犬ヶ島
『犬ヶ島』(いぬがしま、原題:Isle of Dogs)は、ウェス・アンダーソンが監督・脚本・製作を務めた、2018年のストップモーション・アニメーションSFコメディ映画。 第68回ベルリン国際映画祭のオープニングを飾り、アンダーソンは銀熊賞(監督賞)を受賞した。全世界で6,400万ドル以上の興行収入を記録し、批評家からはアニメーション、ストーリー、デッドパン・ユーモアが評価され、高い評価を得ている。第76回ゴールデングローブ賞、第72回英国アカデミー映画賞にノミネートされ、第91回アカデミー賞では長編アニメ映画賞と作曲賞の2部門にノミネートされた。 物語
その昔、犬と犬嫌いの小林一族との間で争いが起こっていた。劣勢の犬に同情した少年侍は戦に参加し、小林一族の長を殺害するが少年も亡き者になりその魂は祀られ、結局犬も小林一族に勝てず服従を余儀なくされる。 それから千年後。ウニ県メガ崎市では犬の伝染病「ドッグ病」と「スナウト病」が蔓延し始め、社会問題となっていた。 科学者である渡辺教授は「ドッグ病を治す血清がじきに完成する」と主張するが、小林市長はそれを無視し、犬をゴミ島へ隔離することを決める。 最初にゴミ島へ送られたのは、小林アタリ(小林市長の親戚で、3年前の両親の列車事故での死後に、市長の養子となっていた)の飼っていたスポッツだった。 そして、ゴミ島への隔離が決まって6か月後、スポッツを探しにアタリは飛行機を使いゴミ島へ不時着する。そこで待っていたのは、犬のレックス、キング、デューク、ボス、チーフだった。 構成
世界観・用語解説
声の出演
プロダクション2015年10月にアニメーション映画『ファンタスティック Mr.FOX』を監督したアンダーソンは、エドワード・ノートン、ブライアン・クランストン、ボブ・バラバンが主演して犬に関する映画でアニメーションに戻ってくると発表した[6][7]。アンダーソンは、黒澤明、宮崎駿監督の映画、ランキン・ベースプロダクションズが制作したクリスマス用のストップモーション・アニメーションの影響を強く受けていると話している[8][9]。 セットの制作には670人のスタッフが携わり、4年かけて作り上げた。 評価Rotten Tomatoesでは、255件のレビューに基づいて89%の支持率を示し、10点中8.1点となった[10]。 批判いくつかの批評家は、この映画で描かれている日本に対して、「ステレオタイプである」、「ホワイト・ウォッシング」(犬を救おうと立ち上がるキャラクターが、交換留学生の女の子)、「日本への配慮が不足している」(原爆を想起させるキノコ雲が上がるシーンが存在する)、「英語至上主義」(日本犬が英語をしゃべる)などとして批判した[11]。 受賞
漫画
望月ミネタロウによるコミカライズが、2018年5月24日発売のモーニング、Dモーニング25号(講談社)にて連載[13]。単行本は2018年8月23日発売[14]。 脚注
外部リンク |