ビュグヴィルとベイラ

ビュグヴィル古ノルド語: Byggvir)とベイラ古ノルド語: Beyla)は、北欧神話に登場する人物である。 豊穣神フレイの召使いで、2人は夫婦である[1]

ビュグヴィルとベイラに言及する現存の文献は、『古エッダ』に収録された『ロキの口論[2]のみである。

フレイは妖精の国アルフヘイムの支配者であり、『ロキの口論』の冒頭には、エーギルの宴会場に集まったアース神族と妖精たちの中に2人がいたと書かれているため、2人は妖精である可能性がある。 ただし、松谷健二は、この箇所が原文では押韻されていることから、あくまでも朗読の調子に考慮した表現であるとしている[3]

ビュグヴィル

彼の仕事は石臼穀物から製粉をすることであった。こうした仕事は奴隷の仕事とされている[1]

『ロキの口論』第43-46節で、ロキとビュグヴィルは口げんかをする。ロキはフレイに醜聞を聞かせるべく罵倒し、さらにビュグヴィルの小さな体格をからかった[4]

松谷健二は、ロキがビュグヴィルを「石臼のそばでうなっているやつ」と罵倒した箇所を、豊穣神に従うビュグヴィルが穀物のであることから、穀物が石臼で碾かれることの暗喩ではないかと指摘している[5]

ベイラ

『ロキの口論』第55 - 56節で、ベイラはトールが諫めに来たのをロキに告げるが、ロキから罵倒されてしまった[6]

脚注

  1. ^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』88頁。
  2. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』80-87頁。
  3. ^ 『エッダ/グレティルのサガ』33、44頁。
  4. ^ 『エッダ/グレティルのサガ』40-41頁、『エッダ 古代北欧歌謡集』85頁。
  5. ^ 『エッダ/グレティルのサガ』40、46頁。
  6. ^ 『エッダ/グレティルのサガ』42頁、『エッダ 古代北欧歌謡集』86頁。

関連項目

参考文献