トヨトミ
株式会社トヨトミ(英: TOYOTOMI CO.,LTD.)は、日本の大手暖房器具・空調機器メーカーである。 本社は愛知県名古屋市瑞穂区。冬季放映のCM[注 1]で有名な「トヨストーブ」で知られる。 沿革
トヨトミの独自技術レーザーバーナートヨトミは「ポット式としては」小型、余熱時間短縮、燃焼時の石油臭の低減等を実現し、さらに他の方式(ブンゼン式など)と同様の高温燃焼化に成功。これに特許と「レーザーバーナー」の商標を取得している。 小型ポット式燃焼による高い熱効率、低NOx・低CO、前シーズンの残り灯油[注 2]が使用できるほどの高い耐久性、省電力[注 3]、静音[注 4]などが特徴で、同社のファンヒーターのセールスポイントになっている。またブンゼン式に比べてバーナーが上下方向に大きくなりがちな事を逆手に取り、大容量のカートリッジタンク(どでかタンク)を採用して給油回数を減らす傾向にある[注 5]。なお、2011年(平成23年)モデル以降は前シーズンの残り灯油[注 2]が使えて無駄がなく、省電力設計であることから「エコバーナー」という名称になっている(家庭用開放式ファンヒーターのみ)。 また、ポット部分を耐熱ガラス張りとし、遠赤外線を併用する「アンティークファンヒーター」も発売している(2020年(令和2年)12月時点ではLR - 680Fが継続発売されている)ほか、2010年(平成22年)度モデルからはポット式の弱点だった温まるまでの立ち上がりの遅さを克服するために、3秒ですぐに温まる電気ヒーター(セラミックヒーター)を搭載した「ハイブリッドヒーター」を発売した(2020年(令和2年)12月時点ではLC - SHB40Iのみ)。 2014年(平成26年)度モデルからは、湿度センサーを搭載することで体感温度に応じた自動制御が可能で、石油ファンヒーターでは珍しいリモコン付のハイグレードモデル「スマートファンヒーター」を発売した(2020年(令和2年)12月時点ではLC - SL36HとLC - SL53Hの2機種)。 なお、FF式石油ストーブには低NOx性能を強化した「エクセレントレーザーバーナー」を採用している。 2017年(平成29年) - 2018年(平成30年)シーズンまでトヨトミが唯一のメーカーであったが、2018年(平成30年) - 2019年(令和元年)シーズンよりサンポットに特許権を供給している。 ダブルクリーンダブルクリーンは、トヨトミの芯を用いた石油ストーブの燃焼機構技術である。 通常の耐熱ガラス筒による燃焼筒の上に、二次燃焼室を設け、従来放出されていた未燃ガスを燃焼させる方式である。これにより従来よりも灯油単位量あたりに対して高効率である他、二次燃焼室の火力調整幅が広いことが特徴である。また、低CO、低NOx、また芯に未燃成分が残りにくいため高耐久性と、ファンヒーターのレーザーバーナーに比する高耐久・省エネ性がセールスポイントとなっている。 しかし、家庭用暖房の主役をファンヒーターに譲り、その代用品・補完品として低イニシャルコストが求められがちな芯式の石油ストーブにあっては、製造コスト上不利であり、「レーザーバーナー」がトヨトミのほぼすべてのファンヒーターに採用されているのに対して、「ダブルクリーン」は上位機種のみの展開となっている。 特に家庭用よりも公民館などのような、公共施設で購入されることの多い対流式においては、ランニングコストよりもイニシャルコストの低減が求められがちであり、ダブルクリーン開発当初に発売したものの、販売数が伸びず、2009年(平成21年)に一旦全品廃番となった。しかし、少数ながらも根強いユーザー層の要望に答える形で、2015年(平成27年)に限定品としてKR - 47Hが復活、翌シーズン以降は量産品として完全復活した(2017年(平成29年)モデルからはカラーリングがアイボリー系となったKR - 47Aにマイナーチェンジ。2018年(平成30年)にはレッド(KR - 47R)が追加された)。 主要製品
石油ファンヒーター事故同社が1982年(昭和57年)から1983年(昭和58年)にかけて製造した石油ファンヒーター・LCR-3型で、2006年(平成18年)12月に、北海道苫小牧市のアパートで、親子7人が一酸化炭素中毒で死亡する事故が起こった[4]。 三洋電機石油ファンヒーター事故以前の製造なので、安全装置はついていなかった。同社製品による事故発生を受けて、1986年(昭和61年)から回収が行われていた[4]。対象製品は以下の5機種で、いずれも1982年(昭和57年) - 1984年(昭和59年)に製造された[5]。
しかしこの事故に関して、使用していた石油ファンヒーターは正規に購入したものではなく、ゴミとして廃棄されていたものを拾って再利用していたことが後日判明した[6]。当初は北海道警察が業務上過失致死傷罪の容疑で、メーカーに刑事責任があるとしていたが、これにより刑事責任を問うのは困難になった。 なお死亡した親子の遺族は、2008年(平成20年)に「被害拡大を防ぐための周知義務や回収・交換義務を怠った」「国が回収を命じていれば事故を防げた」として、トヨトミ及び日本国政府を相手取り、それぞれ約8,000万円の損害賠償を求める民事訴訟を札幌地方裁判所に提起したが[7][8]、2010年(平成22年)に遺族の請求をいずれも棄却する判決が出ている[9][10]。 その他石油暖房機器製造から撤退した日立製作所に代わり、日立チェーンストールに当社製品が供給されている。また、石油ファンヒーターの自社生産を中止した長府製作所にもOEM供給されている。 関連会社
脚注注釈
出典
関連項目
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