パンチとジュディ (推理小説)『パンチとジュディ』(ぱんちとじゅでぃ、原題: The Magic Lantern Murders )[1]は、アメリカの推理作家カーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カーの別名義)による推理小説。発表は1936年。ヘンリー・メリヴェール卿ものの長編第5作目にあたる。 「パンチとジュディ」は、イギリスで人気のある人形劇で[2]マザー・グースにも歌われており、本作では事件全体のドタバタぶりがこの人形劇に例えられている。 あらすじ婚約者イヴリン・チェインとの結婚式を翌日に控えた元英国情報部員ケンウッド(ケン)・ブレイクは、元上司のヘンリー・メリヴェール卿に突然呼び出され、ドイツの元スパイのホウゲナウアの身辺を探るよう命じられた。ヨーロッパ中の警察が血眼になって追っている国際的ブローカー「L」の正体を提供すると取引を持ちかけてきたため、真偽のほどを確かめろというのだ。ところがケンが屋敷に侵入しかけたところ、手違いで警察に泥棒で逮捕されてしまう。ケンは何とか逃げ出して屋敷に忍び込んだものの、そこでホウゲナウアの死体を発見する。さらに逃走すると今度はホウゲナウアの友人でドイツ人科学者のケッペルが滞在するブリストルのホテルに向かうよう命ぜられるが、そこでも新たな死体に遭遇してしまう。 主な登場人物
作品の評価江戸川乱歩は「カー問答」(『別冊宝石』、カア傑作集、1950年)[3]の中で、カーの作品を第1位のグループから最もつまらない第4位のグループまで評価分けし、本作を第4位のグループ6作品の4番目に挙げ、第4位全般の評価として、いずれも怪奇性が充分あるので一応読ませるが、探偵小説としての創意が乏しいと記している。本作については、前に挙げたファース作品(『盲目の理髪師』のこと)に比べて面白味が足りないとのみ評している。 他作品との関連
日本語訳
脚注関連項目 |
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