ブルー&ロンサム
『ブルー&ロンサム』(Blue & Lonesome)は、2016年に発表されたローリング・ストーンズのスタジオ・アルバム。プロデュースはドン・ウォズおよびグリマー・ツインズ。全英1位[1]、全米4位[2]を記録。 解説前作『ア・ビガー・バン』(2005年)から11年ぶりとなる新作アルバムは、キャリア54年目にしてグループ初のカバーアルバムとなった。収録曲は彼らのルーツである古典的なブルースで占められている。録音は2015年12月にわずか3日間という短期間で実施された[3]。外部ミュージシャンの参加も少なく、レギュラー・メンバーであるダリル・ジョーンズやチャック・リーヴェルの他に3名のゲストしか参加していない。ゲストの一人であるエリック・クラプトンがストーンズのスタジオ作品に参加するのは1970年以来46年ぶり。ミック・ジャガーがハーモニカ以外の楽器を全く演奏していないのは1986年の『ダーティ・ワーク』以来、またキース・リチャーズがリード・ボーカルをとった曲が1曲もないのは1974年の『イッツ・オンリー・ロックン・ロール』以来のことである。本作はオーバー・ダビングもほとんど行われておらず、正に原点回帰となった作品である[3]。本作はデジパック仕様の通常版に加え、72ページに及ぶアルバムメイキングを解説したブックレットとポストカードが付いたデラックス・エディションも発売された。LP盤は2枚組で発売されている。ストーンズのスタジオ・アルバムで、グループのロゴである舌のマークが表ジャケットの意匠に使用されたのはこれが初めてである(コンピレーション・アルバムなどには何度も使用されている)。 本作は当初からカバー・アルバムとして制作されていたわけではなく、偶然な流れでこのようになったという。メンバーによれば、当初は新曲を録音していたが、飽きてきたので気分転換にブルースを演奏してみたところ、全員が夢中になったという[4]。偶然隣のスタジオに滞在していたクラプトンは、挨拶のため訪れたストーンズのスタジオでセッションに参加することが決まった[5]。尚、中断されたままの曲の制作について、プロデューサーのドン・ウォズは「これで終わりなんてことは全くない」と語り、オリジナルアルバムも完成させることを示唆した[6]。 評価イギリスでは初登場で1位となり[1]、プラチナ・ディスクも獲得した[7]。グループのアルバムが英国で1位となるのは2010年の『メイン・ストリートのならず者』デラックス・エディション以来6年ぶり、新作アルバムでは1994年の『ヴードゥー・ラウンジ』以来22年ぶり。その他、スイス、ドイツ、オーストリア、オランダ、ベルギー、スウェーデン、ノルウェー、オーストラリアにおいても、それぞれ1位を獲得している[8]。日本でも3位に付け、これでストーンズは日本において1970年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代と5つの世代でトップ10入りする記録を達成した(洋楽部門では5組目)[9]。アメリカでは4位が最高位である。 各プレスからの評価も、デイリー・テレグラフでは5/5[10]、オールミュージックおよびローリング・ストーンで4.5/5[11]、ニュー・ミュージカル・エクスプレスでは4/5[12]と、おおむね高評価を受けた。Metacriticによるスコアは100点満点中82点[13]。 収録曲
パーソナル※CD記載のクレジットに準拠 ローリング・ストーンズ ゲスト・ミュージシャン
スタッフ
脚注
外部リンク
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