フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(原題: The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun)は、2021年のアメリカ合衆国のコメディ映画。監督はウェス・アンダーソン、出演はビル・マーレイとベニチオ・デル・トロなど。20世紀のフランスの架空の都市で発行されたアメリカの雑誌『フレンチ・ディスパッチ』の最終号に掲載されたストーリーをオムニバス形式で描く[6]。 2021年7月に開催された第74回カンヌ国際映画祭で初上映された[7]。 キャスト※括弧内は日本語吹替[8]。
ストーリー1975年。アメリカ中西部の架空の新聞『ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン』は、世界中のジャーナリストがオリジナリティあふれる記事を寄稿する、架空の別冊雑誌を持つ。それが1925年創刊の『ザ・フレンチ・ディスパッチ』である。フランスの架空の街アンニュイ=シュール=ブラゼに編集部があり、世界50か国で50万人の読者をかかえている。 創刊者で編集長のアーサー・ハウイッツァー・Jr.が急死したことで、彼の遺言どおりに雑誌を廃刊することが決まる。前払いした定期購読者には、残金の払い戻しも行われる。 現在編集中の雑誌は最終号となった。編集長への追悼を込め、1つのレポートと3つの物語が掲載されることになった。それぞれの記事内容と共に、編集長が存命だった時の編集部の様子を加え、大きく4つのエピソードに分けてオムニバス的に、コミカルかつシュールに描いていく。 「自転車レポート」では、エルブサン・サゼラック記者により、編集部があるアンニュイ=シュール=ブラゼの街を紹介するエピソード。 「確固たる(コンクリートの)名作」は、美術批評家J.K.L.ベレンセンによる芸術紹介。殺人で服役している天才画家と、その価値を見出した画商、そして絵画のモデルとなっている看守のエピソード。 「宣言書の改定」は、ルシンダ・クレメンツ記者による学生運動の記録。学生運動のリーダーと、それに恋する会計係の学生らによる数奇なエピソード。 「警察署長の食事室」は、祖国を追われたローバック・ライト記者によるエピソード。美食家の警察署長と、お抱えシェフを中心に、大きな事件が起きる。 最後に、編集長の遺体が安置された編集長室で追悼記事が書かれ、編集部は解散する。 この架空の雑誌および編集者の設定は、実在する雑誌『ザ・ニューヨーカー』からインスパイアされている。 作品の評価Rotten Tomatoesによれば、308件の評論のうち高評価は75%にあたる230件で、平均点は10点満点中7.1点、批評家の一致した見解は「ジャーナリズムの精神に対する愛情のこもった頌歌である『フレンチ・ディスパッチ』は、ウェス・アンダーソンの細部にまでこだわった美学のファンであれば最も楽しめる作品であろう。」となっている[9]。 Metacriticによれば、56件の評論のうち、高評価は44件、賛否混在は11件、低評価は1件で、平均点は100点満点中74点となっている[10]。 関連書籍
関連項目
出典
外部リンク |