トヨタ・KZエンジン
トヨタ・KZエンジンは、トヨタ自動車の水冷直列4気筒ディーゼルエンジンの系列である。 開発の経緯小排気量からパワーを搾り出していた2L型(2,446 cc)の各ターボエンジンは、特に車両総重量の大きなRVや商用車において、熱変形によるシリンダーヘッドの割れ、ガスケットの吹き抜け、バルブシートの脱落、ピストンの焼きつき、潤滑不良などのトラブルが多発していた。そのため、過給エンジンは2L型までで、より排気量の大きい3L型(2,799 cc)、5L型(2,985 cc)では自然吸気エンジンのみとなっている。 また、バブル景気を背景に巻き起こったRVブームにより、小型ディーゼル車が急激に増加。幹線道路周辺などで粒子状物質が増加し、大気汚染の一因になっていると批判されるようになり、それに伴い、排出ガス規制は年々厳しさを増していった。設計の古いディーゼルエンジンでは、大量のEGRと過剰な燃料噴射でNOxの発生を抑える策を採るものが多く、その結果、排出される多量の黒煙はディーゼル車にネガティブイメージを与える事にもなった。[1] これらの問題から、最早L系の改良では高性能商品としての成立が難しい状況であった。そこで、市場でのトラブルフリーとモアパワー、そして環境性能改善に対する要求の高まりへの回答として、新系列のKZ型が開発された。 欧州市場で特に問題となっていたL型系での連続高負荷運転時の熱歪み対策として、1KZ型ではシリンダーは鋳鉄製としつつアルミ製シリンダーヘッドが採用された[2]が、腰下や動弁系の成り立ちはL型系の延長線上にあり、5L型との類似点も多い[要出典]。 燃焼効率向上の為に電子制御を採用し、ガソリン車同様「EFI」の商標が使用されることとなった。 日本の自動車用量産ディーゼルエンジンとしては、初めてEGRを搭載する事となった[要出典]。前述のアルミシリンダーヘッド化、燃料ポンプの変更と、CT12B型ターボによるターボ過給により、燃費向上などの性能向上を実現している。 同時期のエンジンに倣い、商標名を「LASRE」としている。 長期規制適用に際し、TCCS[3]の採用、電磁スピル弁直接駆動式のインジェクションポンプ、シリンダーヘッドおよび燃焼室形状の最適化[4]、インタークーラーの追加採用、酸化触媒や電子制御式吸気絞り機構、水冷式EGRクーラ及びE-EGR[5]の採用と変更がなされている。これにより、グランビアにおいてマイナーチェンジ前後で7kw(10ps)/54Nm(5.5kgf)の出力向上を実現している[6]。 KZ型系では3.0 L以外の排気量は設定されていない。コースター用を除く日本国内向けの乗用登録用ディーゼルエンジンとしては、後継の1KD型同様、トヨタのラインナップ中最大排気量となる。
系譜
型式1993年5月登場 過流室式ディーゼルエンジン 水冷直列4気筒SOHC 1KZ-TE - 3000cc
脚注
参考文献
関連項目 |
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