ヒメカンアオイ
ヒメカンアオイ(姫寒葵、学名: Asarum takaoi)は、ウマノスズクサ科カンアオイ属の常緑の多年草[1]。ミチノクサイシンを基本種とする変種(Asarum fauriei var. takaoi)とする見解もある[4][5][6][7]。 特徴茎は地に伏す。茎先から毎年、1-2個の葉を展開する。葉柄は暗紫色から淡緑褐色。葉身は円形または広卵形で長さ4-7cm、幅4-6cm、先端は鈍頭、基部は心形、表面に短毛が密生し光沢はなく、白い雲紋があるものもある[4][5][7]。 花期は2-3月。展開した葉の葉柄のつけ根に花を付ける。花は淡紫褐色で、萼筒は短い筒型または鐘形で、長さ5-8mm、径7-12mm、萼口は広く開き、上端にくびれはない。萼筒内部に縦横に走る隆起した襞があり、縦襞は12-24個、横襞は6個ほどあり、萼筒の大きさにしては数が多く複雑な網目状なる。萼裂片は卵状三角形で開出し、先端はやや鈍頭または鋭頭、長さは筒部と同じかそれより長く、表面は比較的滑らかである。雄蕊は12個あり、短い花糸で子房壁につき、葯は外側に展開する。子房は上位で、花柱は6個あって直立し、その背部が上方に細長く角状に伸び、長さは2.5mm以下であるが先端は筒口付近まで達する。花柱の角状突起は縦に2裂し、ふつう接着しているがときに二又に分かれることもある[4][5][7]。 ギフチョウの幼虫の食草となっている。 分布と生育環境日本固有種[6]。本州の愛知県・岐阜県・長野県・石川県・富山県・紀伊半島・広島県、四国の高知県南東部に分布し、広葉樹林の林床に生育する[7]。 分類本種の開花期はふつう早春であるが、秋に開花する集団もある[7]。両集団について、葉や花に形態的な相違は認められないとする見解がある一方[7]、葉や花の形態に地理的変異がかなりあるとする見解がある[5]。いずれにしても、遺伝的な分化の研究や[7]形態の地理的変異の状況把握[5]については今後の調査が必要であるとしている[5][7]。 ギャラリー
脚注参考文献 |