - コシナ製。ZFマウント、ZF.2マウント。
プラナー 85mmF1.4(2006年発売) - コシナ製。ZFマウント、ZF.2マウント。
マクロプラナー 100mmF2(2007年発売) - コシナ製。ZFマウント、ZF.2マウント。
Millvus 85mmF1.4 - コシナ製。ZF.2マウント。9群11枚。
Millvus 50mm F2 - マクロプラナー(ハーフマクロ)。コシナ製。ZF.2マウント。6群8枚。ZF.2マウント。
Millvus 100mm F2 - マクロプラナー(ハーフマクロ)。コシナ製。ZF.2マウント。8群9枚。ZF.2マウント。
Otus 85mmF1.4 - コシナ製。ZF.2マウント。Apo-Planar。9群11枚。
Otus 100mmF1.4 - コシナ製。ZF.2マウント。Apo-Planar。6群14枚。
ペンタックスKマウント
プラナー 50mmF1.4 - コシナ製。ZKマウント。6群7枚。最短撮影距離0.45m。アタッチメントはφ58mmねじ込み。
マクロプラナー 50mmF2(2007年発売) - コシナ製。ZKマウント。最短撮影距離0.24m。アタッチメントはφ67mmねじ込み。
プラナー 85mmF1.4(2007年発売) - コシナ製。ZKマウント。5群6枚。最短撮影距離1m。アタッチメントはφ72mmねじ込み。
マクロプラナー 100mmF2 - コシナ製。ZKマウント。8群9枚。最短撮影距離0.44m。アタッチメントはφ67mmねじ込み。
ローライフレックス6×6cm判二眼レフ用
テッサー 75mmF3.5に続いてローライフレックス2.8Cから2.8Fまで搭載され、ローライフレックスの人気を決定付けた。
ローライ#ローライフレックス6×6シリーズ 参照。
ローライフレックス6000シリーズ用
ローライ#ローライフレックス6000シリーズ 参照。
ローライフレックスSL66シリーズ用
ローライ#ローライフレックスSL66シリーズ 参照。
ローライフレックスSL35/SL2000シリーズ用
ローライ#ローライフレックスSL35/SL2000シリーズ 参照。
ソニーAマウント
プラナー 50mmF1.4ZA(2013年発売)
プラナー 85mmF1.4ZA(2006年発売) - 7群8枚。コニカミノルタ が発売していた6群7枚のα85mmF1.4Gリミテッドとは設計が異なる。
ソニーEマウント
Touit 32mmF1.8
Loxia 50mmF2
プラナー 50mmF1.4ZA(2016年発売) - 9群12枚。11枚羽根絞り。最初の6枚が、ダブルガウス型。後の6枚で収差補正している。 [ 1]
大判用
プラナーシリーズIA (Planar Series IA )
1番 - 2cmF3.6
2番 - 3.5cmF3.6
6番 - 4cmF3.6
3番 - 5cmF3.6
7番 - 6cmF3.6
4番 - 7.5cmF3.6
8番 - 8.5cmF3.6
5番 - 10cmF3.6
9番 - 11cmF3.6
10番 - 13cmF3.6
11番 - 16cmF3.6
12番 - 20.5cmF4
13番 - 25cmF4
14番 - 30cmF4.5
15番 - 37cmF4.5
16番 - 42.5cmF5
17番 - 47cmF5
18番 - 61cmF6
19番 - 84cmF6
プラナー 80mmF2.8 - 6×9cm判をカバーする。
プラナー 100mmF2.8 - 6×9cm判をカバーする。
プラナー 135mmF3.5 - 5群5枚。イメージサークルφ170mm。アタッチメントはφ67mmねじ込み。シャッターはコンパー#1。T*コーティング。
産業用・接写用など
Sプラナー120mmおよびマクロプラナー120mm
S-プラナー 100mmF2.8 - 40mmP=1mmねじマウント。前側アタッチメントなし。調整可能な絞りなし。現存個体には前群にバルサム剥がれの出たものが見られるため、貼り合わせのないレンズ構成であるコンタックス・ヤシカマウント用マクロプラナー 100mmF2.8とは無関係の光学系を有している) [独自研究? ] 。
S-プラナー 120mmF5.6 - 32.5mmP=0.5mmねじマウント(0番シャッターと同サイズ)。アタッチメントは前側のみ、49mmP=0.75mmねじ込み。中判引き伸ばし用、もしくは縮小コピー用レンズ。光学系は各種中判カメラ用の同名レンズと同一であり、それらの量産用に用意されたレンズエレメントを流用して生産されたため、製造番号でそれら中判レンズと区別することは困難である。製造時期により単層コーティングのもの、マルチコーティングのもの、さらに銘板にT*表示のあるものが存在した。46mmP=1mmねじマウントへ変換する純正アダプターが取り付けられているものもある。前後群のねじ寸法および前後群の間隔が0番シャッターレンズと同一であるため、同規格のシャッターに組み込んで使用されることもある。
S-プラナー 135mmF5.6 - ハッセルブラッドマウント。 アタッチメントは前側のみ、60mmバヨネット式。このレンズは、ベローズに取り付けて接写を主に行うベローズレンズとして開発された物だが、∞から撮影できる。光学系内部に、レンズ・シャッターを組み込んで有り、マウント部よりも後ろの方に光学系が突出している。
マクロプラナー 120mmF4 - 32.5mmP=0.5mmねじマウント(0番シャッターと同サイズ)。アタッチメントは前側のみ、49mmP=0.75mmねじ込み。S-プラナー 120mmF5.6の後継品。このレンズも中判カメラ用の同名レンズと同一の光学系を持つ。前後群を取り外し、0番シャッターに組み込むことも可能。
拡大撮影用
プラナー5cmF4.5およびロッス・ボシュロムのライセンス生産プラナー20mmF4.5
イギリスのロッス やアメリカのボシュロム でライセンス生産されたものもある。
ごく少量ながら、19世紀末から第二次大戦中までの長期にわたって生産されたため、時期によって鏡胴の外見が大きく異なる。ツァイス生産品は鏡胴のマウント側にSerie IAの刻印が見られる。鏡胴の焦点距離表記の単位はcmであったりmmであったり、生産ロットによってまちまちである。
プラナー 2cmF4.5 - RMSマウント
プラナー 3.5cmF4.5 - RMSマウント
プラナー 5cmF4.5 - RMSマウント
プラナー 7.5cmF4.5
映画用
プラナー 32mmT2.1 - アリフレックス マウント。16mm/S16用。
プラナー 55mmT1.3 - PLマウント。35mm用。
プラナー 85mmT2.1 - コンパクトプライム。PLマウント。35mm用。
プラナー 85mmT2.1 - コンパクトプライムII。PL/E/Fマウント対応。ライカ判フルサイズ対応。
プラナー 85mmT1.4 - PLマウント。三角絞り。35mm用。
プラナー 85mmT1.3 - PLマウント。35mm用。
プラナー 135mmT2.1 - PLマウント。35mm用。
注釈
出典
参考文献
Carl Zeiss Camera Lens Division, The right lens for each situation -- Carl Zeiss camera lens types . Camera Lens News, Nr. 38 (December 2010), p. 11 pdf 2010年12月23日閲覧。
『カメラ年鑑1986年版』日本カメラ社
関連項目
関わった設計者
出典
参考文献